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Revenge(リベンジ) 〜「元暗殺者」による異世界救済 〜  作者: goo
第五章 ガーサル領奪還作戦
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第五章 第一話 運命の日

今回から、第五章に入ります。


2023/2/5 一部修正しました。


 運命の日が訪れた。いよいよだ。

 朝食を取っている時、イースが震えていた。


イース「何故今頃になって……防衛戦で戦いは経験したのに……」


 無理もない。前回は大きな戦いであったが、今回がまだ2度目だ。そして今回は更に危険が伴う、敵地ど真ん中での攻め戦だ。戦いの事を考えれば考える程、恐怖心は強くなるだろう。ましてや前回戦ったドグマへの、恐怖心もあるだろう。

 ミズキと俺がイースの身体をさすりながら、なだめていった。


ミズキ「イースちゃん。1人じゃないよ。今回は私がそばに居るからね。」


守「イース。俺は離れてしまう事が多くなるが、一緒に乗り越えよう。」


イース「お二人とも有難う御座います……。」


 少しずつ、イースは落ち着いてきた様だった。




 



 朝食を済ませた俺達は、会議場へと赴いた。

 俺達は早く到着したが、その後続々と作戦参加者が集合した。そして、予定の8時の刻となった。師匠が壇上に立ち、始めの挨拶を行う。



ゲンジ「皆の者!良くぞここまで付いてきてくれた!

 いよいよ今日が運命の日となる!まずはこの場所で、作戦の最終確認を行い、準備が整い次第、決戦の場へと赴く!」


 師匠の挨拶が終わると、そこから作戦の最終確認が取り行われた。親玉ワイドネスの情報は、特殊な結界術を使う事以外は、未だに詳細不明の状況だ。ただやるしかない。

 基本的に作戦の変更はなく、俺達は円状で陣形を組み、中央突破を図る。作戦中にガーサル領の奥の砦に、別働隊のハンターが潜入。そこで爆弾を爆発させ、ワイドネスを外に誘き出し、それを討ち取る作戦だ。


 


 


 作戦の最終確認と準備が終わり、俺達は村の出入口に集合した。そこで、師匠から出発前の最後の言葉が発せられた。

 


ゲンジ「いよいよ、我々の悲願を果たす時がやってきた! 今日の戦いは前回の戦いより、更に熾烈を極めた物となるだろう。

 先の防衛戦で散っていった仲間達も……きっと見てくれているじゃろう!その仲間達や、サウスマンドの都に移転している協力者達の想いを背負い、今皆がここに立っておる!

 必ず……生き残って、領地奪還を成し遂げようぞ!

 ガーサル領の未来を……そして皆の未来を一緒に作っていこうぞ!!

 では……ゆくぞおおおぉぉぉっっっ!!!!」


 

一同「おおおおおおぉぉぉっっっ!!!!」



 こうして俺達は臨時村を出発した。







 道中はガーサル領突入の陣形に近い形で、行進した。

 前回は約100名で望んだが、前回の戦いで亡くなってしまった12名の分、サウスマンドの兵士やハンター達が補充され、今回も約100名の人数となった。師匠やハンスは、サウスマンドの都で人的補償の交渉を行っていたのだった。

 前回と同じく前衛・後衛・補助班と分かれるが、今回は円様の陣形で、中央後方部に補助班を配置。その後方を、一部の前衛と後衛が守る様に配置された。

 そして防衛戦と同じく、師匠やハンス、俺達リーダーには無線連絡が行える、無線貝が手渡されていた。



 



 そして、防衛戦で俺達が戦った洞窟前に差し掛かる。洞窟内は狭い為、配置を可能な限り崩さない様に入った。

 洞窟内で待ち伏せが予想されたが、敵は出てこなかった。しかしもう少しで出口、という時だった。


ゲンジ「ハンス。嫌な気配がする。」

ハンス「その様ですね。この気配……おそらく…………やむを得ません。副総司令官という立場ですが、ここは私が引き受けます。」

ゲンジ「分かった。武運を祈る。必ず戻るのじゃぞ。」

ハンス「はい。承知致しました。」


 ハンスは加速して、単独で洞窟出口に向かった。


守「!ハンスさん!?……まさか!」

ゲンジ「そうじゃ。最高の弟子よ。

 ……皆の者!!ハンスが洞窟の出口付近で、敵を引き付けておる!洞窟を出る直前となったら、急いで出口を通り過ぎ、ガーサル領に直行するぞ!!」


 俺達は、洞窟の出口へと向かった。








 



side:ハンス


 奴なら奇襲を仕掛けてくる……予想はしていた。

 洞窟内か……あるいは出口付近か……場所も色々と想定していた。そして出口付近になった時だった。


ハンス「(間違いない。奴の気配だ。)」


 俺は老師に報告し、自分が引き付けて、奴を倒す事を提示した。師匠は承知して下さり、俺は加速して出口へと向かった。


ハンス「(出口付近でいきなり攻撃されたら、被害が大きくなってしまう。その前に……)」


 洞窟を出た直後、俺の右上から、黒い球体が向かってきた。


ハンス「(やはりここか……) 風遁・風刃玉(フウジンギョク)!!」


 俺は風の刃を球体状に出現させ、黒い球体を相殺した。






「バレましたか。相変わらず勘が鋭い人間ですね。本当に……嫌いな人種ですよ。貴方さえいなかったら、人間を沢山殺せたのに……勿体無い。」


ハンス「……。今度は仕留めさせて貰う。」


 そこに居たのは、前回の防衛戦で相見えた、漆黒の悪魔……ダラスであった。俺の言葉を聞いたダラスは、聞くに耐えない笑い声を発した。


ダラス「仕留める……!?…………ハハハハハハ!!ふざけているのですか?人間如きが、私を仕留められる訳がないでしょう!貴方が仕留められる立場なんですよ!

 もう可笑しくて……すみませんねぇ!ハハハハハハ……」


ハンス「……。」


 俺は長話に付き合ってる暇はない。すぐにダラスの背後を取り、苦無を突く。


 ガシッ!!


 だが俺が苦無を持っていた腕を、掴まれてしまった。


ダラス「コソコソと戦う事しか能のない貴方は、私の敵じゃありません。前回はお遊びが過ぎました……今回は本気で行かせて頂きますよ!!」


 そして、俺の腕を掴んでいたダラスの手から、黒いオーラが放出された。だが本体の俺は、奴から離れた所にいた。


ダラス「……まぁ分身ですよね。貴方には隠れ身と分身しかない。安心なさい。貴方を殺す事が第一ですから。初撃はついでですよ。ついで。」




 


 その時、皆が出口から出て、走って領地の方へ直行していた。


ダラス「……何て私が思っていると、思いましたかぁっ!!」


 ダラスは皆に向けて、今度は黒いレーザー状の魔法を放出した。


ハンス「……!!(まずい!!)」


ゲンジ「……!!守!ワシに続け!!」

守「はい!師匠!」


 老師と守さんが駆けつけ、強大な守護壁を展開した。


ゲンジ「(闇の魔法か……!ワシらの守護壁と相性が悪いか……じゃがもう少しじゃ……) イースも来い!」

イース「はい!師匠!」


 イース君も駆けつけ、守護壁は更に大きく、強固な物となった。


ダラス「(あれは光の壁……相性はこちらの方に分がある筈……しかし、我が魔法が……消される!?)」


 そして、ダラスの魔法は打ち消された。


ゲンジ「皆の者!今の内に領地へ直行するのじゃ!」


 皆は無事に、その場から離れる事が出来た。


ゲンジ「ハンスよ!後は頼んだぞ!!」

ハンス「はい!」


 老師達も、その場を離れる事が出来た。








ダラス「フフフ……フフフ…………不愉快です!!あのジジイ共は、貴方を殺してから、直に殺すとしましょう!!」

ハンス「……。」


 俺は今の攻防の間に、忍術の準備を完了していた。


ハンス「……雷遁・追雷撃(ツイライゲキ)!!」


 俺は右手から、雷撃をダラスの方へ放った。


ダラス「ふん……」


 ダラスは魔法陣を使い、緊急脱出を行なった。そこから俺の右側、離れていた所に瞬間移動をする。しかし……


ダラス「……!(この雷撃は対象を追走するのか!)」


 俺が放ったのは追走機能を備えた、強力な雷遁術だ。


ダラス「ふん!」


 ダラスは漆黒のオーラを右手に覆い、雷撃を受け止めた。


ダラス「……。(やはり厄介ですね……引き出しが随分多い。ですが……) 随分と器用貧乏ですねぇ!準備していた割には、威力は貧弱ですねぇ!」


 ダラスの右手は多少の損傷はあるが、問題なく機能する位であった。だが、ダラスの右手にはまだ電撃が纏われていた。俺は強く念じ、その電撃を強く大きくしていった。


ダラス「むっ!これは!?」


 ダラスの右手を覆っていた電気は、腕、肩、そして体周りへと増幅していった。


ハンス「雷遁・追雷牢(ツイライロウ)!」


 ダラスの周りを覆った電気が起動する。強力な雷撃が、ダラスの身体に付き纏う。


ダラス「!!(動いても解除されない、雷の牢屋……ならば!)」


 ダラスは全身に漆黒のオーラを生み出し、それを一気に解放し、追雷牢を解除させた。


ダラス「まぁ何て事はありませんね。(少し麻痺は残りそうですが……問題ありません。)」


ハンス「……。(一刻も早く倒したいが……焦って倒せる相手じゃないな。)」




 


 ここまでは俺が押し気味で進めていたが、決定打がない状況であった。戦いは若干の均衡状態を保っていたが、この後、徐々に均衡は崩れていくのであった……


 


 







             …… 第五章 第ニ話へ続く


 




 

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