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全天録  作者: AX-02
第二章 昼
87/261

突入前

眠い

 [8:18]大波に乗ってサイフィの元に向かう。意図してではなく、普通に波がたったからだ。

 前世界では、色々と気にして出来なかったサーフィンを体験中。

 

「わふ~~!!」


 シュアの状態回復が遅い。わざとかと思うくらいに遅いのだ。小さい方が消費少ない理論が通じてしまっているのか、それとも単にこの姿のままでいたいのか。


 いずれにせよ彼女を考えながら、ダンジョンへ挑む事になるだろう。




 波が消えても流れは変わらず強い。

 そして俺から放つ(プレッシャー)で、肉食な存在が寄り付かない。感情呼応物質があるので、殺気だとかが本当に伝わる世界。前世界の実力の通り魔なら、余裕で遭わないように出来るだろう。


 流れが止まった。シュアとの旅を優先なので、スクリュー船で行く。比較的ゆったりとした速さになる。

 電磁波で本体を浮かせる事により、船の揺れは最小限に抑えられている。平衡感覚が抜群なはずのシュアを考えてだ。耐性をつけさせた方がいいだろうが……常に他人にも求めるのはどうかと。


 それでも速いものは速いので、無人島近くに数時間で移動出来た。


 向こうが肉眼で確認したのだろうか。


「そうだよな……〈魔王(ゼノ)〉を歓迎するのだから!」


 矢、投げ槍、投げ斧が矢継ぎ早に飛んでくる。勿論、属性は別々。白の強い青は。


[高品質な光属性で]


 〈魔王〉に絶対効く属性だった。とりあえず投げてる奴は……全員か。しかしサイフィがいない、何処からか奇襲でも仕掛けて。


ドゴン


 明らかな爆発音が森の方から聞こえる。そして飛翔する人影があった。それが海岸の砂に頭から刺さる。完璧だ。


「実戦訓練中止!!!」

「サイフィ!!」

「何でも長!」


 部下達は、刺さって動かないサイフィの元へ集まる。

 実戦訓練ねぇ……具体的な脅威の想定を、しやすいだろうな……あんだけ街をやったんだし。


 引っこ抜かれたサイフィ。


「あと少しだったのに……滑り落ちて行くぅ!!」


 第一声がギャルブルで失敗した人になる。叫び、落ち着ききったサイフィがこちらを見る。


「ようこそ牙城へ。そっちの娘は?」

「シュアだ」

「…………奥さん亡くしたからって、愛娘につけ」


 検討違い過ぎたので、デコピンをかまそうとしたが。


「ほう……腕を上げたな」

「お戯れを」


 忍者な人の短剣に止められる。普通の城壁なら粉砕する威力はあるんだがな…あと数秒の命の短剣と、彼の技量に感動していた。


「シュアはシュアだよ?」

「なんて洗脳教育を」

「馬鹿野郎! ここは魔法世界だぞ?! 幼児化くらいあるわ!!」


 サイフィの情報を修正したい。いや、彼として分かっててやっているのだろう。そうしよう。


「でだ、これまでのダンジョンアタックは?」

「まぁ、まだ二回しか行ってないんだが……」


 逃亡先として俺が転移させた島。サイフィ達はそこを開拓していたのだが、どうも魔物がわいてくる。学生が半年はいれる場ではないので、原因を調査し、洞窟から〈ファング〉タイプが群れで現れたのを目撃。その後、数名が洞窟探険した結果、ダンジョンであることが判明。判明してもう一度入って。


「で、一回の時に作った地図が役立たず。魔物の出現も、獣系から植物系に変わってたと」

「そういう事だ」


 そして再突入をしたいが深くは潜れない。が〈決壊(スタンピード)〉の恐れを排除したいので、俺を誘ったらしい。


「逃げ場が無さすぎる」


 船にせよ有翼、飛行魔法な奴にはボコられるしな。正しい判断だ。


「お前の方の嫁は?」

「メイドさんとビーチバレー中だ」


 姿を見ないので聞いてみたら浜辺の遊びをしていた。それより。


「え? あの中を切り抜けたメイド?」


 あの〈大解放(パンデライズ)〉を回避していないと、この場にはいないのだ。ならばその存在は。


「暗部と兼業なのだよ」


 そうきたか。暗殺効率としては、かなり上位に食い込む方法だ。必要とあらば嫁すら殺す気だったか、そうでもしないと王権維持がキツイのか……。


 色々あるんだろう。俺は要職になんてつけないだろうけど。


「さっきの爆発はなんなんだ?」

「あはー………あれはな」


 サイフィは俺が見せた〈対巨人用戦機(ティタンキラー)〉の再現をしようと、魔導エンジンを作ってた。そして試作のうち一つが、先程の爆発を引き起こしたそうだ。


「やっぱ、俺が機体に合体しなきゃならんのか……」


 自分も一つのパーツとしてなら、既にBランクの戦闘であれば可能な機体はあるそうだ。しかしAより先となれば、耐久出来る素材や効率の良い魔力回路形成、に行き詰まる。


「高品質な素材なら少し出せるが……」


 俺のカオス素材を渡す。硬さと弾力を兼ね備えた中級素材だ。


「で、魔力回路は」

「俺だと俺に繋げた方が絶対に良いからな」

「だよなー。どうやってエンジンにするか」


 サイフィはブツブツいいながら、森へと消える。主の移動に配下も動き、シュアとまたも二人っきりだ。


「何しようか」

「走ろ?」


 シュアと浜辺で鬼ごっこだ。


[事案発生してますわ]


 なんて聞こえない。地域住民とのふれあいすら、出来ないじゃないか!


「あぁっ! ゼールー」


 シュアが何かを見つけて足を止める。手に持ったのは貝だな。


「食べれる?」


 食欲の塊。まぁ、小さい子は何でも口に入れたがるしな。


[はいそこ、閃かない]

(食べ物をやるつもりだぞ?)

[切り取り可能で味付けしてあるくせに…白々しい]


 

 




 最初はシュアとのごっこ遊びのつもりだったが、匂いに釣られて彼らが舞い戻り。


「ヤキソバ4つ」

「ゼル! またヤキソバの追加だよ!!」

「畜生! 何Lの消費をさせる気だ!! って《内対(ククラ)》さん、寝ないで!」


 海の家を始めさせられた。

 〈フェリオス王国〉の調味料が恐ろしい勢いでなくなり、何往復したか………突入前でありながら疲れを感じる。 

Q やはりシュアのIQが


A ほら、今回はデバフかかってるから………

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