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飼い犬たちも考える

「なんにせよ、遊んでもらえるのは朝と夜だけだからな」

「そこなんですよね。問題なのは」

 

「人間ってなんであんなに忙しいんですかね」

「さあな。朝方黒い飲み物をよく飲んではいるが……」

「あれどんな味がするんでしょうね」

 トビーはあの匂いがするたびに、ご主人たちに近づいては同じことを言われた。

「お腹壊すか吐くかのどちらかになるとご主人が言っていた。守ろう」

 近づくたびに言われたことをトビーはデイジーに話す。

「なるべく近づくのは控えておきますね」

 デイジーは納得した様子でトビーに答える。

(液体に変えていく機械も高いところにしまっていたな……)

 ご主人たちは液体にした後の固形物はチンと音のなる機械に入れていた。

 そのあと決まってトイレに持っていく。

(あれにも何か意味があるのだろうな)

 ヤスミットが遊ぶのを危惧しているのだろうか、とトビーは考える。


「にしても暇ですね」

 月明かりがトビーとデイジーを照らす。

「俺たちもそろそろ寝るか?夜は休むものだ」

「もう少し起きていてもいいと思うんですよね。良い夜なんですし」

 月を見て話すデイジー、トビーは深呼吸をしてから、話しかける。

「目がさえているのなら、夜を楽しむのも良いとご主人は言っていたな」

 起きているなら眠くなるまでゆっくりしようと、スインは話していた。


「夜は暗くて怖いから、やっぱり休んで欲しいですよね」

「夜空はきれいだろう?」

 隣の家の明かりが消え、周囲を見渡すデイジーをトビーは諭す。


「そうだ!だったらご主人たち寝かせるのはどうですかね」

 デイジーがトビーに提案する。

「ご主人たちを休ませたいんですよ。いつも朝にピピピってなる機械ありますよね」

「ああ。あの徐々にうるさくなるやつか」

「あの機械止めちゃいましょう!そうしたらご主人たちももっと休めるはずです」

「なるほど、一理あるな」

 デイジーの提案にトビーは頷く。

(休むことを大切にしておられるご主人だ。これぐらいはしてもよかろう)

 トビーはスインたちの眠る寝室へと静かに向かう。


 器用に扉を開け、室内に入るトビーとデイジー。

 寝静まった静かな部屋には寝息だけが二匹の耳に届く。

 デイジーが目覚まし時計のボタンを押し、トビーがスマホを二台持ち出す。

「これでよしっと」

「俺たちも戻って寝るぞ」

「はーい。おやすみなさい」

 トビーとデイジーは静かに会話し、部屋を後にした。


※昔買っていた犬はコーヒー淹れるたびによってきました。

 友人の飼い犬は逆にコーヒー淹れると逃げていくとか聞きました。

 犬もそれぞれで面白いですね。


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