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我が連邦、異世界へ  作者: 縦深防御
8/19

会談

「建国記念パレード?」


「はい」


副官であるツバキさんから出たその言葉は、初めて聞くイベントだった。


Marv4の時に、そんな行事はなかった。


「それが明後日に迫っているけど、この状況下では中止にすべきと議会が言ってる…」


「左様です」


「うん、それでいいと思う。議会の方にまた連絡しておいてもらえますか?」


速攻で議会の判断を了承し、コクっと頭を一度下げて敬礼すると。


部屋からツバキさんが出て行く。


ふぅ…と一度息を整え、執務室のソファに腰掛ける。


ジリリリリリリッ!!!!!


執務室に鳴り響くその音に少し苛立ちを覚えたが、休み暇などなかった


「休ませてぇ!」


そう言いながら受話器を取る


「司令!大変であります!」


その一言だけで、ーさらに面倒なことが発生したのだと、悟った


「ど、どうした?」


ゴクっと唾を飲み、耳に意識を集中させる


「北方より逃げてきた耳の長い者達のトップが、同志司令官に直接お会いしたいと申しております!」


トップが階段を申し込んできたのか…


それに俺はすぐに返事は出さなかった。この世界に来て初めて自分たち以外の


知的生物との接触。


罠の可能性も十分考えられたからだ。


といっても、やはりこの世界の現状を知ることは必要不可欠で、情報収集は出来るだけ穏便にしたいという思いもあった。


「そのお相手には、喜んで会おうと言っておいてくれ」


受話器をゆっくりとおろす、少々不確定な要素もあるが。行動は早い方がいいと元の世界では教わった。


早速、身だしなみを整え、服に勲章をつけて執務室から出た


扉を開けた先には護衛と国防長官のジューコフがいた。


「同志将軍、どうお思いですか?エル…耳の長い者たちの行動。罠でしょうか?」


護衛と共に長い廊下を歩く


「わかりません。どんな連中かも想像がつきません。まずは会って直接相手を見るのが一番です」


「全くその通りです」


ジューコフ長官と宮殿を出ると、そこには連邦の指導者たちが大勢集まっていた。


参謀委員長から内務人民委員長、外相やツバキさんの姿もあった。


制服と軍服に包まれた、老若男女の姿は圧巻だ


俺の存在に気づいた、全員が、引き締まった顔で俺を見た。


その目を向けられた時、自然と口が動き出した


「今回の会談では、できるだけこの世界の状況を得ることに集中して欲しい。無論彼らが我らを利用するなら、我々も彼らを利用しよう。友好的な者たちであれば、この異世界で最初の同盟が生まれるかもしれない。皆連邦のために尽力を尽くしてくれ」


俺のことが終わると同時に軍人は敬礼を、政治家はコクリと頷いた。


今回のエルフたちとの会談場所には西方にある、マタリア共和国内にある。ヴェネステラ宮殿での歓迎パーティ兼密会場になった。


ここは首都以外で唯一城壁に守られている場所で、まだ移動前の西方軍が滞在しており、なおかつ現時点では一番安全な場所だと言える。




夜になる頃にはエルフ側の者達も集まって来て、賑やかになっていった。


だがその裏で、俺と国防長官、外相、ツバキ副官、護衛の兵士2人とエルフの長である。ダーウェンという男と、その護衛の男女が一人ずついた。


「この度はこれほど素晴らしい歓迎を頂き、ありがとうございます」


非常に礼儀正しくそう申し上げた男は、我々が聞くよりも先に述べた


「申し訳ないのですが、すぐに本題に入らせてください」


一瞬で鋼鉄のような目が俺たちに向けられた、それは生命体が持てる最大限の情が宿った目だった


「現在我々は魔獣と呼ばれる未知の生物との戦争下にあります…」


来た!と言わんばかりに全員が目を見開く


「奴らは三ヶ月ほど前に突然空から現れ、私たちの同胞を殺害し、連れ去っていきました」


「魔獣とは一体?」


俺がそう聞くと国防長官がそれを止めた


「司令官、まずはダーウェン殿の話をすべて聞きましょう」


「わかりました」


「…魔獣たちは他の人間の国にも襲撃をかけ、全世界が相手をしている状況です」


全世界!?それに人間の国って………俺たち以外の人間がいるのか……


喜びと少しの不安が俺を襲った


「奴らはここよりさらに、さらに北の大陸から降りた悪魔です」


「ですのでどうか、お力を貸して欲しい。これは全生命の戦いなのです!!!」


必死に助けを求めるエルフの長に、俺はただ圧倒されるだけだった


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