こんな夢を見た10 間に合わない
こんな夢を見た
男は撮影が行われるビルへ向かっている。
彼はそこそこイケメンであるが何か映えるものがあるわけでもない、売れない俳優であった。もう28歳、そろそろ俳優であることを考え直す時期に差し掛かっている。
そんなおり知り合いの映画スタッフから声をかけられ、いつもの端役ではなく、キーポイントになる人物の配役を任された。ここで演技が認められれば次の作品でまた声をかけてもらえるかもしれない。
スマホを取り出し時間を確認すると指定された時間まであと30分、いい加減ビルに辿り着かないとスタッフに総スカンを食うことになる。
焦る、もう1時間ほど周辺を歩き回り日吉ビルという撮影場所を探しているが一向に見つからない。
これはおかしい。
考えてみると、映画スタッフの名前が出てこないし、映画のタイトルも出てこない、何よりビルの住所を覚えていない。頭にあるのは日吉ビルという撮影場所だけ。
再度スマホを見るともう指定された時間を過ぎようとしていた。
もう駄目だと絶望感を味わったと同時に気づいたことがある。
そもそも日吉ビルなんて存在しない、だから辿りつけない。
だってこれは夢なんだから
おはようございます。




