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掌編小説集8 (351話~400話)

市民権

作者: 蹴沢缶九郎

成人式の会場。市長が祝辞を述べる中、突然一人の新成人が壇上に上がり、


「俺は怖くねぇぞ!!」


と、暴れ始めた。だが、周りの人間はとくに止めようともせず、新成人の様子を見守っている。

次の瞬間、どこからか放たれた一発の銃弾が、若さと酒の勢いで、目立とうと好き勝手に振る舞う新成人の頭部を撃ち抜き、新成人はその場に崩れ落ちて事切れた。

壇上の市長を初めとする来賓客や成人式の実行委員といった関係者、また、会場に来ていた別の新成人達は、銃弾が放たれたであろう方向に総立ちで拍手を送った。




「…誠に申し訳ありませんでした」


会見で、自身の起こした不祥事を詫びる政治家。心にも思っていない謝罪の言葉を口にした後、目の前のお茶を一口飲む。すると、政治家は胸を押さえて苦しみだし、倒れて動かなくなった。死んだのだ。

その場に居た者達は拍手喝采、スタンディングオベーション。


殺し屋という職業が市民権を得て、それが当たり前となった日常の風景である。

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― 新着の感想 ―
[一言] 凄い。こういう風刺が効いた作品大好きです。
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