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全天録  作者: AX-02
第一章 朝
8/261

真実はすぐそこに

「ほぅ、東がオススメか」

『農村が多いからな。対人戦が得意な人間はそうおらん。里帰りや大商隊の流れは知らんが』

「他の方位は?」

『南は永久に海だ。休む場を自ら作らねばならない上に、巨躯の存在がかなりの頻度で出現しているらしい。北は内乱の戦火が収まらん。愚かな事は長いものだな。西は武勲こそが全てだ。北の全勢力から、参戦を禁止されるくらいの強者揃いだ』

「東だな。グーム……俺を逃していいのか?」

『何、奴等に地の記憶など読めはせん。既に貴様は何処かに失せていた。私は知らん。』

「そうか……色々とありがとな」

『フン。早く去れ』


 風と炎の熊、グームの撃破に成功した。まさか自身への名付け(?)が有効に働くとは、思いもしなかった。様々な変化が瞬時に訪れ。気が付いたらグームは気絶していた。また意識が飛んだようだ。その後、起きたグームと会話をし別れた。

 現在は木製自転車のようなものを作り、葉っぱの服そして木仮面を付け東へ。

 内容的は、俺のスキルを見てくれ~魔法教えて~旅先のオススメは?そんなものだ。全くもってグームの事を聞いていない。そしてスキル名が判明していった。


《空間覇握》……空間認識能力。段階的に足りてないはずだが、処理出来る俺がおかしいらしい。

《自動攻渉》……自動で敵の息の根を止めにかかる。

《錬成》……物体の諸々を変形、抽出する事ことが出来る。

《物体変化》……外套のためのようなスキル。固さ、見た目、感触を変化させる事が可能。具体性や意志で強度や変化処理が変わる


 これらが名付け(?)前からあったスキルである。

《物体変化》は扱いが難しい。比較的柔らかな素材は優良で、ビニールを布でサンドした寝袋の形態や木製のベッド形態が出来た。しかし硬さを求めると、そのような扱い易さはなくなった。鉄を越えてくると範囲が伸びず、硬さが一瞬しかないこともあった。本体は動かずに、伝説上の物質で作られた防具を易々と貫通させるには、果てしない訓練が必要のようだ。

《錬成》はかなりの将来性がある。錬度が足りないがいずれは最終鬼畜殲滅魔導兵器を作れるようになりたい。抽出を伸ばして不老不死の薬や蘇生薬もありだろう。


『あそこの虫が簡単とは聞いてないんだがな……』


 と飛び級人への感想のような感想を述べられたので。


「でも、オリハルコン加工より簡単なんでしょ?」


 実在かのカマをかけてみたら、そりゃそうだとため息をつかれた。実在しているのを確信し頭のなかでは、RPGの混ぜ合わせレシピを眺めていた。他の物もあるとは言っていないのに。

《空間覇握》と《自動攻渉》は補完感が半端じゃない。《物体変化》の質が上がれば、手が付けられないセットとなるだろう。


 そして名付け(?)後に増えたらしいのは、スキル名が不明のため俺が考えた。


《内演算》……情報の管理をする。また当人に代わり処理する。

《座標詐称》……自身の存在する位置を少しずらす。


 ………どうやら名前に込めた想いが強かったようだ。

《内演算》は……もう見覚えが有りすぎて説明する気が失せるくらいのスキル効果だった。マニアには「魔王の相棒(せいさい)だよ」といっておけば大体察して、情報戦を丸投げしてくるか、スキルの略奪のために手段を選ばなくなる。そんな危険性があるものが発露してしまった。幸い、一人での異世界なので、クラスメイトに狙われるとかはない。

 グームに火の魔法を教わり。速攻で二重発動をし。


『数年後には四重以上だな……』


 と言わせた。目の水分は気のせいだ。


《座標詐称》は……当たってないよ。をするためのものだろう。相手の攻撃を見当違い……にはならなかった。ズレは30cm程度のものだ。位置に体の力が抜けるのを感じ、手の長さで測った。範囲攻撃には使えない。


と能力の整理をしていたら、多数の存在を感知した。ビビったが並走が余りにも長く、開けた場所をいくつか通るが、何も飛ばさないのはおかしい。


(俺以外が追われている……テンプレ展開ですか?)


 自転車モドキから降り全力で走る。


(あぁ……この時点で帰っても勝ち組だな)


 走った結果、明らかに人間の出せる速度ではない。永世ワールドレコードになるのだろう。

 しかし自分が人間でないとすると……不安を消すために目を瞑り……。


[ゼノム・ルマ=アウゴ 種族 粘人(ハーフウーズ)


 残酷な答え合わせが待っていた。

フグ刺って美味しいよね

後光まであるんだぜ

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