表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/12

こんな夢を見た9 ワシ、ぶっちゃける

こんな夢を見た


疲れた、このところ負けが多く給与は減るわ、任務は多くなるわでふんだりけったりだ。そんな任務もやっと終わって帰宅、高アルコール度数の酎ハイで一杯やりながらパソコンを起動させる。


そして適当に動画配信一覧を眺めているとふとしたタイトルが気になった。



「ワシ、今日はぶっちゃける。」


気になったのでその配信を選択する。


するとそこには頭から角を生やしたイカツいイケおじが何かグダを巻いてしゃべっており、手にはビール缶、しかもクラフトビールの高いやつ。しかも同じ缶が周囲に多数転がっている。


「だいたいワイルダーは脳筋でいかん。あいつ突っ込む以外選択肢ない、ちっとは戦略を覚えろって、あいつの脳はイノシシ以下・・・ブツブツ。」


「自称頭脳派のテクニックスは逆に能書きを垂れて机上の空論を展開したあげく、勇者に欠点を突かれて毎回敗退している。頭脳派が聞いて呆れるしかない。


大体あのチビ、シークレットブーツ履いて誤魔化しているけどバレてるっての・・・ブツブツ」


「紅一点のテンプテーションは人に化けて人間界の王族らを色仕掛けで凋落させて情報を聞き出していると言っているが、知っているぞお前勇者一行のひとりの追っかけしているじゃねえか。


 知っているか、その男ゲイで勇者を狙っているんだぞ、狙っている意味では幹部より優秀じゃねえか・・・ブツブツ」



先ほどからディスっている相手はみんな魔王軍の幹部である。さらに愚痴は続く。


「勇者も惨めだな。頼りにしている戦士はゲイで勇者の後ろの穴狙いだし、勇者の幼馴染の聖女はビッチで王子とイケメン魔法使いとかを取っ替え引っ替えしてるんだぞ。


戦士にしろ、聖女にしろあんなのひと目見ただけでわかるだろ、お人好しというか人を見る目なさすぎっていうか。哀れすぎて抱きしめたくなるわ・・・ブツブツ」


勇者一行の裏の顔を暴露しだしている。それを酎ハイを飲むのも忘れて呆然と眺める男性。



「だいたいこの戦いだってただの経済戦争で、互いの戦争で起こる需要で起こる景気回復が目的だから、毎年どこまで人的被害を出すか、その代わりに起きる需要はどのうらいかワシと人族の王とで協定組んでいるのに、知らぬは人族・魔族の平民だけ・・・ブツブツ」


「それが勇者が現れたせいでお互いの協定が崩れて一方的にワシの損害が出て、税収も減るし、足繁く通っていたキャバクラの回数減らさざる得ないわ。はあ、愚痴しか出ないわ。」


愚痴はまだ続いているが、この配信を見ていた男性はメールを起動させ上司に一通の送付することにした。



この度、私こと魔族戦闘員Aは一身上の都合で今日付けで退職をいたします。退職金につきましては口座に振り込みをお願いいたします。


すっかり酔いが覚めた魔族戦闘員Aは明日起こるであろう魔王城での惨状を予想して、隣国に逃げる算段をくむのだった。



おはようございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ