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第二章 第八話 修行開始


 俺の決意をゲンジに伝え、剛体術や守護壁術といった、いわゆる「光の力」の習得に向けて、修行が始まった。


 ミズキやハンス達の所に戻り、ゲンジは俺にこれから修行をつける事を伝えた。


ミズキ「老師のお弟子さんになるんですね!頑張って下さい!微力でありますが、私にも色々とお手伝いさせて下さいね!」


ハンス「老師の弟子に……そうか。俺はまた明日から偵察に行ってくるが、帰ってきたら組手相手や体術訓練をみたり、出来る限り協力させてもらうよ。頑張ってな。」


 2人に激励を貰った。イースは未だに気持ち良さそうに寝ていた。


ゲンジ「それじゃ早速修行と行くかの。ついてこい。」



 



 ゲンジ曰く今いる所は、魔物に奪われた「ガーサル領」の元領民の方々や、兵士達や元領主が居住する簡易的な村の様な所だ。ポー達はガーサル領の地下を根城とする、荒くれ者の集団であったとの話だ。

 ゲンジ達の様な、元領主からの依頼で、ハンターズギルドから救援要請が下ったハンター達も居住している。

 この村の人達は、ガーサル領を奪還する為、日々着々と準備を進めているとの事だった。



 

 その村のはずれにある森の手前の開けた場所が、良い修行場所になるとの事で案内された。


 


ゲンジ「それでは修行を開始する!」


守「宜しくお願い致します!」


ゲンジ「うむ。その前に……守はポーの鉄球を何発も受けたみたいじゃが、あれは普通の人間が直撃したら、一発で死に至る程の攻撃じゃった。大怪我を負ってはいたが、剛体術を無意識に使っておったみたいじゃな。」


守「無意識に……」


ゲンジ「今度はその無意識を意識して行える様にして、意図的に高める様にするんじゃ。そうする事で、更なる守りの強固がなされるんじゃ。」


守「なるほど……」


 ゲンジは袋から、それより明らかに大きな岩や紐で括られた重り等を次々取り出してきた。袋はマジックアイテムという物の一種で、拡張次元空間を用いて、質量や体積を無視して保管出来るという。


ゲンジ「便利なんじゃよ!ミズキが食材を保管してるのも、これと同じ種類の袋じゃ!保存状態も維持される優れ物じゃ!……話が逸れたの。修行は岩の上に座り、頭に岩を乗せ、肩に重りを担ぎ、自然と一体になり精神を集中させるのじゃ。いわゆる瞑想訓練じゃ。身体に負荷を掛けながら、気を高める修行じゃな。」


 今日はこれを夜までやるらしい。今後も余った時間は、頭に岩を乗せ、肩に重りを担ぎ、瞑想する様に言われた。


ゲンジ「地味じゃ。物凄い地味なんじゃ。じゃが気を扱う武術ゆえ、最も基本的な修行とも言える。調整能力も無論必要じゃが、基本的には気力が高ければ高いほど、身体は強固となり、守にとっては守護壁術で作られる壁も強い物となるのじゃ!地味な訓練を日頃から行なっている者が、確固たる、そして更なる強さを手に入れる事が出来るのじゃ!!」


守「はい!精進いたします!」




 俺は大きな岩の上に座り、頭の上に頭の3倍はあろうかという岩を乗せ、肩には紐つきの重りを担ぎ、瞑想を始めた。見た目以上に重い……そして岩や重りには、なにやら不思議な力……言葉では表せないが、何やら命を宿している様な……そんな感覚があった。

 その間もゲンジが付きっきりで、修行をみてくれていた。




 


 一方その頃、イースが目を覚ましていた。


イース「……おはようございます。」

ミズキ「イースちゃん!おはよう!昨日は辛かったね。イースちゃんの朝ご飯、急いで作るから、沢山食べてね!」


 ミズキはそう言うと、イースの頭を撫でながら抱きしめた。


イース「(わぁ。ミズキさん……意外に力が強い……)」


ハンス「ミズキ。イース君が苦しそうだから、その辺りにしてあげなさい。始めまして。俺はハンスと言います。老師からイース君の事は聞いているよ。困った事があったら何でも言って欲しい。」


イース「はい!宜しくお願いします!ハンスさん!」

ハンス「あぁ!こちらこそ宜しく!」


 イースとハンスは、俺の時と同じ様に握手を交わし、自己紹介をした。


イース「あれ?守さんとゲンジさんはどちらの方に?、」


ミズキ「実はね……」



 ミズキは、俺がゲンジに修行を頼み込み、ゲンジは承諾して俺の修行をみてくれている事を、イースに伝えた。


イース「……そんな事が……。守さん……。」


 イースはどことなく悲しそうで、寂しそうな様子であった。


ミズキ「(イースちゃん……)……急いでご飯作るから待っててね!イースちゃん怪我がまだ酷いんだから、沢山食べてしっかり休むのよ!」


イース「はい……。」

ハンス「……。」



 

イース「(僕は……僕は守さん達に……何も……僕はこのままで良いのだろうか……)」



 イースは独り悩み、考え込んでいた。



 

 


             ……第二章 第九話へ続く


 


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