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全天録  作者: AX-02
第二章 昼
95/261

済まない。また今回も、ハイスピードな気がする

『王の次が神とは、浅きものよ』


 スルトが嘲る。彼は本気を出していないのだから当然だ。


 元来と言うのもおかしいが、真に『スルト』であれば双剣使いだ。しかし彼が出しているのは、下賜の一刀のみ。彼の半身並みの、もう一振りを出していないのだ。

 出来れば一刀の状態で倒しきりたいが。


「早いよぉ……」


 シュアの元に行くのも、遠距離回復してもらうのも危険だ。彼女への意識配分がないから、今があるように思える。回復や補給要員を叩くようにすれば、確実にシュアを庇い過ぎて死ぬ。


 〈巨人(ティタン)〉の倒し方は主に二種類。超高DPSか回復不可能化のどちらかだ。任命され、星と直接回路が出来ているはずなので、星を壊すか回復回路の破壊かになる。まず不可能。超高DPSを叩き出すには、腕を回復して貰わねばならない。


[再生する部分だけこんがり。中途半端が故の困難発生中、対処しろ]


 自然治癒や自身への回復のみ、効果の出る回復阻止のようだ。効果処理の速さで負けている。

 徐々に追い詰められる未来が近い。遠くする為には、勿体振ることなく出す。


「行け〈殲滅人形(エクスキューショナー)〉」


 金髪で赤のリボンをつけた、10cm台の人形を8体取り出す。PCゲーのAI対決にて『処刑人』と言われていたのを、可能な限り再現したものだ。

 近接、遠距離、個、群と超攻撃的な人形達。


 素材は本体や武器の強度を上げたが、服はそんなに強くない。出して速攻で燃えた。余計に再現してないおかげで、ドン引きされずに済んだ。


『小賢しい!』


 スルトは翻弄されている。ピンポイントの攻撃はかなり苦手のようだ。俺に剣を叩かれ、対応仕切れていなかったことでも分かる。素ステで殴る存在だと。


『ぬぅ』


 〈人形使い(マリオネット)〉ついでに〈糸使い〉も修めるスタイル。スルトの腕を一瞬、斬る。直ぐに回復されるが〈日緋色金〉と〈灰稀(ミスリル)〉合金は優良のようだ。


 斬れた瞬間の硬直を逃さず、全身に叩き込む。槍、矢、魔法矢……兵装全てを当てる。


『ぉぉお!』


 自身を中心とした爆破技を扱う。急いで退いたが三体ロスト。


「好都合」


 しかし片手操作になり、むしろ動きやすいくらいだ。腕が死んでいようが義手を作り動かせば良い。動かすのは実質《内対(ククラ)》だが。


 義手が砲をはな……義手が砲だ、既に発射口がある。

 火力は素晴らしく、スルトの胸から上が吹き飛んだ。飛びながらスルトが突っ込んでくる。


 流石に、脅威でないと理解してしまったようだ。一定レベルからは、数の優位の意味が違うもんなぁ。


 速度が足りない。しばらくは悶絶させるか。

 一体をスルトの突貫工事に向かわせる。


『グホォ?!』


 予想しない感覚にスルトが倒れる。頭フリーズは高位戦闘において、最高の一手。


 ともかく、スルトが尻を押さえている間に。


「頼む」

「ん!〈全快(リライフ)〉!」


 シュアからの完全回復級がかけられる。飛来する火の弾は魔法矢が相殺。スルトの到着と同時に、シュアから離れる。


『やるではないか』

「殺れてないけどなぁ」


 スルトから称賛らしきものが出る。化け物としての矜持でもあるのだろう。


「俺の真スタイルを見せてやる」


 手甲足甲による格闘、何の変哲もない殴る蹴る。それが一番と信じて磨いて。


 スルトの大剣を腕で弾く。彼の目が見開いたのを確認しつつ、正中線を下から打つ。後退りの為に足が浮いた。そのままアッパーで打ち上げ、空中の踵落としを首に入れる。逆回転して落ちてくるより先に着地。


「〈羅拳(カノン)〉」


 近距離単発の中で最高火力の技を出す。これで終われば良かったが。


ゴッ


 明らかに硬い何かで拳の軸をずらされた。スルトは地にめり込んでいるが、絶対に確認中なだけ。


「〈雷化(スパーキング)〉」


 火柱が俺を囲みかけたのを最速で避ける。奴は完全無詠唱なのにこの威、まさに星の守人だ。


『汝を敵と認めよう』


 スルトは火を噴き上げ、両手に一本ずつ剣を携え、宣言した。本気を出すと。


「…!」


 刹那、胴を刃が通る。投げた訳でもない、本当に手に持っての剣で斬られた。剣の解放だけで、ここまで戦闘能力が変わるということは、剣が本体の可能性がある。調べようがないが。


 回復阻止の効果は大きく、移動すら困難だ。確実に当たり続ける。


「ゼル!んん!!」


 シュアが身を呈して来ようとするが、風圧により戻されてしまう。


[鍛えが甘かったな]


 お前は平常心か……俺の体がどうなろうと、復活する手立てでもあるのだろう。その開発の力と時間は十分にあるからな。


「〈水神龍王(アフラ)〉!!」


 諦めず属性魔法を放つ。水で切り刻もうとするも。


『ここだな』


 置かれた双剣に蒸発させられる。桁違いの熱のようだ。

 形振り構わず、しかし即効のものを選ぶ。〈輪戦車(パンジャンドラム)・四型〉を所持していた七つとも投げつけた。


 実質、核の連鎖爆発であり。多少どころか、決め手になるべきだが。全くその気配はない。逆に火力を高めてしまったのだろう、気温が気温でいいのか分からない位の暑さとなる。


『これが滅び』


 スルトが諦めろと言っている。流石は、世界を燃やした名を冠するもの、説得力が違う。


「ならもっと派手に散らせてくれや」

『やはり早かったな〈魔王(ゼノ)〉』


 あの力の集中は間違いなく、範囲指定の核熱。ならば痛みなく消えられるだろう。     

Q 製作シーンなし兵器?


A 修行シーンなしで技覚えたりするじゃん

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