やること終えて、目が冴えて
「うん、やっぱり天井を外して正解かな」
離れた場所から、スインはクレートでくつろぐデイジーを見守る。
(我が家に少しずつ慣れていってね)
スインがそのままデイジーを見ていると、トビーが姿を見せる。
(トビーもいるし大丈夫だよね)
スインはトビーとデイジーに背を向けて、静かに廊下を歩く。
(まだやることはあるからね)
寝室を通り過ぎ、スインは洗面台で手を洗う。
そのあと、寝室を通り過ぎ、洗濯機のある部屋に向かう。
「洗濯は終わっているね」
スインは洗濯機の中から洗濯物を回収し、かごに入れて別の部屋に向かう。
部屋にあるハンガーやピンチハンガーを手に取り、室内に干していく。
「夜も遅いし、ちゃちゃっとやっちゃおうか」
シャツやブラウスは襟を立て、ハンガーにかけた後ボタンを留める。
ズボン類は逆さにして裾を上にして干す。
(誰だって忘れることもあるし、助け合えばいいさ)
コネルも帰ってきてからいろいろと、忙しかった。
食事を作ってヤスミットの相手をして家計簿をつけ、明日の予定を立てていた。
(気づいた人がすれば良いのさ)
感謝の気持ちを持つことが大切と、スインはコネルと約束している。
スインはかごに手を入れ、次の洗濯物を探す。手は空を切った。
「終わったのか。なら、あとは」
洗濯かごにネットを入れ、スインは衣類用感想除湿機のスイッチを入れる。
スインは洗濯かごを所定の位置に戻しに廊下を歩く。
そして洗濯機の隣にかごを置くと、隣にある洗面台の電気をつける。
(お風呂から出た時もやったけど、寝ぐせついたら困るし)
スインは髪を軽く整え始め、ついでに白髪をチェックしだす。
洗面台の隣には小さなはさみが置いてあり、気づいたら切ることにしている。
目の細かいコームで髪を梳きながら、洗面台の三面鏡を動かす。
(昨日は耳の上あたりに何本かあったんだよな……)
身だしなみとしてチェックはしている。
(そのうち増えてきたらそのままにしようかな)
わずかな白髪をチェックするのは今だけと思いながら、スインは髪を梳く。
「さて、寝ますか」
髪のチェックを終えると、スインは寝室に向かおうとした。
「困ったな……目が冴えてしまった」
洗濯物を干していたときは眠気を感じていた。
(髪の手入れをしていたらどこかに行ってしまったよ)
どうしたものかと、考えるスイン。
(そうだ。あれを使おう)
スインは来た道を引き返していった。