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全天録  作者: AX-02
第一章 朝
29/261

まさに赤

上手く書ける方法

1.まず投稿直前まで書きます

2.保存やコピーを取らず削除、アプリを落とします

3.書き直しです


《内演算》[賽の河原のような何か]

《座標詐称》「つまりこの回は深夜にやらかし、明日の事を考え寝ることにした回と」

 謎の集団とは別のルートで進んでいると、それなりのでかさと濁りの川を見つけた。デュラムを入れても何処にいるか分からない。

 水質は十分に良く。


『海より調子がいいです』


 元気な笑顔で言っているのだろう。顔が見えていたとしても変化が分からないけど。


 普通に狩りをしながら進む。途中で。


[名前付けたら獣耳美少女、創れね?]


 と《内演算》が発想のいいものを提案してくるが。それは駄目だと断った。理由は一つだ。


(天然物を俺は欲する)


 ただそれだけだ。生物種なんだから自然に出来たものの方が良いに決まっている。


[明らかに人の業が見えるんですがそれは……]


 気のせいだ。それで業というのなら、それを可能にした神こそ該当するべき存在なのだ。人はその次の次であり筆頭ではない。筆頭でないだけだが。


 森を抜けた。それは人が手を入れている証拠だ。幸いデュラムはまだ川に隠れていられるから良い。しかし俺は顔をまた変えなければならない。

 周りに人がいないことを確認し、木陰に入る。次はどんな整形になるのか、考えながら待つ。

 

 暇潰しに現在時刻を見る。[11:21]それだけでいいのに、地図をバックに表示。しかもただの表示ではない。出発点と現在地の距離も出る。人外である事を深く認識させたいようだ。謎でしかない。

 

 終わったらしいので、川へ見に行く。視界に入った瞬間、水を叩く。何故この顔にしたのか詳しく聞きたいものだ。


[ほら、これまで犯罪者じゃなかったじゃん?]


 なんという言い訳だろう。これでは戦時中や警戒体制でなくとも、不審者や不敬罪として憲兵に連れられる。そんなレベルのブサ男が生成されていた。


「………何を読まれてらっしゃるのやら………」


 デュラムが絶句気味の感想を述べる。そうなるよな……分かるぞ。




 また西を目指し進む。しかしなんという長さと深さの川だろう。デュラムが居るのに行き交う船は、気付く様子がない。

 船を眺めていると、少し大きな船から人が投げられた。死体とかではなかったのか、泳いでこちらに来る。

 一直線に着いてから走ればいいのに。何を狙っているのだろう。


「くっそ……最下位か……大体なんで魔法系に腕相撲なんか……」


 川から上がっての一言から内部であった事を察する。多分、上司が酔った上で、開催した腕相撲大会に強制参加。そしてボロ負けの罰ゲームとして『ここから徒歩な。男で帝国騎士だし余裕だろ』と投げられたのだろう。


「うぅふ寒い。おい、そこの。外套を貰うぞ」

「すいません」


 その気はないし取れないんですよ。なので一言、謝って過ぎ去ろうとすると。


「おいおい。俺が何なのか分かってんのか? おい?」


 めっちゃ絡んでくる。相手が分かってたとしも、無視る場合を考えていないようだ。で、そういう奴は。


「俺はハスト・ブレイ帝国騎士だぞ? ゴミの冒険者じゃないんだぞ?分かったらさっさと寄越せ」


 まぁそうなるだろうな。しかし感謝はする。国の名前と何制か教えてくれてありがとう。絶対口には出さないけど。 

 それと冒険者がゴミ?嘘だろ?少なくとも〈天烈〉の方々なら今、浮上中のデュラムに気付くはずだ。一応、来なくていいと〈念話〉を飛ばす。

 

「黙ってねぇで寄越せ!! ゴミ顔面!!」


 俺じゃなかったらお前今頃、百八分割か悪霊に殴られてるぞ。人の顔を気にする奴の方が、総じてゴミだからな。


[やけに底辺センサーが敏感ですね。現行犯ですか?]

(やめてくれ、死んでしまうぞ)

[…………ホトトギス]


 人を苛つかせながら俳句を詠んでいた。何を言っているのか俺でもよく分からない。言える事は。


「………どうやら死にたいらしいな」


 相手の我慢の限界が来たようだ。無視られて歩かされたからキレる。反応としては一般的だ。

 相手の腕にオーラが見える。妄想脳からすると素人にカテゴライズ。何せ色が付いてるからね。色から察するに、自然物利用の攻撃だろう。


「………?! 何故倒れない!」


 嘘だろ?! そんな表情こっちがしたいわ。ダメージになっていないとはいえ、こうげきのしょうたいがつかめない! は不味い……。同じ系統の上位版が来ても、気づけないという事だ。


[あー酸素濃度が弄られてますね]


 うちの情報科が早速見つけた。成る程………ん? なんで酸素濃度だけ弄れるんだ? 軍か研究員に、現代からの転生者がいないと成り立たないぞ。これはちょっと事情聴取しないと、駄目ですね。


「攻撃していいのは反撃を考えてる奴だけだ」


 そう言いながら、背中を押さえて腹に拳をお見舞いする。可哀想に…気絶出来ない中、質問に答えなければならないからだ。


「さて先ほどの風魔法だが……全員使えるのか?」

「ゴフッ……誰が…」

「勝者が敗者に問い出しているんだから、答えろよ。それとも帝国は勝敗すら分からない馬鹿を、兵や騎士として扱うのか? 違うだろ?」


 相手は唇を噛んだ。

 悔しいのぅ、悔しいのぅ。と煽りたかったが流石に止めた。ゲームのチャットの気分で、言葉を発してはならない。


「……………魔法系ならほぼ全員、使えるぞ。」

「その訓練はいつからあった?」

「俺が入る前からはあった」


 それなりに有益な情報を得た。うろ覚えで、感謝の回復魔法をかけておく。


「一番近い都市を教えてくれ」

「…ぇ? …………ここから西南に行けばある……知らねぇってやべぇ……」


 僅かな呟きは聞き逃さない。言及はしないが、怒気か殺気を流した。首が神速で伸びたので伝わったと思う。

 



 別れの挨拶をして西南に向かった。そろそろデュラムの色が見え始めたので、藻に紛れさせて対策を考える。俺は出なかったが。


[《魔物使い(テイマー)》があるなら《召喚士(サモナー)》あるやろ]


 と呆れ《内演算》が案を出した。ファンタジー推察脳になりきれていないのを恥じて、顔が熱くなる。10歳と超絶美形主人公と手袋・靴下教教祖を、見直そうと思った。


 熱さの引かぬ内にデュラムと契約を結ぼうとする。人がいないのを確認して。


「デュラム。お前と召喚契約をしようと思う」

「はっ! 喜んで! 何時であろうと主の呼びに応じ、主の障害を砕破せん。違える事あらば、我が魂魄とこの身を捧げたり!」

「んっ! ……………等価に召喚の安穏と絶大なる威を授く。違えたらば、我が名と(たま)を与えたり」

「「〈召喚契約〉」」


 打ち切りレベルで成立した。文言を即興で考えたが、契約違反の部分が互いにハイレベル……魂が安い。


「………っ。…このような待機空間を……感謝の極み」


 される側になるか解説されないと分からないが、アットホームなのだろう。とりあえず自信満々に。


「当然だ。だがそのままと思うな?」


 と不確定な未来を確定のように仄めかす。《内演算》が詐欺師のレッテルを貼りに来る中、デュラムが待機空間へ行き姿を消す。細かく調べられない限りは大丈夫だろう。





 幾度の勝負を終えて、血の気の多さは間違いないと断言出来るようになった。全員怖い奴だった。即死効果、-140℃、気化殴り、脱水……対策済みのような人が多かった。しかしこの列に並んでからはなくなった。

 綺麗に並んでいるので飽きが来る。なので目を良くして眺めようと思う。まずは看板を。


[帝都 ハス・テウス 正門]


 ………そりゃ知らないのはないわ。

俺「そうだ!小出しにすれば継続するんだ!」


言語の壁「これは地雷」

物理法則「控えめに言って吐瀉物」

非メタ「禁忌に触れたな」

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