今の僕には理解できない
チートやガールズラブまでは遠い……
巨大ムカデの死骸を前に、能力等を調べ終えた俺は、次の方法を試す。
(物を触って……イメージを固めて……)
これまでの調べ方は自身のみの方法であり、生え外套以外は物に触れていない。………気にしないでいたが全裸でもあった。
読んでいた作品の多くは、魔法や異能の扱い方の初歩としてイメージを固める事が教えられていた。スポーツや会場つくりにも通じ、求められる。
要するにしたい事は明確にすべきということだ。
外殻に触れると金属のような感触がした。それから想像するのは、太股まで覆う鉄の靴。すると何かを手先に纏う気がし。外殻が曲がり始めた。
「よっしっ」
気分が回復してきたのだろうか、テンションが上がり声が漏れる。
今、自分が何か現実離れした事をしている。夢を叶えている。そんな実感が沸いた。
形を整え鉄靴が出来た。早速、装備をしてみる。
「大きかったか~」
サイズを間違え装飾もないが満足感に包まれる。履いたまま鉄靴に触れ、修正をしようと意識する。
7度の修正を終え、次に肘までの籠手を作ろうと別の外殻に触れる。さっきと同じようにして完成。今度は一発成功のようだ。
「これだよ……これを着たかった…」
俺は静かに感動し震えていた。とあるゲームでの見た目として、最強と思っていた装備の仕方を実際にしいてる。飾り気は全くないがそれでも。
「たまらん」
実用性はフルアーマーに比べれば全然ないが、足元と出した腕は守れそうだ。
「……フフフ」
何かを感知しほくそ笑む。なんて都合よく来るのだろう。さぁ打ち砕かれるがいい。そんな事を思い、感知の方向を見る。
ブブブブブブ
と音がする。今度は飛行しているようだ。高く飛ばれていると厄介だろうが、遠距離攻撃がなければ低空になったところを握り潰して、トドメとする。そんなプランを立てていたが……。
(あっ、速い)
音により移動速度を大体察した。人間では対処が無理だろうと。先制攻撃しかないだろうと。そしてそれは来た。
二匹の見覚えのありそうな虫だった。見えた瞬間に飛び掛かり。
ザシュッザシュ
「は?」
外套が刃となり二匹を縦に両断。虫が地に落ちたのと同時に刃は外套になり背に戻る。
「……」
俺は黙り硬直する。今のが全く意識せずに起きた現象だったからだ。思考が出来ずに時が経つ。
20秒程してから思考が始まる。
(完全に自動で発動したなこれ。手動でも行けるか?)
物は試しと拳を突きながら、外套へ指令を出す。
ジャキン
槍の形状で突きを放ち戻った。
(戻れとはいってないんだけどなぁ……やはり異能。よく分からん)




