ぶんまわし
儀式的ハネムーンが終わり、普通のハネムーンを満喫していたら〈翼竜〉をシュアが見つけ。
『獲って!!』
と狩猟要求されたので網弾を使い、狙撃した。獲物の解体に近寄って見れば、〈天烈〉の魔法頭の方に合った。
何聞きたいこと…十中八九、帝都の事と魔物の事だろう。素直に答える気ではあるが、その前に〈翼竜〉の処理をしなければならない。
「これの作業をする。待ってくれ」
大狼形態のシュアは腰を落とし、地面を擦るように尻尾を大きく振っている。肉を待てないのか涎も垂れかけだ。
シュアが大きくなった原因としては、魂の繋がりの強化、戦闘訓練のせいだろう。
戦闘訓練はやる前の考えでは護身術のつもりだったが、シュアのセンスが良く、ヤり過ぎで頭のネジが外れたのか……気が付いた時には、とある闘犬をトレースし、相手を殴りつつ自分を回復する。返り血だらけ巫女服の犬系獣人がいた。
もぎたての心臓から滴る血を飲んでた時は《内対》共々、ドン引きとエロスを感じ。
『[間違えた……いや、これはこれでアリ]』
と言ってしまった位の差である。
以前の姫様は何処へ……と〈フェリオス〉の全てが言いそうだ。
〈翼竜〉の解体が終わり、調理をしたい。
「シュア、どっちで食うんだ?」
「ん~~人で!」
形態に合わせたサイズに切るので、シュアに聞く。人なら普通の一口唐揚げ位のサイズにするか。
「竜を食べる気なのかい?」
「「欲しいの?」」
「………一口は」
魔法頭のイケメンは興味深く、鼻を動かす。焼ける匂いが堪らないのだろう。
「塩はどうする?」
「山!」
太平洋と北極海は行ったから、インド洋・大西洋・赤道一周・南極も行こう。という思考で世界を儀式ついでに回っていたら、高山な島に塩湖を見つけた。
やはり高品質で料理に使ったら、シュアが大嵌まり。山塩として覚えられている。
陶器皿に盛り、塩をかけ、外套を木製テーブルに変化させて実食。
人になったシュアに全員反応する。何度見てもふつくしい。
「をいひぃ、ゼフゥ」
「感謝は飲み込んでからね?」
「……………………………………………………俺が食べてた肉は何だったんだ?」
宇宙を理解する旅から帰って来たイケメンは、これまで培われた舌が消し飛んだようだ。
「ケイ、残りはどうする」
お仲間から残った〈翼竜〉の素材について、聞けと言われている。
「ゼノムさん〈翼竜〉の他のは」
「どうぞ〈天烈〉にお持ち帰り下さい」
「分かりました。因みに今〈天烈〉は一時解散中なんです」
少しの驚き。強く補完の良いパーティーが解散するとは…一体、誰の仕業なんだ。
「それはともかく。12日前に処刑されたはずの貴方が、何故いるので?」
シュアが大狼形態で寝そべる横で、帝都についての情報を求められる。少々の嘘を交えるとして。
「いやー魔力切れした所で捕獲されてしまいましてー。斬首が執行され、首と胴体がお別れした時に胴体の方が真っ黒な爆発をしてですね。そうなるように魔法仕込んでたりしませんよ?で、そんな風な爆発ですから大虐殺からの〈魔王化〉ですよ~」
大体合ってるからセーフだろう。ケイの様な人は信じるとしても7割だし、嘘らしい部分を突いても、今も未来も得が少ないから突かない。
「〈魔王化〉ですか、魔物が強くなったりするのはそういう」
「そうそ。俺を殺して止めたりしてもいいけど。まっ」
「ゼルとは ずっと一緒」
大型犬サイズに調整したシュアに押し倒される。その様子を見てケイは、討伐は愚策と思っただろう。壊した時の反動を恐れて。
「その娘とはどういう関係で?」
「シュアはゼルのお嫁さん」
シュアが即答する。ケイは終焉を察した笑顔のまま次の質問へ。
「フルネーム」
「シュア・フィエータ=アウゴ」
ケイは手で顔を覆う。きっと、俺に連なる存在が現れる事を恐れていたのだろう。そうか……と空を見ている。
ケイが聞きたい事は終わったようなので、次は俺だ。
「なぁ、俺って冒険者なれる?」
ケイはうつ伏せになり、両手で顔を覆い、笑いを堪えるかのような痙攣を起こす。その上にシュアが乗ろうとするのを、引綱を引っ張り阻止する。シュアが大型犬サイズ以下の獣形態の時に、自動で着くようにしたものだ。
獣形態の時の彼女は、本当に獣の習性だらけになるのでルシュフェルや《内対》も交えて会議をし、ペット扱いがよろしい、と結論が出た。なお大狼は理性的であり、なる場合が戦闘時か俺を乗せての時なので暴走(?)の心配なしとなった。
「ケイさ~ん、戻って来て~~」
「すまない。突飛過ぎて……で考えたんだが」
俺がなる分には、問題は軽微だそうだ。ギルド長・同業者・国王・大臣・貴族の腹や頭が、痛み続けるが問題ないらしい。
「いや絶対、刺客くるやつじゃん?」
「勝てるから問題ない」
ズレだ。圧倒的な乖離だ。どうしてそうなる。
日が沈み始めたので、その日は森から出るだけに終わる。
〈天の眼〉は夜営の準備を始める。それを見て俺も。
「その中に入れてくれ」
「俺の中という事になるがえぇんか?」
「……流石に……無理……」
六畳の仮設住宅を羨ましがられる。入室は丁寧にお断りだ。何故ならシュアとイチャつくから。
「おーふーろー」
部屋そのものが目的に応じて変わるので、何もなくていい。
(レクス……家は余計なものになりそうだ………)
「体が熱いなー、ゼル?」
湯船の中で桃色に光るハートの紋章を見る。この点滅頻度だと『中』だな。
Q シュアの知能
A 幸せで更にIQを溶かした
追記
《内対》[魅了系統対策として魅了済みだぜ!]
ルシ姉 「他人に魅了されるくらいなら、自分がやっておく。うむ、間違えなど見当たらん」
ゼノム 「可愛くなるからセーフ」




