表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/8

姿が見えない視線

やるゲームが多いと、マジで時間潰れますね。

 ヲタを選んだバフ本のプチ朗読会みたいなのが十分の一ほど進んだくらいに、後になって運ばれてきた防具とアクセサリーの神器選定が行われた。

 こちらも相馬がリョウタロウと同じ防具に選ばれ、姫様や騎士たちは「勇者リョウタロウの再来だっ!」と大喜びだった。


 なお俺は防具とアクセサリーには選ばれなかった。わかってたけど、悲しいな…。


「ノヴァ様はデュランダル以外の神器を身に付けていなかったそうですので、どうか落ち込まないでください。むしろ誰にも抜くことすら出来なかったデュランダルを抜くことが出来たのですから、それだけでもかなり上澄みですよ!」


 何を持って上澄みなのか知らんが、横から姫様がそうフォローを入れてくれた。

 しかしデュランダルは神器じゃないので全く無意味です…。もう面倒くさいので俺もデュランダルって呼んでるけど。


(でもなんで誰にも抜けなかったんだ?ギルガは酔った勢いで作ってしまったから、特別な能力は一切ないって言ってたのに。……もしかして憶えてないだけで、何かしら能力は付与してたんだろうか?)


「……鬼族は五百年も生きられねぇから、ギルガに聞きたくても聞けねぇのがな…」


 鬼族の寿命は人間の約三倍程度。

 俺の死を看取りに来た時でもう200歳に近かったし、ほぼ確実に虹の橋を渡ってるだろう。


「皆様。お待たせ致しました。国王の謁見の準備が整いましたので、今から謁見の間へご案内します」


 神器選定を終え、着慣れてない防具系の神器は一度回収されて姫様からそう声が掛かった。


「早乙女殿。王様との謁見って跪くだけで良いんであろうか?」


「知らんがな…。とりあえず騎士たちの真似でもすればいいんじゃね?」


「うぅ~…。知らずの内に失礼して、首を飛ばされちゃったりしないかな…?」


「ネガティブ過ぎて物騒なこと口にし出してる…」


「本の続き、早く読みたいわ」


「読むのは俺なんだがな…」


 一緒に歩くヲタと真白さん。そしてバフ本の続きが気になって、しれっと一緒にいる安城さんとやり取りしながら、クラスメイトたちの一番後ろを歩いていく。


「───ん?」


 しかし神器選定を行った部屋から出たところで、刺すような視線を向けられているのを感じた。


 さっき気付かぬ内に安城さんに近付かれていたことに危機感を感じ、周りの気配を気にするようにしていた。それだけでなく、召喚部屋でヲタにいきなり肩を組まれたことも含めて、周辺への警戒度を上げたのだ。

 これが敵相手だったら俺はほぼ確実に死んでいる。だから感覚を研ぎ澄まして、索敵スキルの真似事を行っていた。


 お陰でこの刺すような視線に気付くことが出来た。しかも明らかに友好的ではない感じだ。


 放っておくのはマズいと思い。立ち止まって周りを観察するが、俺の後ろに付くように歩いていたシルフィ以外に、俺を注視している人物の姿は無かった。


「どうした?サオトメ。急に立ち止まったりなどして」


「ん?早乙女殿…?」


 一緒に歩いていた三人も俺が急に立ち止まったことに気付き、足を止めた。

 他はほとんど気にせず進んでいった。騎士たちもシルフィに任せる気なのか、先頭の姫様とクラスメイトたちと一緒に先に行く。


「一人、二人、三人、四人……」


 今の俺を見ているのはシルフィ。ヲタ。真白さん。安城さんの計四人。

 しかし俺に刺すような視線を向けているのはこの内の誰でもない。


「シルフィ、さん……ヲタ……真白さん……安城さん…。シルフィさん……ヲタ……真白さん……安城さん……」


「ど、どうしたの早乙女くん!?どこか具合でも悪いの?」


「ここに来て召喚のショックを受けているのかも。ベッドに横になって安静にした方がいいわ」


「今さら過ぎぬか?早乙女殿はこれまでずっと落ち着いていたというのに」


「……何か気になることがあるなら言うといい。私にわかることなら、答えられる範囲で教えてやる」


 四人がそれぞれ心配と気遣いを向けてくれるが、それを無視して俺は目を瞑って視線の正体を探る。

 それからも何度か皆の名前を口にして、怖がってヲタと安城さんの後ろに隠れてしまった真白さんに申し訳なく思いつつも……


「───見つけたぞ。」


 閉じていた目を大きく見開き、シルフィの背後を見ながら言う。

 同時に。動揺した気配を感じ取った。


 姿こそ見えないが、確実にそこに“何か”がいるっ!


「そこにいんのは誰だーッ!」


「なッ!?おい、どこへ…!」


 一気に駆け出し、デュランダルを抜いた勢いのまま逆袈裟で振るった。

 同時に指を鳴らす音がした。


───ガキィィィンッ!


 瞬間。鳴り響く金属音。

 それと同時にそこにいた者の姿がモヤが晴れるようにして露になった。


 ソイツはメイド服を着ており、エメラルド色の強い綺麗な髪をした。短剣を持った耳の長い女性の……エルフだった。


「め、メイド…?」


「……なぜ(わたくし)の気配に気付けたのですか?私の【隠密】のレベルはMAX。【気配察知】を持っていたとしても、この世界に来たばかりの貴方ではまず気付けるはずがないのですが」


「いや。警戒してたらあんな敵意の込もった視線なんて嫌でも気付くわ…」


「視線……ですか…」


 切れ長の目で俺を睨んでくる凛々しいエルフメイドに答える。

 最近のエルフってシルフィやコイツみたいに、切れ長で目付きの悪い凛々しい奴が多いのかい?


「お、“お母様”っ!城に戻られていたのですか!?」


 後ろでシルフィが叫ぶようにして言う。

 ああ。シルフィの母親だったのね。どおりで似てる訳だ……って、はっ?


「え。お母、様…?」


「……申し訳ございません。異世界からのお客様」


 そう言うとエルフメイドはスカートを上げて、白くて綺麗な太股に装着した鞘に短剣を納めた。

 ……白いガーターだった。


 その後、スカートを両手で摘まむようにしてお辞儀をし出した。


「私はノエル。そこのシルフィの母であり、城のメイドでございます。【隠密】で姿を消していたのは、少々込み入った事情がございまして…」


(((ポカーン…)))


 あまりの出来事にヲタたち三人が唖然としている。

 俺がなんか急に駆け出して虚空に向かって剣を振り出したと思ったら、そこにはメイド服を着たエルフがいて、しかもそのエルフはシルフィの母親で……三人からしたら情報過多だよな…。俺も頭が追い付かない。


 ていうかヲタたちの前で慣れた手付きで剣振っちゃった。どう言い訳しよう?

 いやそれよりも!


「し、シルフィさんの親ってことは、もしかして……」


「おや。先代の勇者たちについては、聞き及んでいるようですね。……ええ。そうです」


 ノエルと名乗った女性は一拍置いて続ける。


「私は先代勇者パーティーの一員である。ノヴァとラウラの、実の娘でございます」


 瞬間。俺の脳内に流れる前世の記憶。


『おとうさま~!だっこしてー!だっこ~!』


『おかえりなさい、おとうさま!きいてきいて!きょうね、おにいさまとおねえさまがね?わたくしのおりょうり、“おいしい”ってほめてくれたんだよ!おとうさまもたべてたべて!』


『“おいしい”?やったー!おかあさまたちも、かえってきたらほめてくれるかな?』


『うえーん!ラウラおかあさまがいじめる~!!!おけいこ、きびしすぎるよ~!おとうさまー!』


『おとうさま!だいすきっ!おおきくなったら、わたくしぜったい、おとうさまとけっこんするの!』


『うえーーーん!おどうざまーーー!!!ずっといっしょにいてよ~っ!ノエルとけっこんするって、やくそくしたのに~!!!』


 記憶の中のノエルと目の前の凛々しいエルフを照らし合わせた。


「嘘だッ!?」


「いえ。本当です。見た目のことで疑っているのでしょうが、エルフは長命故に。成人してからは500歳を越えないとあまり見た目に変化がないのです。……ラウラお母様のことを考えると、あまり期待出来ないと思いますが…」


(違う!そうじゃないっ!!!)


 根っからの末っ子気質で超絶甘えん坊だったノエルがこんなに凛々しいはずがないッ!!!

先日作ったぶりのあら煮旨かった~(自画自賛)


ゼ○ゼロでシー○ー欲しさにガチャったら、11○すり抜けました。

今一番欲しかった恒常キャラなのでヨシッ!シー○ーは諦める!


でもリソースが足りない!!!バー○スと月○さん用のリソースも足りない!!!

原○以上にお金が必要なのがキッツいですね…。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ