初遭遇はスライムでした。
嫌です。無理です。勘弁して下さい。
私の目の前には大きなゼリー状の物体X。
一言でいうならRPGによくでて来る大抵雑魚敵スライム。
全体的に薄い青色でスケルトンなお身体はお日様の光が透けてキラキラ輝いて見えます。
目とか口とかは見えませんが、それはこちらに向いている面が背中だから、というわけではなさそうです。
だって透けて見える反対側にもそれらしい器官は見えません。
ってゆうか、スライムみたいな彼?まあ、彼には、透けているから隠しどころのない彼の身体の中には、彼のらしい器官、心臓とか胃とかそんなものは何も見えません。
そう、彼のらしいものは。
正直に言います。ぐろいです。
もうちょっと隠しましょうよ、それが無理なら隠れましょうよ、食事中くらいは。
だって透けてるんですよ、見えてるんですよ、彼の身体の中身が‼
何処から何処までが胃なのかわかりませんが、いや、身体全体が胃なのですか。ともかく嫌です、見たくないです、勘弁してください。食事中は人に気をつけるのは最低限のマナーでしょう。だからせめてスケルトンなら隠れてください。
だって、だって見えてるんですよ、いま彼の中で消化されつつある物体が。
あれは脳味噌ですか、あの顔から垂れ下がってるのは目ですか。なんか白い骨とか腸みたいなのも見えるんですが泣いていいですか。
多分もとは犬、か狼かだったのでしょう、それはすごい早さで吸収されているのか徐々に小さくなっていきます。が、暫くは忘れられそうにありません。悪夢みたらどうしよう。
それでも、思ったより冷静でいられるのは多分、なんの音も臭いもしなかったからてしょう。まるでTV越しにでも見ていたかのような現実感のなさ。
しかし、目の前で起こっていることは本当に現実なのです。あの消化される物は次は私になるのかもしれません。
私は彼から目を離さない様にしながら少しづつ後ろに下がって行きました。
彼は消化がすんでもまだ食べたりないことに気がついたのか、それとも食後のデザートにでもするつもりか、私の方に這いずって、来ま・・・って早っ⁉
早いですよ貴方、移動速度⁉
それ本当に這いずってるんですか、実は浮かんでいませんか、なんですか、なんで身体から触手みたいなの生やしてるんですかー⁉
私はもう、目を逸らすどころじゃない事に気がつき一気に踵を返しました。
後ろからは彼が草やら落ち木やらを踏み潰す音がします。ついでになんか粘着音みたいなものが・・・うわ、鳥肌立ちました。
私は小さく頭を振って走る事に集中することにします。ただでさえ足が遅いのです、私は。50m走う11秒超えの記録の記録の持ち主なのです。間違いなく彼のが足早い・・・冗談じゃありません。
あんなのに消化される運命なんて断固拒否です。
私は必死に走りながら木々の間に森に入れそうな場所をさがします。
結構密集して木がはえてるので、出来れば贅沢は言わないから私1人がすり抜けるのに丁度良くて彼が入って来れないような・・・ジェル状、なんでしょうか、彼は。
どんな隙間もにゅるっと入って来たりして?
・・・考えないようにしましょう。
私は少し走った所に小さく空いた隙間を見つけ、そこに飛び込みました。