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あの日の記憶

作者: 空野むすぶ
掲載日:2026/05/16

___もう書けない。


あれからどれくらいの時が経っただろう

酒も飲めない子供だった私が

年齢だけ大人になった

嫌な事があればお酒に逃げるような大人に

私の小説を褒めてくれたあの人は今

何をしているのだろうか


あの時はまだ、子供すぎた

周りを不幸にしながら生きていたと思う

今も変わらないかもしれない


過去の記録を振り返っても

そこにはもう何もない

私はあれから成長していない

ずっと止まったまま生きている

後悔ばかりが増えていく

ありがとうも愛しているもごめんなさいも

言えなかった言葉ばかり増えていく

小説を買わなくなった

読まなくなった

書けなくなった


私はあれから何も変えられていない


変わったのは使っていた携帯と心の闇だけだ

あの街に別れを告げた日から

書けなくなった小説

言えなかったさよなら


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