達成報告 ゼノム・ルマ=アウゴ
______________1件目
ソレは風となり大地を駆けた。余りの速さに、草が、土煙が遅れて反応するしかなくなる。
何か、とてつもないものが接近中だ。
「あれは何だ?!」
「手に負えるか!! 全力避難だ!!」
衛兵が騒ぎ始めると同時に、ソレは更なる速さを加える。迅雷と言える域を越えたソレ。かなり遅れて。
「ちょっと止まって! いやデコ助の振りじゃねぇって!!」
という声が聞こえる。ソレの行方が分からないまま、次の瞬間には一つの建物が粉砕される。
衛兵が覚えている分には、領主がここ数ヶ月内に買ったものだ。
「証拠品、押収!! さぁて次だ!」
ソレは次の標的があるのか、一つの破壊だけで済まして消えて行った。
「あんなの聞いた覚えないよ………」
「覚えあるけど、お天気なままだし違うかなぁ……」
天災と言い張る事を決意する二人だった。
______________2件目
鉄鋼で栄えていたこの街は、数ヶ月前から悲鳴が絶えなかった。腕の良いも悪いも関係なく、使い潰すからだ。
原因となった物は地下にある兵器……〈戦車〉である。魔力が無かろうと扱える機動砲台。誰もが勝つために飛び付き、使われる前に、地下には拉げられたそれらが並んだ。
誰の為の鉄塊なのかを考えた。それらは、融かされインゴットとなり、また普通の鉄鋼の使われ方をするだろう。
______________3件目
「ゼルゥ……」
俺はシュアを直視出来ないでいた。卑劣な罠により、彼女の姿が変わってしまったからだ。
何故か彼女に付与した〈変動結界〉が解除されていた。そのような効果がないはずの、敵結界を通ったにもかかわらず。
「ねぇ……」
目の縁に留めながら、証拠となる書類や道具を〈収納空間〉へと送った。
愛妻を無視している事実が、重く心にのし掛かる。一番、辛いのは彼女であろうに。自分はどうともないのに惨死体のように、目を合わせてくれないのだから。
「見てよぉ」
次へ行こうと〈魔導二輪車〉に乗り込んだ時、彼女の両腕がピントを自身へと向けた。
「狂おしい程、好きになるから逸らしてたのに……小悪魔め…!」
「えへー」
彼女は10歳程、若返り身長等が著しく縮んだ。俺くらいの体のサイズで、胸板にすっぽりなくらいだ。毛並みは非常に柔らかく、声も保護……いや庇護欲を掻き立てる可愛らしさ。
今後にも大きな影響が出るだろうと思われる。
____________4、5件目
「我が望みの為に消えよ!」
「消えるのは貴様だ」
「えー只今より、タンクの主並びに所有権を懸けた決闘を始めます。双方、タンクの搭乗口までお進み下さい」
俺が戦闘するのは、シュアを気にするから不味いと思い、同士討ちをさせる事にした。幸いに開けた土地があったので、都合が良い。
互いに自分本位だったので、話に乗せるのは簡単な方であった。
ルールは、片方の戦車が機動不能以上で決着。移動、砲撃は当主が入りきってから。
と、単純なルールで行った。
へいわしゅぎしゃでテロリストな俺は、勿論、まともにやらせる気はない。互いの砲撃を少々。
「では始め!!」
当主が搭乗する前から放った砲撃を、超越強化した上で弾道をずらし、両〈戦車〉を消滅させる事に成功。
消滅確認後〈天烈〉と合流。彼らの了承をとり、依頼達成。彼らの拠点へ荷物や証拠品を置き、私は友人のもとへ行きます。
以上
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「これが〈魔王〉の手紙か……」
「何て身勝手さなんでしょうね。実力が上なので、何も言えませんでしたが……」
「物は拠点にあったのか?」
「えぇ……全て新鮮新品。しかも迷惑料として……竜の鱗で作られた、サイズの合う胴装備まで〈時限式封印結界〉の中に」
ケイとキースは、やはり規格外と思考が一になった。何て手際なのだろうか。朝に作戦開始し、日暮れにはこのような達成報告……。
「となると」
「帰りも〈転移〉でしたよ」
二人は窓から外を見る。
〈転移〉…この視界の遥か先からでも、一瞬にして目の前へ現れる。恐ろしい術だ、仕事も遊びも戦闘も……全ての移動が違う価値になる。
「行かせる条件として、ライが戦いを挑みましたが……まさか〈剣解〉しても全然届かないとは」
ライの大剣は平常、手加減状態であり〈剣解〉する事により刀身が細くなり、ゼノム曰く『太刀』と言うものになる。よっぽどの危機の時にしか、見られないスキルだったが。
「そんな奴が急ぐモノ……何がある?」
「より上の強い何かでしょう。例えば……大陸を投げれる巨人とか」
「それは急がねばな」
書きたくない時は、ダイジェスト方式に限る。
とある刀の物語の4巻よりは
何やったか分かるからセーフ(暴論)




