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Revenge(リベンジ) 〜「元暗殺者」による異世界救済 〜  作者: goo
第一章 暗殺者の誕生
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第一章 第三話 両親の仇

2023/1/3 一部修正しました。


 世話になっていた雷鳴と殆ど会えない中、同期の呪韻からこんな話を聞いた。


呪韻「朱音くん、どうやら殺害者リストってのが保管されている書物庫が、この本部のどっかにあるみたいよ。まぁ警備が厳重だろうから、俺らみたいな下っ端は入れないんだろうけどねぇ〜」


 ようやく犯人特定の手掛かりを得られた。喉から手が出る位欲しい情報であった。その晩、早速潜入を試みた。警備は思ったより手薄で、難なく書物庫への潜入に成功した。

 その部屋の中で、俺の両親の名前が載っている殺害者リストを探した。実行年月日や実行場所ごとに区分けされていた為すぐにリストを見つける事が出来た。……そこには信じ難い名前が載っていた。





 


 







 





 

 

 

 

 俺の両親を殺したのは…………雷鳴だった。一瞬驚愕するも冷静さを取り戻し、再度確認するがやはり先程の名前が載っていた。


守「何故雷鳴が……?そして何故両親は殺されなければならなかったのか……?」


 理由は分からなかった。にわかに信じ難かったが、超一流の暗殺者であれば、俺の前では欺く為に演技する事だって出来る筈だ。俺は騙され続けていたんだ。

 このリストが記しているのは、「雷鳴が俺の両親を殺した。」その事実である。



 

 

 ……俺が組織に加入してから3年が経った。ようやく一人前の暗殺者と認められ、非常識な鍛錬や訓練も免除となった。ただ日々の鍛錬を怠ったり、組織が必要だと判断したら、また強制的に受ける事になる様だが。そしていよいよ俺は構成員幹部から、実行者としての任務を言い渡された。


構成員幹部「朱音。いよいよお前は実行者として働いてもらう。また、今回の任務は1人で行ってもらう。ターゲットは裏社会組織と繋がっている国家有力者だ。違法薬物商法に手を出し、多額の利益を得ているばかりか、他の有力者の殺人にも関与している外道だ。」

 


 通常であれば、初めて実行者になる場合は、サポートメンバーを付けるのだが、どうやら俺の場合は特例らしい。

 また初めての殺人となる。常人であれば、全身が震えて身体が動かない事だろう。しかし今まで洗脳染みた訓練や、暗殺現場を見ている為、恐怖感は全くない。問題なく暗殺を遂行出来る心となっていた。

 構成員幹部は、更にこんな話をしてきた。


 

構成員幹部「ソイツを始末した暁には、雷鳴と組んで更なる大きな仕事をしてもらう。」


 

 

 雷鳴は物凄い強い人物であったが、事前準備をした上での不意打ちであれば、今の俺なら仕留められる自信がある。犯人がそいつと分かった状況であれば、その大きな仕事中ならいくらでもチャンスがあるわけだ。

 その為、今回の依頼は何としてでも必ず成功させなければならない。そして部屋に戻り、準備を済ませ、早々に部屋を出た。直後、部屋の前の廊下で、水音と会った。




水音「朱音さん……最近思い詰めている様な感じが……今は特にそんな感じがします……。初めての実行者で、一人きりで任務を言い渡されたと聞きました。無理はなさらないで下さいね……。必ず無事に帰ってきて下さい……」


守「あぁ。有難う。必ず任務を遂行して、無事に戻ってくるよ。絶対に。それじゃあ。」


水音「はい……お気をつけて……」


 水音の声は元から透き通る声であったが、その日は更に強い悲しみも感じた。俺は無表情を貫いていたつもりだったが、犯人が雷鳴と分かっていたその時から、どこか険しい顔になっていたのだろう。本当に水音は人の事を良く見ている。

 そのやり取りをした後、俺は早々に本部から出発した。

 

 


 そこから約3時間後、ターゲット宅に到着した。ターゲット宅の周りには、不自然な程に多人数の護衛がいた。

 

守「何故こんなに護衛が多い?……情報が流れている?」


 けれど問題はない。いずれの護衛も恐るるに足らない。俺は音もなく1人の護衛の背後に着くと、頸を手刀で気絶させた。


護衛「!!侵入者だ!捕えろ!最悪殺しても構わん!」


 護衛が一斉に俺の方に走り出してきた。しかし暗殺者の目からみて護衛達の動きはスローモーションに見える。はっきり言って全く脅威ではない。護衛達は銃や刃物を構えていたが、俺は次々と護衛達の頸に手刀を打ち込み無力化していった。そして潜入に成功した俺はターゲットの部屋前に辿り着いた。




 あとは部屋にいるターゲットを暗殺し、脱出したら任務成功という時であった。部屋の前には、細身で長身の同い年程の男が待ち構えていた。

 

「久しぶりだな。守。」

 

 任務達成があと寸前の所で立ちはだかった男は、俺の良く知る人物であった……。


 

    


             ……第一章 第四話へ続く




 

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