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全天録  作者: AX-02
第一章 朝
61/261

会場は揺れるもの

追記:途中に糞思考が入ります。

『ルールは……持てる全ての技量で倒せ!! ストップが間に合わない? 知ったことかぁ!!!』

「「おぉ!!」」


 極限に自然の掟あふれる戦いになる。相手が確実に止まるまで続ける。大暴れそのものだろう。


[この距離なら録画ながらは余裕だぜ]

(録音は?)

[サーセン、うちの監視カメラ古いんすよ]


 やはり拾えないという。なんだ? 魔法世界の発言は、魔力が必ず込められるのか? 確かに相当な量にはなりそうだが……そこまで阻害されるとは。


『ではレクス王! 開始の合図を!!』


 レクス王が思い切り空気を吸う。一般客は耳を塞ぎ、階級持ちは塞がすにいるようだ。素晴らしいな線引きされていて。細かなリアクションで地位を表す。何にせよ一糸乱れぬ行動は感動するものだ。


 そして選手もまた塞ぐべきではない。何せ王直々の咆哮だ。王の声を心身に響かせずして何故、姫と結ばれようか。


ゴォォォオオォォォォ!!!


 とは言え爆音の咆哮は耳を駄目にする。

 アルゴも貴族らしき者達も、塞ぎはしないが耳の近くを叩く等をしている。俺は実質的に鼓膜が破れた。ヤバいなウイルスとかが脳に行ったらどうしよう。あっ無いか。


「〈獣装顕現(ビースター)〉」


 アルゴは何やら毛皮を召喚、装着。読めたぞ着た動物の特性へ変換だな。これは猫型か、小さくしなやかな動きで敵を翻弄するのだろう。


「ぬん!」

「しっ!」


 試しに胸を狙い正拳突き。上から下に弾かれそのまま顔に。爪は出している、失明程度は覚悟って事か関係無いが。


 顔に大きく引っ掻き傷が出来る。何てことはない、染みだした粘性がすぐさま顔を修復する。


 一時的に騒然とした。何せ人間が見た目通りでなかったからだ。一般と貴族の一部が驚愕に染まるのは見ていて楽しい。


「本当に〈粘性体(ウーズ)〉か? 貴様」

「ではお見せしよう」


 〈粘性体〉形態へと移行する。視点が下がり、液体的な不快音が響く、久々に体の溶ける感覚を味わう。


 一般は俺を、貴族は王を見る。単純に初見で目が離せない民衆と、マジの化け物に嫁がせようとしている王に、真意を聞きたそうな感じか。

 見られている王は優雅にお茶を楽しんでいる。視線が集まってるのに気付き、『え? 試合見ようぜ』な顔の動きだ。

 王と王妃のすぐ後ろのシュアは、頬を赤らめている。この形態でもかなり遊んだからか、思い出してモジモジ。愛くるしい娘だ、俺が落とさねばな。


 恐らく初見の魔物に怯まず、果敢に攻めるアルゴ。しかし猫は相性が悪い、どう頑張っても火力が足りない。


 諦めて装備を切り換える。お次は梟の形相か。獣人の大半は身体強化だが、梟は知性…すなわち魔術方面がうまいと見た。


 拳を叩きつけるかのような動きの度に、さらりと羽を刺している。そして気付いて逃げる素振りを見せると、その先には羽を飛ばしてくる。


 そろそろか。ギアを変え、アルゴに飛び付く。顔を包んだ、このまま窒息を狙いたいがそうは行かない。アルゴが掴んだところから石化する。急いでアルゴから離れるが、体は固まっていく。


 準備していたのはこういう方面か。柔らかいなら固めて叩くべし。そして彼は叩くを実行しに、装備をゴリラへ換える。


『これが決まり手かぁあぁぁ?!』


 一応、実況のような事をするのか。要点でしか来ないだろうけど。


「単純だったな……無駄な遠回りをさせおって」


 もう勝った気でいらっしゃる。そうだな〈粘性体〉はこれで詰みなんだわ。


「ぉお! 〈剛猩(ブースター)〉!!」


 豪腕と化したアルゴの腕が、俺を粉砕……。


「ぐぁぁっ?!!」


 出来る訳ない。俺は〈日緋粘人(ドゥラムハーフウーズ)〉で体の硬質化も得意なんだ。アルゴの拳は割れたかな?まぁシュア程じゃなくても回復魔法はあるだろうし、大丈夫……骨の曲がりは別とかは止めてよね……。


「言ってなかったかもな、〈粘性体〉派生の俺は堅いぞ」

「……ふふっ。隠し玉はその程度か?」


 あっ、まだ隠してるんですね。見せたくてしょうがないんですね。よく分かりますよ、某乱闘でやってましたから。


「〈合獣装(キマイラティ)〉!!」


 あぁ、何て体を表す名前なのでしょう。きっとまだ見せてないけど、相性不利で出さなかったものまで、入れているのが容易に想像出来ます。

 そのせいで互換性がガタガタで実質、性能0.98倍。混ぜるという方面は合っても、実用化はまだ先。そんなもの隠し玉でいいの?確かにアレの隠しも、外したら自爆な接合が多いけど。


 そこには動物を混ぜた装いのアルゴがいた。頭は梟、腕はゴリラ、胴は……像? 猫の尻尾で腰か? 足は鳥だが翼はないから走る系……ダチョウとかか。


「どうだ!」


 無視だ。さてどう倒したものか……おちょくるか?いや一応決闘なんだしふざけるのは……いや術中にはめたように見せればいいか。


「おい!!?」

「あぁ、すまない。手を考えていてねっ!」


 《物体変化》の槍を飛ばす。ほぼ回避したように見えるが、ゴリラ化した腕に切り傷がある。俊敏性はいいものの、腕の大きさが駄目なタイプだ。日常からゴリラの腕で訓練し続ければ、いずれ肉が落ちて野生児がビビる突きを放てるはずだ。


[御年…]


 強さは訓練の賜物でなければ。俺は後付けだけど、原石があるって前世界より分かりやすいから、やる気の維持がしやすい。それに……手に入れたいものが出来れば人は変わる。前世界は手続きだ税だで鬱陶しい上に、巻き上げられた金の使い方は、本質的に必要な事をしない会議をする人の給料となるのだ。それがないと思えるこの世界__


__あぁ『平等さや自由からこそ、最も理不尽で独占が現れる』と言った前世界の哲学者は正しかった。過去の上層民への貢献度や正常な判断能力が合ったか否かで、通常人ではあり得ない判決を出すのも表れなのかもしれない。そういう話題は、ニュースでは取り上げられにくく、ネットではメジャーなのが余計に腹立たしく、悪しき根が蔓延っているのを学生に感じさせるのが非常に悪い。


『真に深刻なのは、専門家が公に問題として取り上げない事態とか物事。解決の方法がないか、実行不能だから言いたくない。言えば批判民どころか一般市民にまでボロクソで、仕事止めたり、不適切な人のレッテルを貼られたり、同業者又は伝が離れるからさ』


__と高校生を卒業する頃には、世界はそういうものと思いこんでいた。これで将来や世界に希望を持てる訳がなかった。自分が生まれる前からこんなものだっと歴史は語り、生まれてから露骨に見えるようになったと技術は語る。そんな世界に存在する自分への蔑みすら日常化していた__が__


 この世界は素晴らしい。俺がこんなアホな堂々巡り確定思考をしていても、戦闘行為はなされているのだから。


[体感4割]

(やっぱお前、他人の精神体だったか…名前は?)

[《内演算》です]


 アルゴの変身後、4割を削り尚も試合を続行させる匙加減。プロの手腕だな。俺だと2割減少程度で畳み掛けてしまいそうだ。


「はぁ…は……はぁぁ」


 アルゴ、俺が思考している間どんな動作していたか知らないけど、頑張った事は伝わる。

 傲慢だな。世界が変わっても人間(クズ)人間(クズ)か。


「負けたくねぇ!」


 全てをかなぐり捨てた体当たりか。しかしすまんな。


「?!」


 《座標詐称》を展開し誘導した俺は、横腹に一撃。まだ立てると踏んで、宙に浮かばせ更に背中側から乱打を浴びせる。


ズドン


 打撃で浮いていたアルゴが落ちる。起き上がらない事を見て、実況と衛生兵達が駆け寄ってくるので離れる。


[今は脈ありますね]

「目開けて気絶してるな…ゴミ入るから閉じさせたいな」

[あと多分、胃腸もヤバいね]

「ゲロで溺れ死なない事を祈るか……まぁ回復魔法でいいか」

[丸投げである]


 衛生兵が一応の生存確認をして、アルゴを運ぶ。


『勝者、ゼノム・ルマ=アウゴ!!』


 思ったより遥かに盛り上がっている。《内演算》のおかげだな。こんな精神でシュアとの結婚式へ直結するのは断りたいが。


 実況……進行に兵が駆け寄る。嫌な予感だ。


『え~レクス王が大変興味を示し、ゼノム・ルマ=アウゴと明日対戦のようです』


 極限に沸く会場。フットワークの軽く、対戦が喜ばれる王…王? ……おぅ。

 


 百獣の王に落ち着くまでに退場の[15:12]から一度睡眠を取り、本日のシュアを眺め終わり、知識供給中の[2:04]までかかるのだった。

メタ「すげぇよな、こんな風に繋げれるんだから」

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