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プロローグ

グラグラ体が揺れる。

「ダリぃ」

船に乗って5年目の船崎航一は結構な時化だなぁと愚痴を零す。





航一は親に薦めらたチラシで17歳の頃から遠洋漁業に乗っている。

単純に水平線が見たいからと理由でなぜかアフリカと南極の間にいる。

確かに水平線は良かったと思っていた。

(360°パノラマ水平線は確かに圧巻だった。けどこれは聞いてないぞ!時化になると波が見上げる程上にあるなんて何やそれ?それにピッチングって何?!)

波に上手く乗れなかった時に波の間に落ちる時それをピッチングと言う、で海に叩きつけられるそれでも船は沈まない、只、船内の物は固定しない限りグチャグチャになるが

「いらっしゃい!!」

何かがかかったようだラインホーラーと言われる縄巻機それに繋がる船縁に付いているサイドローラーそっから海に垂れている本縄それに付いている枝縄サイドローラーの先に手を出して枝縄をかわす船員、松井智久


智久は後少しで港に行けると聞いて気合いが入っている、前の港から約3ヶ月智久はクラブ(女)航一は(カジノ)が近づいている事に思いを寄せていた、巻き上げる海潮に顔を顰めながらとても良い笑顔を見せて大声を上げる、枝縄を舷門に向かって移動するその先には航ーがいる。流石に5年も乗っていればラインホーラーの音で魚が掛かってるのかはわかっていた。

航一は左手を上げて枝縄を取る。舷門の側にいるから俺は先引き智久は後引きにおさまり、周りが銛やら長手鍵を持ってまだ見えぬ魚に備える、

「鮪やでー!」

持った瞬間分かった様だ、急に方向転換しようとしたり、海底に潜ろうとしたり慌ただしい事この上ない、長物だったらもう少しずっりするし(カジキ、白皮、黒川、鮫等)後、でかさが分からん位か?でも手応えはある指先で頭を誘導しながら引っ張っていく、順調にまた、最新の注意を払いながらブランと言われる枝縄から三寄りと言われる3つ寄られたナイロンその先には手グスと言われる一本のナイロンそれを二人で手繰り寄せていく、周りは声を出さずに海を見つめている魚影を待っていた、

水銀灯に照らされた海面に魚影が見えた時

[ドボン!]

銛が打ち込まれた鮪も分かっているのだろう転瞬かわして逃げようとするでもその先にまた銛が打ち込まれた今度は頬骨に突き刺さる銛の先にある燕(鏃の様な針)を押し込み銛を外すまた燕に付いている縄を直ぐに引っ張り始める、これで手グスと燕からの引っ張りで逃げにくくする。

漁と言うより狩りだな、長手鍵を構えた人達が舷門の側で構えている、俺も更に力を入れて引っ張る結構でかい80kgはあるだろう、瞬間、とも(船尾)から黒い影が見えた。

「鯱やー!!」

誰かが叫ぶ。

「嘘やろ!」

鯱という生物はテレビで見る様な生き物では無い、本当に頭が良く鮪船を見つけると何故かついてくる、鮪船だと理解してるかどうかは分からないが、ついていったら鮪が食えるというのは分かるらしい、

もう縄が切れるのも関係ないと航ーと智久は力の限り引っ張り出す、鮪も必死に逃げようとする、そりゃそうだろう捕まったら食われるんだから、

その瞬間、背鰭を大きく出したら勢いよく海に潜る鯱、やられると、思った時に手に掛かる負荷が一気に増していく、一瞬ブランが人の力では抗えない引きで引っ張られる後に訪れるのは重さのなくなったブラン、取られた、悔しい気持ちが込み上げる、

「やろー」

海の中から影が見える、鮪を咥えた鯱が出てきたのだ、いかにも見せつける様に、鯱にとっては餌と遊びの両方だったんだろう、航ーはすぐ側の銛を掴んで燕をとり投げ付けていた、当たりはしなかったが

「邪魔すんなっ!!」

思わず叫ばずにわいられなかった、と目線を鯱に向ければその側に馬鹿でかい影が見える。15mはあるだろうか?

「親子で来んなよ、今日は無理かなー」

俺は一人ごちた。

あんの常その後には鮪の頭だけが量産された。









「今日は楽やったな、」

「ああ、言っちゃなんだけど鯱が来て良かったわ」

漁が終わりトモ(船尾)でコンベアのヘリに寄りかかりながら智久と航ーが愚痴をこぼしていた。

「なら、今日は鯱回しか?」

「だろうな、いつもなら縄入れ終わった所から上げるのにその逆だもんよ、難儀な事やで」

「それに空見たか?朝焼け、めっちゃ焼けとったで!」

「ああ、見たよ、今夜から大時化だな、朝焼けになると海あれるのなんでやろな?」

そのような話をしながら朝日が完全に出ていた、朝から漁を始めて朝に終わる、そんな毎日を過ごしながら2人は船内に入って行った。



「ジリリリリリリリリィィィ!!」

船のベルがけたたましく鳴る、ブイが近くに来た合図だ。

たっぷり8時間寝た船員はかなり疲れも落ちたようでダルさが目に見える、冷凍組も昨日は鮪が3本しかこなかった事で落としといった仕事もなかった様だ。

落としとは、人よりか早く起きて鮪を急速冷凍室からさらに下の冷凍室に入れる事で保存することだ。

-60°に成るまで半日から1日掛かる、魚の量にもよるが最大-70°から10°まで成る事もある。

その為冷凍室の霜を頻繁に掃除しなければならない、航ーはそれを纏める冷凍長という立場にあった。


「風強っ!」

航ーは外に出た瞬間に風に飛ばされそうになり必死に手すりに捕まっていた。

ビュウビュウと吹き荒れる風の中黒いゴムカッパを着ている航ーのカッパの後ろの方がこれでもかと言わんばかりに膨らんでいる、その中で手すりに捕まりながらゆっくりとタラップに向けて歩いて行く。

(マジか、普通休むか、流すだろ?!)

異常な天気の中、いくつかの台風が重なった様な大荒れの海、波が山の様に唸り海水や雨が上から下から舞い上がるその水しぶきは最早弾丸の様に顔や手、剥き出しの肌に突き刺さる、その中で漸くタラップを降りたら少し風が止んだ、風防変わりの仕事場で皆が集まっている前の方に行く。




「遅かったな。」

「10mも離れてないだろ」

「それにしても今日やるかなぁ?」

「しぁあないやろ、昨日頭の数だけでも200以上来てたんだから。」

「じゃあ今日はよ?」

「知らん!」

少しの距離なのに上から目線の智久、それに応える航ー、2人はこの船で初めて出会った頃に盛大に喧嘩をしていたそれを船長が介入して(暴力的に)そっから何故か親友もとい悪友になっていた、そこへボースン(甲板長)が声をかける。

「おらっ、もうブイがくんぞ!」

「「了解っす!」」

言われて船べりに行き、海を眺める。すると少し先にチカチカとブイのアンテナが光っているのが見える、波に飲まれながら上へ下へと踊っている様だ。

その様子を見て航ーがスバル(イカリを小さくしたフックの様な物)を持つ。

(…よっと)

ブイに繋がっている風船の間に目掛けてスバルを投げる。

ものの見事に間に落ちた様だ。

「あいかわらず、上手いやな」

「そりゃこんだけやっとって慣れんかったらしばかれますわ」

ボースンに声を掛けられて、スバルに繋がっている縄を引っ張りながら舷門に行く、

「話しとらんと早よ持ってこいやっ!!」

持っていってるのに何故かちょっさ(一等航海士)に怒られる、

(なんか納得いかねー)

そんなこんなで操業が始まる。




「いらっしゃいっ!」

魚が掛かった掛け声と共に皆が舷門の周りに集まる、と、瞬間

[ブブゥゥゥウウウ!!]

ブリッジから警告音が鳴り響いた。舷門に待機していた航ーは振り向いた時

ザッバァァァァァン

下手(取舵側)から大波が乗って来ていた。

ちょうど魚が掛かっていた事でブリッジにいた船頭も反応が遅れたのだろう。船の中の物が根こそぎ流されて甲板を彷徨っている、周りの皆はしゃがんだり船べりに捕まったりしているなか航ーは波の勢いそのままに海に投げ出された。

(マジかよ!、冷たい!いや痛い!ヤベェこれ多分死ぬ奴)

上も下も分からないまま波に攫われていく航ー、少し気持ちを落ち着けて明るい方を捜し出し海面に上がった時には船との距離が20m程離れていた。

船の方を見るとなんだか様子がおかしい、

(…っつ! 嘘だろっ!)

上手、下手、ともの方、約50m位の所に竜巻が上がっていた。船の皆はまだ気づいてない様だ、竜巻が徐々に船に近づいて行きそれに比例する様に船が空に浮き出した。

また海の荒れかたも激しくなり波の唸りで船が見えなくなったりしている,更に風も荒れて雨や舞い上がる水しぶきでホワイトアウトの様に周りも見えづらくなっていく。


「おおーぉぉおお…っ」

[ド、ン、ゴロロロロロロッ]

航ーが叫び声を上げたその時船のマストに一筋の光が落ちて行き更にそれが5本6本いやまだ無数に広がっていく、稲光だ、あまりにも眩しくて航ーが目を瞑り開いた時には、

「マジかよっ! ゴボッ」

船が消えていた、そう認識したと同時に航ーの体が何かに引っ張られる様に海の中に引きずりこまれた。

(マジかよ…….)

そのまま意識が暗転して気を失っていった………










ある大陸の中心部にある大木、その太さは人が数十人手を合わせ届くかという太さ、それもだがまるで空を突き抜けようとする様にその身を主張している大木その名も王樹。

いつからかあるその王樹は大陸にさまざまな恩恵を与えてくれる大木として存在していた。

だが、"その王樹を支配したものは一つだけ願いが叶う"と言われている。しかし、それを確認した者は皆無、どうしてその様な話の様になったのか、謎に包まれている。なら確認してみようといろいろな種族がその方法を探していた。その大木を燃やそうとしたり切り倒そうとしたり会話を試みたり等等、そして、その大陸の東の海岸に、正確には岩壁にその大陸、いやその世界と言うべきか、そこには存在しないはずの男が倒れていた。

誰もが気づいていない中、王樹だけは何かが起きる予感を感じていた。




























初めての投稿です。至らない所が多いと思いますが温かく見守って貰えると助かります。

更新は日を置いたり置かなかったり空いた時間で書いているのでご容赦願います。

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