予定を決めよう寝る前に
「あとはレシートだね。先週分の捨てても良いかい?」
「それはやっておくわ。明日は燃えるごみの日だし」
「なら、朝一で捨ててくるよ」
明日の予定を確認する。
「買い物に行くのならヤスミットにはパーカー着せておこうか」
スインの言葉にコネルは首を縦に振って賛成する。
「そうね。急に走り出したときつかめるからね」
コネルはスーパーに入るなり走り出したヤスミットを思い出す。
一度パーカーを着せていったとき、パーカーをつかんで止めることができた。
「子供服もそろそろ新しいの、買っておこうかな」
「そうね。すぐ小さくなるものね」
靴もこの間買い替えたばかりで、支出がかさむ。
「成長しているのだし、ね」
顔に出ていたのか、スインが優しく話しかけてきた。
「そうね。ヤスミットも成長しているのよね」
この成長を喜ぼうと、コネルは自分に言い聞かせる。
麦茶を飲み終えるころ、家計簿もひと段落した。
「そろそろ寝ようかな」
「先に寝て良いよ。僕はまだやることがあるから」
「デイジーがクレートを避けているみたいでね。ちょっと工作しようかなって」
「私も手伝おうか?」
「クレートの天井を外すだけだから大丈夫だよ」
スインの言葉を聞いて、コネルは少し考える。
「やっぱりサークルのがよかったかな?」
「柵を飛び越えることもあるから、天井は必要だよ。買った時の思いも大切だし」
ヤスミットとトビーとデイジーが仲良くしてほしいと願い、クレートにした。
「そうね。スインさんに任せるわ」
コネルはスインに任せることにして、先に部屋に戻った。
月と星が輝く夜空をコネルは廊下の窓から眺めていた。
(電気代は節約しようかな)
洗面台の蛍光灯のスイッチをオンにしかけた手を止める
廊下と夜空の明かりだけで顔に美容液を塗る。
塗り終えると手を洗い、ヤスミットが眠る部屋に向かう。
ヤスミットは寝息を立てて眠っていた。
(寝る子は育つ、か)
コネルは微笑んで、ヤスミットの頭をなでる。
(大人の場合は、疲労回復とかに使われるんだっけ)
コネルの父親が昔教えてくれた。
(大人も眠って大きくなるの?とか聞いていたな)
自分の子供時代を思い出し、あの頃はどうだったかなと考えだす。
(そろそろ寝よう。二人目のことも相談しようかな)
コネルは明日起きた時に、スインに聞こうと決めて、眠りについた。