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初めて人間らしさを見せつけられ、わずかに安堵するレビだったが、続けて放たれた男の言葉に再び緊張を強いられる。
「どうやらお前は魔術師として力を振るっているわけではないらしいな。魔術師に象徴を植えつけられている──いや、象徴として使われている、か?」
「────」
「模倣したからといって罰があるわけではないが、見たところ、お前は完全に被害者だ。人間が象徴として使われ続ければ、いずれ魔術師の意志で自我が埋め尽くされ、肉体だけを操られる存在になる。そんな死に方を望むか?」
「なにを──なにを言っているの?」
レビの問いに答えるように、男の懐から一枚のカードが飛び出してきた。
描かれているのは、漆黒の大地に立つ白亜の骸骨。手には男の背負っているものと同じ、大鎌が携えられている。
死神。男の第一印象は、そのまま彼の本質だった。
「俺は〈十三番〉。〈アルカナ〉の中でも名を呼ぶことすら忌み嫌われる【十三番】を司り、それと同じ名前を持つ。自由を望むなら、この手を貸そうか? 正義の娘」




