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全天録  作者: AX-02
第一章 朝
9/261

あれ?調子が

粘人(ハーフウーズ)


 俺は人ではなくなったのか……。そう考え、足が止まる。ボッチ感がぱないよ……。鬱だ……死のう…。目を閉じた。


[半分だけだから! 半分にすれば人だから!]


 …………自我が芽生えていた。成長がおかしい早さで進んでいるようだ。待て待て。使ってないのにあり得るのかそれは?可能性としては。


(スキル成長度が俺は高いのか?)

[まるで塔だな]


 一発で即答。別の質問をしてみる。


(他人の魂入ってない?)

[ア"リ"エ"ン"]

(他のスキルも頑張れば超伸びる?)

[ゴムだから]

(ネタに凝りすぎじゃあないですか?)

[これが正常運転になったのだ。アキラメロン]


 フフフ…ハハハハ……グェヘヘヘヘ。

 生きよう。これとなら楽しい。てな訳でGO!俺は走り出した。

 さっきまでより速さが出たのか、止まってた分の遅れを取り戻し、感知したものが見えてきた。


(荒れた装備の陣営と馬車……よくあるアレだな)


と判断した。

 御者が落ち、馬が切り離され横転する馬車、馬を降り取り囲む賊、ちょうどいい感じに開けている場所で行われている。慣れているように見えるが素人臭さも残る手際だ。プロは横転なんてさせないと思う。

 獲物の方に集中しているようなので、俺は楽々と近場の木陰に忍びこんだ。


「ヒヒヒヒ。決めた順番でいくぜぇ」

「いつ来ようが良いもんだ……ハァハァ」


 興奮した話から、振り分け完了済みの計画的犯行だと判明。順番は中身を取るって意味か?なら横転は不味いじゃない。

 そう思っていたら馬車から人が出てくる。

 レイピアであろうものを装備した、黒髪と金髪のロングヘアー、スタイル良し、胸は……よく分からんが両方Cであろう女性二人が現れた。


 順番ってそういう……リアルでそんな現場阻止をしない訳にはいかない。


 彼女達は出て、相手を確認。首を縦に振り戦闘を始めた。

 30対2だ。10人倒せたらいい方だろう。人数の差はどうしようもない。


 六人目までは明らかな優勢だったが、やはり押される。意外と良かったのか、賊の装備を貫けず《炎弾》《貫水》を使い過ぎたせいだろう(名前は《内演算》調べ)。一撃確殺であっても、疲れたり魔力切れだったりで負けることもあるので、そうでないなら尚更だ。

 死角から放たれたであろう矢が金髪の足にヒットし倒れる。痙攣が見られるので麻痺矢だと思った。同時にとあるスレイヤーの理論が展開され、即終了された。


「ティナ!!」


 黒髪が悲痛に叫ぶ。集中の乱れにより鍔迫り合いに負け、そのまま押し倒される。あ~泣き始めた。

 二人を拘束した賊の汚い笑い声が響く。猿轡を噛ませているな理解してるわ……。


………デュフフ使った奴誰だ。使っていいのは紳士だけだぞ。


 結果として彼女達が倒せたのは9人。死んでいるのは


[死亡は4人]

 

 だそうだ。事案が発生する前に片付けようと思い、木陰から出る。


「なんだてめ」

「獲物に手ぇ出す気か? あぁ?」


 創作物のいつもの絡まれ方をされ。


「可哀想だからやめなよ」


 と一般論を唱えつつ、近くにいた2人の心臓を腕に纏わせた外套槍で貫く。


「殺す!!」

「許されねぇぞ! てめぇ!!」


 怒号を放ち、まず四人向かってくる。刀に変え駆ける。首、両足、腹、両腕と切断した。3人目の腹にいたっては革(?)装備の上から切り捨てた。

 ここまで来て殺人に実感が湧き。体が止まる。


 体調を確認。全く動いていない心臓以外は異常を感じなかった。粘人のせいだ。心は震えているのに、体はそうでない。面倒な体になったものだ。


[《自動攻渉》の発動範囲拡大 する? しない?]


あぁ…うん…………する…。


 矢が横を通過しかけたので掴む。考えるために使った《座標詐称》に引っ掛かったのだろう。


「は?!」


 それがそいつの最後の言葉だ。投げ返したら眉間を貫通した。

恐怖が刷り込まれたのだろう。


「一斉だ! 行け!!」


 そんな号令が飛ぶ。ダメージがまだ入れていない事で、やけくそになったとも言える。

 外套が俺を包み。転がす大玉のようになる。


(攻撃的な干渉をしない? あっ囲まれた)


 何故こんな形態をとったのだろう。袋叩きに合うはめになった。痛みはないものの、どうするのか分からない。自動は読めない。

 しばらく叩かれながら待つと呻き声が聞こえた。大玉が解除され。


「《内演算》よ……ドン引きだわ」


 人の串刺しが大量にあった。抜くために意識を向けた。渋々とした抜き方になった。


「動くな!! こいつらが死ぬぞ! いいのか!?」

「ハイハイ」


 範囲外だったのか、賊が金髪達を人質を取った。

 俺は返事をし動かなくなる。


「散々な日だな………殺してやる」


 殺意がかなり込もっている。いきなり現れた原始的な格好の奴に、30人から3人に減らされたらそうなるか。

 1人が俺を殺しに来る。俺が動けなくなったと思っているようだが、間違いだ。


「がっ」

「ハッ」


 足裏から地面に通してたのだよ。人質に跨がっている奴らの首を吊るためにな。漏れで彼女達を汚さないように位置をずらす。ついでに拘束も外す。


「ざっけんな!!」


 人質解放を見てから銅剣を俺に振るうが、普通に籠手で弾きボディーブローされる。沈んだのを確認して地に置く。


「こいつらの処理はどうする?」


 多分やった覚えのあるだろう黒髪に聞く。

 金髪の看病を止めてこちらを向いた黒髪は、少し疑問の顔を浮かべ。


「基本的に、グループ単位でギルドより賞金がかけられております。死体だろうと全員が良いので街に持っていきたいのですが……」


 まぁ運べる車がないよな。引き摺るにしても重労働だし。しかし俺なら作れる。自転車モドキがいけたんだ、四輪手押し車なんて余裕よ。


「運ぶ道具なら作ろうか?」

「作れるなら…私達の移動の分もよろしいですか?ティナがまだ動けないようなので」


 金髪……ティナはぐったりとしていた。まぁ毒が入った訳だし当然か。となると柔らか素材が要るな。葉っぱでいいや。


「了解、製作にかかる。俺はゼノム」

「あっ………クレイスです。危ないところをありがとうございました」


……こっちに来てから初めての人間との会話だった。

ゼノムは敵を倒す度に断末魔が聞こえる

スキルを手に入れた       

                ▼






判明したが判明した回で使うとは言っていない

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