夢の始まり
それから何日かたったある日の夜のこと、俺は起きても忘れていない不思議な夢をみた。
夢は家の近所の公園に俺が一人でいるところから始まるのだが、薄もやがかかっている様な雰囲気で、風も音もない。
鳥も虫もいないよう雰囲気なのだが、何かに見られている感じがして気持ち悪かった。
特に何もしていないが、目を覚ますと汗だくになっていた。
同じ夢を数日間みたのだが、ある日突然見なくなったので、それからは特に気にはしなかった。
しかし、俺が小学生4年になった頃、またその夢が始まった。家の近所から始まり、同じ様な雰囲気の世界にいるのだが、今回は「何か」に追われている。何かは解らないがとりあえず逃げているというものだった。何かが解ることもないところで目覚めるのだが、前回と同様に汗だくで気持ちが悪かった。しかし、今回も数日間みて急に見なくなったのであまり気にしないことにした。
だが、中学一年の頃に再びみたその夢は気にしないということは出来ない内容だった。
毎回同様の世界観だが、今回は逃げている途中で、追ってくる何かが見えたのだ。
家の付近の道を走って逃げていて、交差点を曲がって後ろを振り返ったとき、交差点のミラーに人影が見えた。
長髪の顔が見えない白い服の女が・・・
毎回見通しの良い場所では見えないのにミラーには映るそいつは、俺の恐怖心をかなり煽ったが、ミラーを見たところで目が覚める。いつもの様に汗だくで・・・
さすがに不安になったが、両親に友人にも相談することが無く、そうこうしているうちにまた夢をみることがなくなった。