表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
正義の剣と死神の鎌  作者: 射月アキラ
第3章
15/16

09

「あたし、は──」

 ──たとえばこれは、他人の思想。

 エイドを殺さなければ自由にはなれない。レビは父殺しの汚名を背負い続けることになる。

 ──たとえばこれは、他人の都合。

 エイドはレビが正義を代行することを願っていた。レビは父親を裏切ることになる。

 ──たとえばこれは、他人の言葉。

 母は死ぬ前に「父さんと仲良く暮らしてね」と言った。レビは母親の遺言も捨てることになる。

 悪いのは父だとか。最初に裏切ったのは父だとか。母が死ななければこんなことにはならなかっただとか。正論のような言い訳ならば、いくらでも並べることができる。けれど、言い訳程度で人殺しを容認できるほど、レビは強くもないし残酷でもなかった。

 できることなら殺したくはない。けれど、殺さざるを得ない。

 生きていたいと、心の隅ではずっと思っていたのだから。

「あたしは、レビだよ……おとうさん」

 視界はぼやけて何も見えなかった。

 ただ、人を斬った感触だけが、レビの手にあった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ