プロローグ
そう、それは突然やってきた。
「ここはどこだろう・・・」
キョロキョロと辺りを見てみる。
歩道を歩いていたはずなのに、真っ白い何もない空間で目が覚めた。
「すみません、手違いで・・・」
いきなり声がした方を振り返ってみる。
そこには猫耳コスをした人が立っていた。
「あーコスプレじゃない本物ですよ。皆さん同じ事を思われますからねぇ」
と猫耳コスをした人は言う。
「さて私の名はトート、本題なんですが貴方は事故で亡くなられました。本当は貴方の前を歩いていた人が死ぬ運命だったのですが・・・まぁちょっとした手違いが貴方が」
「俺はちょっとした手違いで死んだのか・・・ってちょっとした手違いで人は死ぬものなのか!?」
「いえ完全にこちらのミスなのでホントに申し訳なく・・・本来なら魂を体に戻すのですが
そのートラックでがっつりと轢かれてしまったので戻れなくて」
そうか戻れないのか。ん?じゃぁ俺は何故ここにいるんだ?
「戻れないのならどうして俺はこんな所にいるんだ?」
「それはですね元の世界には戻れないですが、別の世界になら体を再生し生き返る事が出来るのでそれを貴方に判断してもらおうと思いまして」
うーん。別の世界か
「一応聞くけどその世界はどんな感じ?」
「そうですね、ゲームでよくある剣と魔法の世界ですねぇ」
剣と魔法か憧れるよなぁワクワクするよなぁ
「で、勿論スキルとかはくれるんだよね?」
「こちらのミスでしたので出来る限りのことはしますよ」
うん。スキルがあればなんとかなるな
あとはどんなスキルを貰うかだなぁ
と言うか、出来る限りって事はいくつでも良いのか?
まぁ限界を感じたら向こうが止めるか
「じゃあ常時回復してる状態になるスキルとかはある?」
「ありますよ、こんな感じですかねぇ」
トートが何か操作するような動きをしてから何だか体が暖かくなったような感じがする。
どこまで回復してるかはわかんないけど、これで戦闘になっても何とかなるかな。
次は生活基盤をどうするかだな。よくある冒険者で賞金を稼ぐってのもあるけどそれだけでもなー
危ないかもしれないし命を落とす危険もあるもんなぁ
そうなると何か作れると幅が広がるよな。よく使うものとかだと売れるか
冒険とかでよく使うもの・・・薬か!回復魔法が出来ない時は薬に頼るよなっ
「次は鑑定と必要アイテムを持ってると薬を生産出来るようなスキルはある?」
「鑑定は人もアイテムも出来ますね、生産はそうですねー手に持って握る感じで出来るようにしましょうかぁ」
トートが再び操作をしていると
トート 【神】
えっ!トートって神様だったの!
「まだスキルの要望は言っても良いのかな?」
「まだ余裕はありますねぇ」
きっと魔物とかのアイテムからとかも作るだろうし戦闘系のスキルも欲しいか
「戦闘系のスキルも貰えるかなー」
「良いですねその遠慮のない感じっ!スキルは条件を充たせば使えるようにしておきます。
魔法はイメージが出来ればそう難しくはないでしょう」
これで魔物アイテムを集めにいけるな。
「あっスキルじゃないんだけど文字が読めない書けないとか、言葉がわかんないとかは困るからそれも良いかな。力もないと不自由する事もあるかもしれないな。あとアイテムがいっぱい入る魔法の袋的な物もあれば便利だなぁ」
「遠慮のなさにゾクゾクしちゃうわ!」
!!この人そっちの人か!!いやまず人じゃなかったな!身の危険を感じつついると
「大丈夫貴方を食べたりなんかしないわよぅ。あっそろそろ時間なんで向こうの世界に送りますよぅ」
俺の周りが白く光り始めた。
「それでは向こうで頑張ってくださいねぇ」
「死なないように頑張るよ。トートスキルをくれてありがとう」
トートが薄くなっていく感じがした時
「あっ・・・しま」
トートが何か言いかけてたなーと思いつつ俺は意識を失った。
初投稿です。