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下手に誤魔化す

百合がノヴァ時代の力を出来る限り隠して戦うルートか、それとも事情が変わって隠さず遠慮なく戦うルートかで悩んでて遅くなりました。

方針は決まったので、そのうちタイトルの後に『~』で挟むサブタイを付けます。


あとめっちゃゲームしてました。ゼン○ロ楽しい。

「嘘だ…。ノエルかあんなクールに……いや、俺が死んだ後はラウラとサソりんに育てられてたんだろうから、なんも不思議じゃないだろうけどでも、でも~……(ぶつぶつぶつぶつ)」


「急に壁に手を置いてぶつくさなんか言い始めたでござる…。情緒不安定過ぎぬか?早乙女殿」


「私の見た目が若いのが、そんなに気になるのでしょうか?」


 末っ子のノエルが嫁二人に似て、昔の甘えん坊の面影がないことにショックを受けている。

 いや別にショックを受けることではないのだが、自分の子どもがここまで性格が様変わりしてることに驚き過ぎて、逆にショックという衝撃を受けたというか……何言ってるのか自分でもわかんなくなってきた…。


「……いえ。それよりもシルフィ。あとでお話があります。後程、私の部屋へ来るように」


「っ! ……かしこまりました…」


 ノエルがシルフィを睨みながら言うと、萎縮した彼女は俯きながら返答する。

 なんだ?ノエルのやつ怒ってるのか?


「一体なんなんでござろうか…。早乙女殿は素人目でもわかるくらい達人の如き動きで剣を振って、姿を消していた勇者様の仲間の娘を見つけるわ。そのノエル殿とシルフィ殿はなにやら若干の険悪な雰囲気を放ってるわ…。拙者たち置いてけぼりでござるよ?」


「……よくわからないけれど、とりあえず先に行った皆の後を追った方が良いんじゃないかしら。王様も待たてるだろうし」


「あ。確かに……も、もしかして待たせ過ぎた罪で、首を落とされるなんてこと…」


「うーむ。よくわからん異世界であるから、強ち真白殿の被害妄想とも言い切れないでござるな…」


「ご心配には及びません。王もまだ謁見の間にはいないでしょうから」


 王の怒りを恐れていたヲタたちにノエルが言う。


「王は先ほど、“殴っておきました”ので。治療が終わるまで謁見は延びるでしょう」


「「「えっ?」」」


 続くノエルの言葉に、俺も壁から振り返って反応する。

 シルフィだけは予想していたのか、苦い顔をしながら「やはりか…」と呟いている。


「王を殴った?そんなことしたら、それこそ貴女の首が飛ぶのでは?」


「それは私たちノヴァ一家に対する宣戦布告になりますからね。万が一にも起こり得ませんよ。仮にそうなっても、逆に首を飛ばし返します」


 怖っ。一体なにがあったんだよ…。

 ノエルがこんな残虐な性格になってることも含めて、お父様ちょっと横になって頭の中を整理したいんですけど…。


「えっと……情報量が多すぎて、整理が全く追い付かないんでござるが…。何故、王様をお殴りになったのであろうか?」


 ヲタがノエルにドン引く様子を見せながらも、疑問を口にする。


「それはこちらのお家事情のようなものでございます。王は禁忌を犯しましたからね。むしろ殴られるだけで済んで、感謝して欲しいくらいでございます。……これがお母様であれば、骨も残さなかったでしょうし」


 おい最後凄い怖いこと言ったぞ…。

 見ろ。真白さんが、全身真っ青の鬼もビックリの顔色してるぞ!?


「真白さん。私の胸でお泣き」


「う~~~…。安城さん、異世界怖いよぉ…」


「よしよし。たっぷりお泣き」


「安城殿はなぜそうも平静でいられるのでござるか…」


「……引き止め過ぎてしまいましたね。それではシルフィ。謁見が終わり次第…」


「は、はい…。かしこまりました、お母様…」


 ノエルはそう言って指を鳴らし、優雅な足取りでこの場を去っていった。

 ……ちょっと色々と混乱してしまったが、久し振りに会った我が子だ。本当はもう少し話をしたかったのだが…。


(さすがに謁見の方が先だよな…。これ以上ヲタたちに怪しまれるのは避けたい)


 今はまだ言い訳の余地があるが、ここで初対面のはずのノエルに変に話し掛けまくると、前世はこの世界の人間だったと思われるかもしれない。

 ラノベ好きのヲタには特に…。こうしてラノベみたいに召喚されたんだから、俺が転生者でもおかしくないと当たりを付けてきそうだ。


「……ふぅ~…。行くぞ」


 緊張の糸を解くように息を吐いたシルフィ。

 俺たちを謁見の間へ案内するために歩き出した。


 そんな彼女に、思わず聞いてしまった。


「家族中、良くないのか?」


 敬語を忘れて聞くと、シルフィは足を止めた。


「昔は良かったが、今はこの通りだ。魔族との戦争のストレス。意見の食い違い。要因は様々で、顔を合わせれば口喧嘩ばかり増えていったが……今回の一件で、完全に溝が出来てしまったのは確実だな」


「今回の一件というと……」


「……お前たちを召喚した件だ」


 シルフィは再び歩を進め、俺たちはそれに着いて行った。

 歩きながらシルフィは説明してくれる。


「元々お母様は、勇者召喚に反対だったのだ。それはお婆様も、他の家族も同じ意見だった」


「でしょうね。良識ある人なら、異世界から無関係の人間を呼び出すマネはしないと思うわ」


 安城さん辛辣…。事実だけど。


「ああ。私も最初は反対派だった。……しかし、戦況は日々悪化するばかり…。今日までに落とされた砦は各国合わせて30は越え、滅んだ国がいくつもある。今こうしてる間も、魔族の侵攻は続いている」


「窓から覗く感じ、そんな風には見えぬでござるな」


「……それだけ市民の為に戦い続けている者たちがいるということだ。二ヶ月ほど前に、私も戦場に赴いたが……その光景を見て、考えが変わったのだ…」


「勇者召喚反対派から、賛成派にって?」


 俺の言葉に静かに頷くシルフィ。

 後ろから僅かに見える表情からは後悔と罪悪感。そして幾ばくか己の無力さに絶望している節が見えた。


 俺にはそれが、前世で見たラウラの顔と重なった。


「一度戦場へ行っただけで意見をひっくり返すなんて、相当のことがあったんですね」


「……ああ」


「ふむ。戦争は授業や学園祭の劇でしか知らぬ故、本物の戦争がどれほどの物なのか想像も出来ぬな…」


「“今日”一緒に笑い合っていた人が、“今日”死んだ」


 誰に聞くでもないヲタの言葉に対して、無意識に返した。


「さ、早乙女くん…?」


「……戦場にいる人の隣には、常に死神が鎌を携えて待ち構えているってこと。深く考えず、そう思ってりゃ良いのさ。今はな」


「早乙女くん。何を言ってるの貴方?まるで戦争を知っているみたい」


「戦争経験者の祖父が何度も言ってたんだ。身内にいなかった?酒に酔って何度も戦時中のことを話す爺さんとか」


「あ。確かに、いたかも…。お正月の集まりとかで、戦争の辛さをよく話してた気がする…」


「早乙女殿と真白殿は、戦時中の色々な話を聞いて育ったんでござるか?」


「家庭によるだろうが、たぶん何も珍しいことじゃないと思うぞ?今平和な世の中を過ごせているのは、戦争を頑張って生き抜いた先祖がいたからだぞって」


「戦争ね…。平和ボケしてる日本人である私たちに、そんなのに参加して満足に戦えるのかしら…」


 安城さんの言葉に、表情が固まるヲタと真白さん。

 彼女の心配は最もだろう。魔族だって言葉を交わせる種族だ。家畜を育ててた農家出身の奴なら、言葉を交わせない魔物を相手するくらいならまだ行けるかもしれない。

 けど自分と似た存在の敵を前にした時に、ちゃんと戦えるのか…。戦場に駆り出された時の一番の懸念点だろう。


「そ、そういえば早乙女殿!さっきの剣裁きは見事だったでござるな?実家は剣術道場か何かだったんでござるか?」


 これから自分たちは命を落とすかもしれない戦いに身を投じるという事実から目を逸らしたいのか、ヲタが俺にさっきノエルに斬りかかった時のことを聞いてきた。

 まぁ遅かれ早かれ問いただされるのはわかっていたから、特に動揺はしなかった。


「し、しかも早乙女くん。あのノエルって人の姿が見えてなかったのに、よく気付けたよね?」


「そうね。動きも素人目からでもわかるくらい、達人のようだったわ」


 この辺りの言い訳はノエルの天変地異したキャラにショックを受けてる時から散々考えた。が、いくらでも誤魔化しが効くと思っても、いざ考えてみると無理がある言い訳ばかり浮かぶ…。

 もっと俺が嘘上手だったらな~…。


 ヲタが言ったように家もしくは祖父母の家が剣術道場だと言っても、だからってさっきみたいな動きが出来ることには繋がらない。

 明らかに殺すことを目的とした剣だったから、ただの剣術道場で通すには少々無理があるのだ。


 ヲタたちが戦い慣れした頃にまた疑問を持たれてしまう可能性が高い。

 だったらどうするか?それは……


「~~~♪」


「口笛!?なんで無理に誤魔化そうとするんでござるか!怖いでござるよ!?」


 敢えて何か裏があると思わせる為に、口笛を吹いて誤魔化す!

 下手な言い訳をするよりも「あ。人には言えない何かをやってたんだな」と思わせて、追求を逃れるという寸法だ。


 ……昔よくサソりんと一緒に、ラウラに叱られる時にやってた誤魔化し方である。

 なお拳骨を貰うまでがセット。


「人には言えない秘密の一つや二つあるだろ?どうか気にしないでいただきたい。俺がころs……俺が何をしていたかなんて!」


「今たぶん“殺し屋”って言いかけたよね!?」


「隠すならちゃんと隠すでござるよ早乙女殿!?てかそんなラノベみたいなことやってたんでござるか!」


「ち、違うよ?こ、転がし屋だよ…?」


「そんな猫型ロボットの道具みてぇな職業なぞなかろう!?いやまぁ。さすがに殺し屋は嘘だと思うでござるが、真白殿が可哀想だからもうちょっとマシな言い訳するでござるよ…」


「……変な人ね。早乙女くんは。まぁ言いたくないのなら、これ以上は聞かないでおきましょう。私だって自分の部屋に、大量の本の中にエロ本が数十冊混ざってるとか、恥ずかしくて言えないもの」


「「「いや言ってる言ってる!?」」」


 敢えて何か裏があると見せて、これ以上の詮索をしないでくれと暗に伝えることは出来たようだが、安城さんの衝撃のカミングアウトに少々気まずい雰囲気が漂った…。


 シルフィは俺に訝しげな視線を絶えず向けているが、あんな動きした俺を警戒するのは仕方がないところだ。

バー○スが10連で来てくれたので、運命を感じました。

これで月○さんも引けます。

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