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第四章 第三話 修行再開

2023/1/27 一部修正しました。


 ハンスから、シシオウとドグマの他に、第三の強敵「ダラス」がいる事を聞かせてもらった。


ハンス「私はダラスに恨みを買われています。なので奪還作戦の際には、私はダラスと戦う事になるでしょう。なるべく早く加勢しに行きたいのですが……本気を出される前に戦いは中断となった為、正直実力を図りきれていない状況です。」


ゲンジ「……ダラスという奴は手強そうじゃな。いかにハンスと言えど、倒すのには時間がかかるじゃろうな。ただ足止めをしてくれるだけでも有難い。」



 ハンスはドグマとの戦闘に加勢するのは、難しいと予想された。


ゲンジ「あとその者が言っていたワイドネス……親玉じゃな。そいつには出来るだけ、手練れ数名で望みたいな。各個撃破を成し遂げれば、合流してワイドネスを討ちに行きたい所じゃな。」


ハンス「そうですね。ただワイドネスは、特殊な結界術を操るという情報のみしか、手に入れてません。戦況変化は多いに可能性があるので、都度対応していきたいですね。」

 

 

 シシオウにはゲンジと俺、ドグマにはミズキとイース、ダラスにはハンスが戦闘。シシオウはなるべく早く撃破し、ゲンジと俺がドグマあるいはダラス戦に加勢。

 各々撃破すれば、親玉のワイドネスへは、この5人で望みたいとの事であった。




 



 



ハンス「具体的な作戦は戦力が更に整ってから、立てるとして……守さんとイース君の準備が出来たら、そろそろ手合わせしたいな。」


守「……!良いんですか!?」

イース「……!……正直怖いですが……是非!宜しくお願いします!」


ハンス「俺は明日から5日間ここを空ける。その翌日に可能な状態であれば、手合わせしよう。」

 

 今日から6日後に、ハンスとの模擬戦が予定された。



守・イース「宜しくお願いします!!」

守「(早く……早く回復しないと!)」





 


 



 その晩、眠りについた後の時であった。

 久しぶりに、例の女性の声が聞こえてきた。


「お久しぶりです……やっと念話が通じました……。死の淵から良く回復してくれました。本当に危ない状態だったので……。シシオウと交戦した様ですね……」


守「はい。一時期は恐怖で身体が動かなくなり、殺されそうになりました。ただもうあの様な醜態は晒しません。今度こそ領地奪還に貢献致します。」


「あの戦いで、貴方がシシオウと交戦したお陰で、沢山の命を救いました。貴方がいなかったら、シシオウの狂刃に沢山の命が失われたでしょう……誇りに思って下さい。」


守「……有難う御座います。ところで、貴方は……」


「私は貴方がいた前の世界と、今いる世界を見守る存在……恐縮ながら世界の住民からは、ディーナ神という女神として崇められています。」


守「ディーナ神……女神……」


「ディーナと、名前で呼んで頂ければと思います。」


 女神ディーナは話を続けた。


ディーナ「首領であるワイドネスという者……物凄く邪悪な気配がします。領地奪還作戦を決行するならば、より一層、激しい戦いが予想されるでしょう……どうかお気を付けて……」


守「有難う御座います。ディーナ様。」


ディーナ「様は付けなくて宜しいのですよ……私も名前で、守さんと呼ばせて頂きます。守さんの修行は恐らく次の段階へ、進む事が出来ると思われます。

 守護壁術の………………」

 



 ディーナの声は聞こえなくなってしまった。


守「(守護壁術か……ゲンジさんに相談してみよう。)」




 



 



 



 翌朝からイースとミズキの修行が始まった。俺は療養しながらも、修行を見学していた。



ゲンジ「ミズキ。先のドグマとの戦いで、何か見つけたか?」


ミズキ「あの時は、お互いが庇いあって助け合っての状況でしたが……攻撃の連携は殆ど取れていませんでした。

 私の全ての攻撃と、イースちゃんの白銀の息は効果が薄い状況でした。ただイースちゃんの打撃は、ドグマに確かに効いてました。私は牽制や囮役に徹し、イースちゃんの打撃中心でいく作戦を考えてます。」


ゲンジ「なるほどな。守もそうじゃったが、イースの打撃も無意識に、闘気や気功が生み出されていたのじゃろう。今日から少しずつ、攻撃面の強化にも取り組むとしよう。」


イース「はい!宜しくお願いします!!」




 イースは全身から、より腕の方に気を張り巡らせる修行や、打突技の練習、ミズキとの組手を行っていた。

 ミズキは瞑想や、無刃刀の素振りや基礎体力鍛錬、イースとの組み手を行っていた。

 そして、ゲンジが直々に、イースとミズキの連携を確認する作業も行っていた。







 イース達の修行が再開してから3日後、俺も修行に参加する様になった。

 俺もイースと同じく、腕や手に闘気や気功を集中させる修行や、打突の訓練等を行っていた。


守「ゲンジさん。一つ宜しいでしょうか。」

 

ゲンジ「なんじゃ?」

 

守「防衛戦の際に、ゲンジさんが作った気の壁に手を当てた時……物凄い気を感じました。……確か守護壁術でしたか。」

 

ゲンジ「うむ。手に気合を集める修行は、守護壁術を習得する事に繋がる。試しにやってみるかの。」



 ゲンジは俺に、両手に気の壁を作る様にイメージして、気を集中する様に指示した。

 俺が言われた通りにすると、まだまだ小さいが、自分の手より少し大きな光り輝く壁が現れた。


ゲンジ「うむ。あの時共に壁を強化した時、感覚を掴んだ様じゃな。上手く行っておる。気量を底上げし強くし、調整能力が更に向上すれば、大きく、そして強い壁を生み出す事が出来るぞ。」


守「はい!精進致します!」





 更に俺は、ミズキやイースと一緒に組手を行ったり、念の為連携の確認も行っていった。




 


 



 こうして、修行に明け暮れる日々を送る中……ハンスが帰ってきた。その日の夕食時、ハンスが話を切り出した。



ハンス「修行は順調みたいだね。明日は手合わせ出来そうかい?」

守「はい!是非宜しくお願い致します!」

イース「宜しくお願い致します!」

ハンス「よし!宜しくお願いします!」

ゲンジ「うむ……。」




 こうして、翌日にハンスとの模擬戦が行われる事となった。ハンスは笑顔で話していたが、ゲンジの顔は少し曇っていた様に見えた。




 






             …… 第四章 第四話へ続く




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