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その6

取り出したるは、魔法石と、小分けされた火薬もどき。

火薬、と言ってもこの粉は少量じゃ爆発を起こしたりしないらしく、どっちかというと着火剤や油のように最初に焚き火をする時などに薪を燃えやすくするために使うみたいです。

小分けした袋、全部使えば爆弾代りに使えそうですが、そんな危ないことはしません。

私は必死に登ろうとする彼を見て、ますますニッコリ、と笑いました。

さあ、貴方の晴れ姿を彼女に見せてあげましょうか。

私はまず何個かの小分けにされた袋の口を少し緩めて、中身が衝撃で出やすいようにします。

それを下で、蠢いている触手と彼の体の繋ぎ目辺りを狙いをつけ、纏めて投げつけました。

彼は私が投げつけた小袋に気がついたらしく、触手を鞭の様にしならせて叩き落とそうとしましたが、その衝撃で小袋の中身がパラパラと、彼に降り注ぎました。

青い体に紅色の粉がかかり、なかなか綺麗なマダラスライムです。

狙いどうりに動いてくれた彼に私は微笑みかけました。

素直な子は好きですよ。

後は、粉が彼に染み込み終わる前に仕上げをしなければなりません。

私はどこか戸惑った動きを見せる彼に向って、手に持っていた魔法石を落としました。

《炎よ》

というすごく単純な発動の言葉と共に。

ゆらり、と小さな炎がうまれ、魔法石を包み込みます。

それは重力に従って真っ直ぐに彼の方に落ちていき、またもや払おうとした、彼の触手に燃え移りました。

正確には、触手についた粉に、ですけど。

急に燃え上がった体に驚いたのか、魔法石を払おうとした触手の動きが鈍り叩き払う筈だった魔法石は、そのまま彼の体の上に転がりおち・・・彼の体の上の粉を勢いよく燃やし始めました。

流石に体を焼かれているのに呑気に崖上りは出来ないのか彼は触手を縮め、体をうねらせました。

悲鳴を上げてるみたいに体を歪めさせ、たゆたわせ、大変そうです。

動物愛護団体がみたら抗議しそうです。

しかし狙われ、追いかけられた私が遠慮する必要はありませんよね?

私は苦しそうにのたうつ彼に残りの火薬を投げつけました。




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