思惑
「さっさと吐け!!他の仲間の居場所を全て言え!!!」
連邦内のどこかにある牢獄で何度も顔や腹を棒で殴られながらそう言われる女性がいた
「知らないっ…ほんとうにぜんぶ…話しました…私と他の2人だけです……」
地下で響くその声に、他2人の容疑者たちも震えていた
明らかに顔つきが他の市民より異なり、市民たちによる密告で捕まった3人の異国人はゼグラーン連邦という国を甘く見ていた
まさか市民全員が市民を監視しているとは思いもしなかったのだ
ゆえに明らかに目立つ者が出てくるのは必然であった
その拷問をすぐ横で見ている、秘密警察の隊長は頭を痛めていた
「いやしかし、本当に知らないのかもしれんな。こいつら以外にも異国人が入っていても。そもそも味方にすら公表していないのかもしれん」
「体調もそうお思いなのですか…」
「も?」
「私もそのように考えておりました。一国家に諜報員を忍ばせるなら、その諜報員ですら知らない味方を動員することは基本だと思います」
「そうだろうな」
そう言いながら隊長はリボルバー式の銃に弾を込め始める
カチャ…カチャ…
銃を知らなくても、これから自分がどうなるのか。その女性は気づいた
所持品から異世界人しか得ない物を確認できていることから、女性は確定でスパイであるとわかっていた
「よし、こいつと他の2人は今すぐの処刑とする」
「いやだぁ!!エルナァ!!!!!!シエナァ!!!!」
男の家族だろうか、愛しているのだと隊長は理解した
「安心しろ、一撃で終わらせてやる。せめてもの情けだ」
女性は全てを受け入れ、その目には光はなかった
最後まで黙ったまま。女性の額に銃口が向く
パァン! パァン! パァン!
順番に撃たれたその遺体を正式な墓地に移送せよと司令部から電報があった
「各方面の調査員は未だ発見されていないスパイをすぐさま探し出し、人民の敵を排除せよ」
この命令により、着々と異国人の捜査が行われていった
首都郊外にもそのスパイがいたが、未だに秘密警察には見つかっていなかった
もう廃村とかした場所の家の地下に5人の異国人が集まって話をしていた
「なんなんだこの国は!!シルとゴウそれにミリアが捕まるなんて!!クソがっ!!」
皆の表情が暗くなる中、一人の女性が口を開ける
「それについては仕方がない。まさかただの市民があんなにも早く警察を呼んでくるとは思いもしなかった」
最初は友好的に関係を気づくつもりだったが、秘密警察のやり方はあまりにも乱暴すぎた
初対面で問答無用の暴力を受け、ほとんどは見つかる前に魔法で逃げたが。3人は捕まってしまった
だが、異国人たちは焦りの表情は見られなかった
「不言の誓い」という魔法がある以上、情報は漏れることはないだろうと、全員がわかっていた
「彼らにも十分な戦闘力はある、が数少ない仲間だ。私とカレン、ゾルダで人の居場所を探し出す。他のものは引き続きこの国の情報を集めてくれ」
「了解」
そうリーダーの女性が言うと、全員が同じペンダントを手に取り、言葉を並べた
「帝国に栄光あれ」




