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第四章 第九話 奪還作戦会議


 奪還作戦会議の当日。俺達は朝食を済ませ、作戦会議場へと赴いた。俺達は比較的到着が早かったが、少しずつ人数が多くなった。

 そこにポーや手下達が来た。ポー達は俺達の前にやって来た。


ポー「俺は前衛のリーダーを任される事になった。荒くれ者達を取りまとめて欲しい、という事でな。……ミズキ。貴方と一緒にリーダーをやる事になったな。宜しく頼む。」


ミズキ「えぇ。こちらこそ宜しくね。」


 ミズキとポーが握手を交わす。


 


守「実は俺も、後衛のリーダーを任される事になったんだ。リーダー同士、宜しく頼むな!」


ポー「あぁ!宜しく頼む!絶対に生き残ろう!」


守「あぁ!絶対に生き残ろう!そして、その後はバチバチの殴り合いな!」


ポー「もちろん!約束したからな!バチバチに殴り合おう!宜しくな!」

 

 俺はポーと握手を交わした。そしてポーはイースの前にも来た。





ポー「イース……今更言えた義理じゃないとは思うが……一緒に頑張って、絶対に生き残ろう。」


イース「とんでもないです!僕達は仲間です!一緒に頑張って、絶対に生き残りましょう!宜しくお願いします!」


ポー「……あぁ!宜しく頼む!」


 イースとポーも握手を交わした。ポーは師匠とハンスにも握手を交わし、手下と共に離れていった。


 


ハンス「頼りになりますね。彼をリーダーに就かせる事が出来たのは、大きいです。」


ゲンジ「じゃな。あと防衛戦の時に出来ていた溝も埋まっておる。これも大きいな。」


ハンス「はい!……もうすぐ時間ですね。老師は私と一緒に御願いします。ミズキと守さん、イース君も前の方へ。」


 俺達はハンスに、前の方へ案内された。







 そして予定の時刻となり、ハンスが壇上に立ち、挨拶を行う。


ハンス「皆様!本日はお集まり致き、有難う御座います!先日の移転作業、お疲れ様でした。

 ガーサル領奪還作戦の決行日は……2日後の明後日を予定しています。

 本日は、ガーサル領奪還作戦の会議を行いたいと思います。防衛戦の時と同じく、大方の作戦や配置は、こちらの方で立てさせて頂きました。後ほど、改善点や疑問点があれば、ご提示して頂けたらと思います。

 尚、今回は総司令官をゲンジ殿が、副総司令官をハンスが務めさせて頂きます。宜しくお願い致します。」



 続いて師匠が挨拶を行う。


ゲンジ「先の防衛戦で、散っていった者も含めての悲願……いよいよ果す時がやって来た。今日はしっかりと作戦を理解し、より練り上げ、作戦成功へと繋げる事が出来ればと思っている!皆の者、宜しく頼む!」


一同「はいっ!!」




 



 その後ハンスから、作戦内容が皆へ伝えられた。

 防衛戦と同じく、前衛と後衛、補助班に分かれる。ただ敷地が広大な為、最後方に補助班のみだと、奇襲の格好の的にされる。真ん中後方に補助班を配置し、前衛と後衛の一部は後方に配置しながら、円様の陣を作る。


 今回は村に誰も残らない為、陣を崩さずに奥の方へと、突破を図る。


ハンス「親玉はワイドネスという名の魔物です。おそらく領地の奥、砦の方にいると思われます。作戦の最中、それに乗じて、一部のハンターが裏から砦に侵入し、爆弾を起動させ混乱を招かせます。ワイドネスを外へとおびき出し、我らの中の手練れで、それを討ち取るというのが大まかな流れです。」




 

 ただ、それまでに幹部の手強い魔物がいる。

 シシオウには師匠と俺、ドグマにはミズキとイース、ダラスにはハンスが戦闘に入る事が予想される。また親玉のワイドネスは、特殊な結界術を操る事以外は、能力や特徴は未知数である。その為、想像以上の乱戦が予想される。


 後は各班のメンバーや配置、更にガーサル領の地図を元に、進行経路の説明が行われた。ハンスは前衛班につく。そしてイースは前回と異なり、前衛となった。頑強な身体に加え、圧倒的な力であったり、白銀の息攻撃も携えている事が理由だ。


ハンス「説明は以上となります。改善点や疑問点がある方がいましたら、挙手を願います。小さな事でも、皆さんと共有したいので、どんな事でも仰って頂けたら幸いです。」

 

 改善点の案はなく、前回の時と同様、疑問点に対しての返答をハンスは行っていった。……前回と同様、説明を含めての対応には、俺は改めて舌を巻いた。そしてミズキは憧れている様な、ただどことなく寂しそうな表情で、ハンスを見ていた。



 


 


 最後に、師匠からの締めの挨拶が行われた。


ゲンジ「前回と同じ様に、ワシらやハンター達は交代しながら、この作戦会議場に滞在しておる。改善点や疑問点、どんな些細な事でも良いので、何かあったら言いに来て欲しい。

 ……明後日がいよいよ決戦じゃ。火中に飛び込む激戦となろう。我々は後には引けん。何としてでも必ず作戦を成し遂げ、生き残り、自分達の未来を掴み取ろう!皆の者、宜しく頼む!

 明後日の朝8時の刻、この会議場に集合し、作戦の最終確認を行い次第、決戦の場に赴く!それまでは休むなり、準備をしたりしながら、備えて欲しい!……それでは、今日の所は解散じゃ!」



 師匠の締めの言葉により、作戦会議は終了となった。

 そして集合していた人達は、続々と会議場を後にした。




 

 

ゲンジ「ワシとハンスは、今日と明日の午前中は会議場で待機する。ワシは明日の午後に時間を作り、修行の最終確認を行おう。」


 また各班のリーダーも、今日は作戦や配置確認などを行う事になった。俺達5名の中で、イースだけが残される形となる。


イース「僕は修行をしつつ、ミズキさんの真似事ですが、ご飯の準備をしていますね!」


 そう言って、イースも会議場を後にした。それから残った俺達は、作戦や配置確認などを行った。



 


 時刻は昼になり、俺達リーダー班も解散となった。

 ポーに一時の別れを告げ、俺はミズキと一緒に家に帰った。


ミズキ「イースちゃん……寂しく思ってないですかね……」


 ミズキが不安な表情で、その様に言った。


守「自分がリーダーや指揮官じゃないって事も、含めてですかね?おそらく大丈夫だと思います。そういう事は気にしない奴だとは思うので。」


 俺はその不安を取り除く様に、話した。

 そして家に着くと、ミズキが作る程ではないが、美味しそうな和食様の食事が立ち並んでいた。

 イースはたまにミズキが食事を作る時に、手伝っていた事もあって、ミズキが作る味とはまた違うが、箸が次々に進む位美味だった。


イース「頑張って作りました!1人で作るのは初めてだったので、大変でした!ミズキさんの苦労が改めて分かりました……」

ミズキ「有難うイースちゃん!ご飯美味しく出来てるよ!」


 ミズキはイースの頭を撫でた。イースはご満悦な笑顔を見せていた。





 午後は3人で、組み手を中心に最終確認を行った。

 加えて俺は守護壁術や空道の防御術の鍛錬、イースは防御体勢からの反撃に切り替わる動きの鍛錬、ミズキは斬撃の威力向上の鍛錬を行った。


 修行が終わると、夕食を取り、俺は1人で、ミズキとイースは一緒に風呂に入った。


ミズキ「イースちゃん!隅々まで洗いましょう!」

イース「はははっ!ミズキさん、くすぐったいですよぉ!僕もお背中流しますね!」

ミズキ「有難う!イースちゃん、優しい!大好き!ぎゅぅぅぅ!(いつまでも、こうしていたいな……)」

 

守「……(楽しそうだなぁ。)」

 

 そして風呂を済まし後、床に着いた。いよいよ残すはあと1日だ。しっかりと準備をした上で、決戦に臨まなければ。

 明日は決戦前、最後の日を迎える……

 

 






    

             …… 第四章 第十話へ続く



 

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