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全天録  作者: AX-02
第一章 朝
42/261

確変の時こそ

俺「顔の事忘れてた」


《内演算》「それより時間帯が分からない方が」

《錬成》「それより立場の毎の描写が」

《座標詐称》「それよりあるべき反応が」

ガールズラブ「それより私の出番が」

 目が覚めると天使がいた。白毛童顔の犬系獣人が。しかも共寝状態スタートという急展開である。美少女系漫画のテンプレでもあるがこれはつらい。ケモミミストと診断された俺に……。

 

 ちらりと時間を確認する。[3:00]日の出は不明だが、少なくともあと三時間は耐久をせねばなるまい。手を出してはならない辛さ……しかしこれは、まだ性欲だけで済んでいる。吸血鬼の吸血行動は食事であり性交である。と聞いてから我慢してるシーンを見ると、彼らにこそ鋼の精神が相応しいと思うようになった。


(おい《内演算》)

[ただいま対応することが出来ません。ピーとなってから用件をお話し下さい]


 オートモードで逃れようとしたら拒否られた。どうすればいいんだ。この娘を起こさず、塔も起動させずにこの時間を過ごすには。

 

 [3:20]時間の流れが遅い。映像観賞に逃げようとするも。


「ぅん」


 寝言や寝息の音、寝返り、香りで集中不可。ゆったりと動き始めた右手を、左手で掴んで止める。

 しまった。むしろ抱き締めた形に近くなって焦る。手を離せば間違いなく、犯行に及ぶ。離さなくても美少女を拘束しているようになり、起動が促される。


 [4:45]一瞬だけ目が開いた。そのまま起きればよかったのに……。

 両手は、一線を越えないだけで制御不能。とてつもない遅さで撫で回している。寝相に合わせて体を動かして、寝やすいようにしてたりもする。

 こちらが覆い被さるようになった時は、一番理性が飛びかけた。そのタイミングで《内演算》が封を切った。再封印には成功したものの、欲求を加速させた原因になるだろう。



「ぐっ…!」


 [5:55]我慢のし過ぎか、魔力らしきものが溢れ出ているのに気付き体に戻す。だが出ていたのは……どうやら淫の形質だったようだ。色々と飛びそうになり、思わず声が漏れる。

 影響は俺だけでなく、この娘にも行っていたようで、鼓動と呼吸が大きくなっていた。

 暑さで目を覚ましてくれればよいのだが、寝つきが良すぎる。


 [6:41]最悪だ。外の様子を《内演算》が見ていたのか。


[昨日よりも猛吹雪で、こりゃ外いけまへんわ]


 と言われた。起きようが起きなかろうが、この部屋か洞窟内で二人きりという。俺が手を出す確率が10割を越えるイベントだ。

 まだ立場が未知な状態でそれは不味い。劣悪からがらがらならともかく、しっかりしていたので、聖女や姫君の可能性が著しく高いのだ。


[やっちゃえ~~やっちゃいなよ~~]


 悪魔の囁きが聞こえる。これに抗う術と精神は摩りきれた。


 服の隙間に手を……。


「………あっ……」


 少女が起きたようだ。急いで手を引き抜き、寝たふりをしてから。


「……うお!」


 今、初見のような反応をし、布団から飛び起きる。演技の心得は多少あるが……どうだ。

 少女は戸惑っているようだ。


「……えとー……ありがとうございました~」


 見た目通り、声の質も天使だった。

 そう言って部屋から出ようとする。しかし鍵が五つ程かかっており、手間取っている。超可愛い。


(よくやった)

[当然だ]


 《内演算》が後付けしてくれたのだろう。これ程嬉しいアシストはない。


「まぁまぁ。もっと居てもいいんだよ」


 自分で言っておきながら誘拐犯だなと思った。が無視されて彼女は外に出る。そして速攻で戻ってくる。


「うぅぅ……」

「もしかして吹雪かな? 出歩くのは危ないね」

「…皆、探してるだろうなぁ……」

「止んだら一緒に行こう。それまではここで」 


 皆。家庭以上のグループに所属していないと、そのような言葉は出ない。つまり北側は獣人の国であり、南側は隠す為の人間達なのだろう。明らかに神々の関与が疑われる。


「ねぇ。名前は?」


 身長差からか上目遣いで言われる。凶行に走らなかったのが奇跡だ。


「俺はゼノム・ルマ=アウゴ。ゼノムって」

「じゃあ、ゼルって呼ぶね」


 呼称は適当でかまわない。むしろ女性に付けられたものこそ至福。


「私はシュア。シュア・ラ・フィエータ!」

「よろしく。シュア」


 元気を振り撒くような自己紹介。能力を使いこみ始めた時並みに、感動と感謝をした。

日帰り島に顔は書くか

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