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全天録  作者: AX-02
第一章 朝
65/261

寝起きでこれは

 襲撃しに来る輩は居らず、しかし完治する前に。


『王令で大陸から出るようにと……』


 非常にシュンとしたノワから、そう伝えられた。どうやら俺が、大陸にいるのは不都合らしい。

 やはり納得出来ないので、直に王城へ行こうとしたら。


『後だしで申し訳ありません』


 試練の時にも会った大臣がいた。俺が乗り込むのは予想済みだったらしい。


『どういうことかな?』

『そうですね。花嫁修業と貴方様の脅威度、そして王の勘です』


 花嫁修業……分かる。俺が手を出していない前提にだが、色々と女としてのスキルアップを図り、男を飽きさせないようにする。その途中段階での暴走を防ぐ為に遠くへ行けと。

 脅威度…これも理解出来る。ガチ装備の王とそれなりに戦えた俺がいるだけで、周囲は怯えて暮らす必要がある。そして力試しの標的になり、対処する内に色々と面倒な事態が起きる。起きる前に遠くへ行けと。


『勘って……王が博打かよ』

『時にはやらねばならないものです。私は必要を感じておりませんが……王が決めた事です』


 勘。それは理不尽なものだ。従順と言うには裏切り過ぎ、敵と言うには利点が多すぎる。歴戦の王の勘、それだけで信憑性が高まり反逆する心を折ってある。

 とてつもない強制力だ。前世界で見てた世界より個人に揺られる。そんな世界だからこそ……俺は楽しめている。


 諦めて。


『一体、何日かかると思ってんだよ……俺、車椅子なんだが』

『あぁ心配なく。部隊が付きますから、運んで貰えますよ』

『……シュアの人気なら、谷底へ私を落とす人がいるかもと思いますね。可愛い見た目、わんぱく感、回復魔法……嫉妬から凶行は、いつ起動するか分かったものではないです』


 色々と会話を広げた。

 人間的思考が可能でなくとも、弱った生物を虐めたくなるのは自然な事である。故に警戒しているのだ[結婚するんですフラグ]も立っている事で、危険な臭いがしまくっている。


 が、それでも行かねばならない、断る事は出来ないのだから……。




「何てやり易い」

「もうゼノム無しじゃ来たくない」

「向こうに付いて行っていいと思う……」


 狙われないように、収納空間から取り出したり、《物体変化》と《天地一体(オールフュージョナー)》で保温性の高い空間を作ったりしたら、別方面で狙われ始めた。

 戦力として期待されても困る。部屋に戻ろうとしても。


「まだ行かせません!」

「楽しい夜はこれからだ!!」


 などと阻止される。これには冷静に対処。


「デュラム」

「主の眠りを妨げる者よ……去れ!」


 デュラムを召喚し、俺は安眠を願う。音が響くので部屋の形を変える。いつか見た無音部屋の構造は偉大で、本当に音がない。心臓も肺も不要なので、俺から出る音は寝返り程度しかない。


 本当に静かな部屋で俺は眠りに就いた。

______________________________________________


 夢は混沌を極める。静かな空間であれば、外部からの情報がないので尚更だ。


 今回は……何故か友が。


「よお久々だな」


 そういいながら彼は鎧姿だった。見覚えがある、着せ替えの出来る狩りのだと。彼がよく着ていた、白き王と何かの混合だと。


「あぁそれはどうした?」

「前に使ってたのじゃ相乗効果が足りなくてな……」

「因みに今回は?」

「タウロスブースト、ピンポインター、ブックス、フレーマー、決闘、人操、フェアリープレイ、フラグレンス、アントスクラッパーだ」

「……そうか」


 スキル構成が謎過ぎる。一体何を目指しているのか分からない。というより本来そのスキルはないのだが……。


「これで俺は世界を壊すんだ」

「出来んのかよ?! 字面だけじゃ足りない物多すぎんだろ?!」

「……あー……いや……そうだな」

「分かったら一式に」

「該当するモノを探す旅に出る」

「そうかそうか。また会えるといいな」

「その魂、我に捧げよ」


 どこぞの悪魔のような言葉が出る。というよりCVがまんまだ。


「…えぇ…どうした急に」

「全て滅ぼして『無』にしなければ……先のは誰もが通る道……」

「『無』なら取得出来るからな? 手順かなり踏むが」

「手順すら不要! 最短は破壊なのは見えている! さぁ、ソフトの抜き差しで越えろ!! 全部を越えれる!!」

「それ本体に返す気ないだろ!!! いい加減にしろ!!」


 ヤバい、ダチの奔流だ。こいつの処理能力は謎に高いから論破と、発想の差が高いのだ。


「安心しろ……回復する手段はある」

「なん……だと?」


 世界の認識に必要な魂の再生が可能だと? こいつ……どんな領域に立っていやがる。


「じゃあちょっと見せてくれよ」

「あぁ……その身でたしかみてミ」


 こうして俺は体を端から消されて。


ブツン

_________________________________________________




[朝だぞ]

「あぁ……汗をかくとはな」

[お前の夢は狂気だよ……SANとミームしか言語でねぇよ]

「何だ? それの原因となった要素でも見つかったか?」

[知らなくていい事もあるよ]


 謎にも程がある。細かくは覚えてないが『狂ってる』と言えばそうなのだろう。凡人が異世界に順応するのはそもそも____。


「ゼノムざまぁ"!」


 焦り過ぎて罵倒されたが、恐らくレベルの上がった連携に押されてるのだろう。


「起きたぞ! 望みはなんだ?!」


 起きて来た俺が見たのは。


グォォオ


「ぐっ! 何て数だ!」

「向こうの援護!」

「ぬわーー!」


 あからさまに、見た目のおかしい魔物の群れだった。

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