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ショートショート4月~

あなたの名前

作者: たかさば
掲載日:2020/04/17

あなたが生まれたときのお話なんだけどね。


なんて名前をつけようか、色々と考えたんです。


愛とか、美しいとか、望とか、いい言葉を使おうかと悩んだんですけどね。


なんといいますか、私の中で、そういう言葉が、ぼんやりしてまして。


すばらしいものではあるけれど、確実に目に見えるものではなくて。


何だろう、目標的なもの?とにかく、はっきりしないというか。


素敵な言葉ではあるけれど、名前に使うとなると、躊躇したんです。


それでね、どうしたもんかと考えまして。


色々と、考えましてね。


どういう人に、なってほしいかということを、考えたんですよ。


私は、どういう人になってほしいんだろうと考えましたらね。


なんていうんですかね、人あたりのいい人になってほしいと思ったんです。


いろんな人がいますからね。


優しい人も、怖い人も、おかしな人も。


人って、ガラス瓶みたいなものだと、常々思ってましてね。


丁寧に扱わないと、ひび割れてしまうとか。


ぶつかり合うと、砕けてしまうとか。


ガラスのハートとか言うじゃないですか。


なんだか、私の中で、そういうイメージが、固まってたみたいでね。


ガラス瓶同士がぶつかり合って傷がつくのを防いでくれるような、人になってほしいかな。


そう考えたんですよ。


当時、人の頭の固さにこっぴどく打ちのめされたことも、関係しているでしょうね。


私は、ひどくやわらかい名前をつけたいと思ったんです。


人と人がぶつかり合う前に、ふわりと衝撃を逃がしてくれる、柔らかい、布。


孤独で繊細な瓶を、そっと包み込む、柔らかな、布。


ずいぶん、育ってきたけれど、まだ少し、ごわついてるかな。


今はまだ、少しぎこちない布かもしれないけどね。


もうまもなく、ふんわり優しく人を包み込む、柔らかな布になると思ってるんですよ。


大丈夫。あなたのやわらかい考え方は、ずばり、名は体をあらわす。


柔らかい布は、瓶を守るだけじゃなく、磨いて輝かすこともできるはず。


そういう名前を、あなたは持っているんですよ。


あなたにそういう名前をつけた私は、ずいぶんいい名前をつけたもんだと、満足してるんですよ。

そう、おもちなんですね。

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