解けない謎
久しぶりの更新です。
解せぬ。
何故明日に弟は旅立たないといけないのだろう。
占いの卦がそう出たから、と聞いたが…不自然な感じがする。
そして、私の裳着の夜に城を抜け出せ、と母の言葉。
たしかに三日三晩の祭であるから、城門は開いている。
普段は、湖に抜けて王都に続く門は、固く閉ざされている。
イラの国は、三方を山に囲まれ、最後の一方は砂漠になっている。
イラの首都ミハルから長いトンネルの先に港町エルーンがある。
そこまで行くのに、ここから一昼夜。
追っ手がかかるだろうから?…すっかり逃げ出す気分になってるなぁ、私…
母上はお見通しなのだろうか。
従兄の萩斗は嫌いじゃないけど、兄としか思えない。
貴族の姫君の結婚なんてそういうものかな、と思って来たけれど…
仲睦まじかった両親を思い出すと、やはり恋などしてみたいなと思う。
父上を愛し続けて来た母上が叔父上と結婚。これも解せないんだよね。
何か裏がありそうな…
ああでもないこうでもない、と頭をぐしゃぐしゃにしていると、
「失礼いたします。お食事をお持ちいたしました。」という声がする。
食事は、普段は広間で家族でするが、城中が忙しく今日は別々にするようになっていた。
膳には、穀類や豆、肉の入った汁物、木の実の甘味などが並んでいる。