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全天録  作者: AX-02
第二章 昼
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ぶんまわし

 儀式的ハネムーンが終わり、普通のハネムーンを満喫していたら〈翼竜(ワイバーン)〉をシュアが見つけ。


『獲って!!』


 と狩猟要求されたので網弾を使い、狙撃した。獲物の解体に近寄って見れば、〈天烈〉の魔法頭の方に合った。


 何聞きたいこと…十中八九、帝都の事と魔物の事だろう。素直に答える気ではあるが、その前に〈翼竜〉の処理をしなければならない。


「これの作業をする。待ってくれ」


 大狼形態のシュアは腰を落とし、地面を擦るように尻尾を大きく振っている。肉を待てないのか涎も垂れかけだ。


 シュアが大きくなった原因としては、魂の繋がりの強化、戦闘訓練のせいだろう。

 戦闘訓練はやる前の考えでは護身術のつもりだったが、シュアのセンスが良く、ヤり過ぎで頭のネジが外れたのか……気が付いた時には、とある闘犬をトレースし、相手を殴りつつ自分を回復する。返り血だらけ巫女服の犬系獣人がいた。

 もぎたての心臓から滴る血を飲んでた時は《内対(ククラ)》共々、ドン引きとエロスを感じ。


『[間違えた……いや、これはこれでアリ]』


 と言ってしまった位の差である。

 以前の姫様は何処へ……と〈フェリオス〉の全てが言いそうだ。


 〈翼竜〉の解体が終わり、調理をしたい。


「シュア、どっちで食うんだ?」

「ん~~人で!」


 形態に合わせたサイズに切るので、シュアに聞く。人なら普通の一口唐揚げ位のサイズにするか。


「竜を食べる気なのかい?」

「「欲しいの?」」

「………一口は」


 魔法頭のイケメンは興味深く、鼻を動かす。焼ける匂いが堪らないのだろう。


「塩はどうする?」

「山!」


 太平洋と北極海は行ったから、インド洋・大西洋・赤道一周・南極も行こう。という思考で世界を儀式ついでに回っていたら、高山な島に塩湖を見つけた。

 やはり高品質で料理に使ったら、シュアが大嵌まり。山塩として覚えられている。


 陶器皿に盛り、塩をかけ、外套を木製テーブルに変化させて実食。

 人になったシュアに全員反応する。何度見てもふつくしい。


「をいひぃ、ゼフゥ」

「感謝は飲み込んでからね?」

「……………………………………………………俺が食べてた肉は何だったんだ?」


 宇宙を理解する旅から帰って来たイケメンは、これまで培われた舌が消し飛んだようだ。


「ケイ、残りはどうする」


 お仲間から残った〈翼竜〉の素材について、聞けと言われている。


「ゼノムさん〈翼竜〉の他のは」

「どうぞ〈天烈〉にお持ち帰り下さい」

「分かりました。因みに今〈天烈〉は一時解散中なんです」


 少しの驚き。強く補完の良いパーティーが解散するとは…一体、誰の仕業なんだ。


「それはともかく。12日前に処刑されたはずの貴方が、何故いるので?」


 シュアが大狼形態で寝そべる横で、帝都についての情報を求められる。少々の嘘を交えるとして。


「いやー魔力切れした所で捕獲されてしまいましてー。斬首が執行され、首と胴体がお別れした時に胴体の方が真っ黒な爆発をしてですね。そうなるように魔法仕込んでたりしませんよ?で、そんな風な爆発ですから大虐殺からの〈魔王化〉ですよ~」


 大体合ってるからセーフだろう。ケイの様な人は信じるとしても7割だし、嘘らしい部分を突いても、今も未来も得が少ないから突かない。


「〈魔王化〉ですか、魔物が強くなったりするのはそういう」

「そうそ。俺を殺して止めたりしてもいいけど。まっ」

「ゼルとは ずっと一緒」


 大型犬サイズに調整したシュアに押し倒される。その様子を見てケイは、討伐は愚策と思っただろう。壊した時の反動を恐れて。


「その娘とはどういう関係で?」

「シュアはゼルのお嫁さん」


 シュアが即答する。ケイは終焉を察した笑顔のまま次の質問へ。


「フルネーム」

「シュア・フィエータ=アウゴ」


 ケイは手で顔を覆う。きっと、俺に連なる存在が現れる事を恐れていたのだろう。そうか……と空を見ている。


 ケイが聞きたい事は終わったようなので、次は俺だ。


「なぁ、俺って冒険者なれる?」


 ケイはうつ伏せになり、両手で顔を覆い、笑いを堪えるかのような痙攣を起こす。その上にシュアが乗ろうとするのを、引綱を引っ張り阻止する。シュアが大型犬サイズ以下の獣形態の時に、自動で着くようにしたものだ。

 

 獣形態の時の彼女は、本当に獣の習性だらけになるのでルシュフェルや《内対》も交えて会議をし、ペット扱いがよろしい、と結論が出た。なお大狼は理性的であり、なる場合が戦闘時か俺を乗せての時なので暴走(?)の心配なしとなった。


「ケイさ~ん、戻って来て~~」

「すまない。突飛過ぎて……で考えたんだが」


 俺がなる分には、問題は軽微だそうだ。ギルド長・同業者・国王・大臣・貴族の腹や頭が、痛み続けるが問題ないらしい。


「いや絶対、刺客くるやつじゃん?」

「勝てるから問題ない」


 ズレだ。圧倒的な乖離だ。どうしてそうなる。


 日が沈み始めたので、その日は森から出るだけに終わる。

 〈天の眼〉は夜営の準備を始める。それを見て俺も。


「その中に入れてくれ」

「俺の中という事になるがえぇんか?」

「……流石に……無理……」


 六畳の仮設住宅を羨ましがられる。入室は丁寧にお断りだ。何故ならシュアとイチャつくから。


「おーふーろー」


 部屋そのものが目的に応じて変わるので、何もなくていい。


(レクス……家は余計なものになりそうだ………)

「体が熱いなー、ゼル?」


 湯船の中で桃色に光るハートの紋章を見る。この点滅頻度だと『中』だな。     

Q シュアの知能


A 幸せで更にIQを溶かした


追記


《内対》[魅了系統対策として魅了済みだぜ!]

ルシ姉 「他人に魅了されるくらいなら、自分がやっておく。うむ、間違えなど見当たらん」


ゼノム 「可愛くなるからセーフ」

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