表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
259/313

生徒会の夏

 夏休み前には何があるか?

 答えは簡単、そうみんな大好き期末テストである。この絢爛高校はテスト結果でクラスの入れ替えが行われる為、多くの生徒が力を入れる行事となっており、その為生徒の学力を引き上げる要因の一つとなっている。


 一つでも上のクラスに行き、レベルの高い男子と仲良くなりたい。その青春の欲望が大きな原動力になっているのは言うまでもない。だからこそ生徒の模範となる生徒会の面々である、彼女たちも必死になる必要があるのだ。


「えーと、a,b,c,dを正の整数とするとき、次の式をみたすa,b,c,dの値を求めろ……」

「x線上を等速直線運動する物体の速度を……」

「二重線部分の正子の発言から、むつみが抱いた思いを端的に示せ……そんなもん男をネトラレて殺意を抱いている以外に何があると……?」


 ご覧の通り、今の生徒会は勉強部屋となっている。かくいう俺も、生徒会の一員であるので勉強に精を出している。男子生徒はクラス替えは無いのだが、テストの点が悪いと俺の高いプライドが、ひどく傷つく為、手を抜くわけにはいけない。


 仮にクラスの男子に俺がテストで負けたとしたら、屈辱過ぎて、夜も眠れないだろう。……最近、一組の男子が俺に対抗するためかキチンと授業を受け、宿題もやってきているので、油断はできない。もし負けたらどれだけデカイ面をするのやら。


「少し休憩しようか」


 真田生徒会長が、一息入れようとみんなに提案する。


「ふーそうだね」

「わー疲れたー。物理って無くならないかなー」

「……何故こんなドロドロした話を問題に持ってきたのか?」

「何それちょっと興味あるんだけど」


 ちょうどみんな、集中が切れかかっていたのか、真田生徒会長の提案を受け入れ、ワイワイと話し出す。


「では私はお茶を入れますね」


 そう言い、生徒会の中で下の学年メンバーが動きだす。俺も一番下なので手伝う事にする。


「俺も手伝います」

「あ、ありがとう」


 そのメンバーは顔を赤くし、はにかむ様に笑ってお礼を言ってくれた。……なんだろう久しぶりに、こんな反応を見た気分だ。

 何故か最近、ホテルに誘われるやら、部屋に突撃されるやら、お爺さんに誘われるやら、アグレッシブな行動をされていた為、なんだか新鮮な気分だ。


「じゃあ、これお願いします」

「はい」


 俺は彼女が入れてくれた、お茶を生徒会の先輩達に配っていく。


「あっ、ありがとー」

「フフッ男の子から給仕されちゃった」

「ありがとう」


 お礼の言葉に返事を返しながら、真田生徒会長にもお茶を渡す。


「どうぞ」

「ああ、ありがとう」

「……そういえば夏休みって生徒会は何か活動するんですか?」


 ズズッとお茶を一口飲んだ、真田生徒会長は俺の質問に答えた。


「正直な話、今年は例年よりも仕事は多い」

「例年よりも……?」


 俺は何故だろうと首を傾げる。


「そうなんだよね」

「うんうん。今年は大変だよ~」


 俺と生徒会長の話に加わるように、二人の副会長、桂川さんと芦屋さんが話始めた。


「例年なら秋の文化祭の準備を少しずつしていく感じなんだけどさー」

「今年は清明との合同で文化祭が行われるから、大変よ~」

「二人の言うとおりだ。交流会はわりかし上手く行ったと思えるが、それは今回の文化祭を成功させる為の、前提条件の一つに過ぎない」

「そうそう。今回の文化祭は学校の敷地面積から言って、絢爛がメインで行われるから、余計なトラブルが起きたら、学校の評判も落ちるしね」

「秦野君は知らないかも知れないけど、あれから何度も清明の生徒会役員と話し合いもしてるのよ~」

「……大丈夫でした?」


 特に副会長。


 俺の心配事がわかったのか、真田生徒会長はクスリと笑う。


「ああ、君が参加した会議では、日比谷副会長は気が荒ぶっていたようだけど。その時以外では、友好的とは言えない迄も、冷静に話をすることができたよ」

「でも~向こうの生徒会長が体調が良くないらしくて、何回か欠席してたわ~」

「ああ、そう言えばストレスで胃を悪くしたと……」


 俺は男子王で副会長から聞いた言葉を思い出した。やはり清明のアクが強い生徒たちの相手は精神的に辛いのだろう。


「あと、これは噂なんだけど、何か今、清明の一年が上手くまとまってないらしいよ」

「へー」


 一体何があったのだろうか?


「まぁそう言った事で、今年の夏は少し忙しいと言うわけだ。しかし君は正式なメンバーでは無いから、来なくて大丈夫だ。夏休みを楽しんでくれ」

「ありがとうございます。何か手伝える事があったら、連絡してください。時間があれば手伝いますので」

「ああ、ありがとう」

「ところで秦野君は夏休みどこか行くの?」

「はい、クラスメイトと海に」


 桂川さんの質問にそう答えたら、生徒会のメンバーが大きく音をならし、一斉に椅子から立ち上がった。


「……海?」

「はい」

「……水着?」

「まぁ」

「……ふんどし?」

「違う」


 何で水着でふんどしが出てくるんだ!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ