かかったな(キリッ
深夜テンション
「いだぁ"あぁぁぁぁぁぁ!!」
心からの絶叫。尋常ではない痛みが迸る。痛みから逃れる為に暴れ始め。
ビチビチブッ
拘束が解けた。しかし逃走を始める余裕なく、のたうち回るしかなかった。
「あ"ぁぁぁ"ぁ"ぁぁあ"ぁ"ぁ"ぁ!!」
本当に痛い。ショック死してもおかしくないくらいだ。押さえつけられてなかったら、歯にフッ酸より跳んだのではないだろうか。
「ぬんっ!」
追撃を避けるように転がり続ける。地面に大剣が入るのが見える。まだ二本足で立てない。
「〈木腕〉」
またも木の根が襲い掛かる。流石にくらいたくないので。
(《内演算》!! 頼む!)
[ダメコン………よりは優先すべきか]
精神的に狙いが定まる訳がない俺は、《内演算》に対処を任せた。外套がソーローラーとなり切り裂いた。
引いてきたが、未だに痛い。斬られたらこんなのが走るのか、絶えないのがおかしいくらいだ。
傷口を確認しようと、手を回す。
「?!」
ブツが消えた時と同等の衝撃が来る。綺麗に割れていた。それはもうパックリ。
余りの出来事に、寝姿勢のまま動きが止まってしまう。時間は3秒程度だろうが、プロがそれを逃す事はない。
「〈氷拘〉」
「〈氷柩〉」
足が凍りついた上で、全身を越える氷塊に閉じ込められ、外の情報が遮断される。《空間覇握》も効かなくなった。
痛みがかなり引いた。凍結効果のありがたみを深く感じ、焦りつつ次の手を予測する。
(彼らならばこれで封印なんて事はせず、撃破に来るのは間違いない。その手段はどうなる? ……昇華…冷凍粉砕……)
[考える前に出ような?]
火を手に出そうとするが、点かない。氷に閉じ込められたら火なんて出ないか。
次の手は体活性だ。気と火を自らに入れ込むことで、寒さに耐性を付けれる。という漫画技能を実行する。少ししか溶けなかった。
(あーヤベーこれバフの時間ですわー。笛吹いて、薬飲んで、種食べて、爆弾置いてますわー)
かなりの時間がかかった。45秒は経過。致命傷以上が確実に待っている。トラップのような物も十分に置けるだろう。
予測は正しく、とてつもない存在を感じる。
冷凍粉砕の為に、バフ盛りマッチョが防御を考えない姿勢で溜めているか、昇華の為に陽を顕現させたのだろう。陽顕現だと、酸素が足りない! なんて事になりかねない。
衰弱してる要救助者たちを考えているのだろうか。今後の俺による被害予測は、半端じゃないだろうし、仕方ない犠牲とも見れるが……気分が悪い。
体や硬化外套を氷に押し付け、摩擦熱と削りをし、出来た空間に火を灯すも、分厚い氷が厚い氷になっただけだった。音のみが伝わる。
「おぉぉ〈竜断〉!!」
大業な名を付けられた技能が振られたようだ。
氷がバターのように切り取られゆく。見えているのだが避ける幅がない。
また? しかも次はマジな方の断腸? そんな痛みは
([お断りだ])
そう思って俺は粘性体形態となる。
前回との違いは、見た目が一切変化しなかった所だ。内臓、骨が溶ける感覚があっても、皮膚まで溶けてない。
凪ぎ払われる剣が、左腕に当たるが抜けて胴、右腕も通過していった。痛くなくてよかった。
氷がずり落ち、上半身と下半身が分かれる。そしてテンションが上がる。
(これがデュラハン、オートマタの気持ちか…)
[どっちにも感情なさそうなんですが]
どうやら《内演算》は分かってないようだ。生き残れたら、人の消えていった世界の機械達の物語を見せよう。今の俺ならラストシューティングを、完全ソロでいける気がする。後があれば、動画でしか楽しめていないゲームをプレイ出来るようにしよう。
「終わってねぇ! 斬った感触が悪すぎる!」
「馬鹿な……」
「斬撃が通りにくいなら〈水粘体〉だ。火で攻め……」
「待て待て。救護必要者の移動が出来ていない」
「細かく処理……どのみち粉々にしてあげる……」
惜しいなぁ粘性体なんだ俺。あんなにプルプルしてないし。そう考えながら、分かれた体を接着する。
細かく処理ということは、細かく凍らせに来るのが予想。切り刻む必要も出るから、風の付与もあり得る。ファンタジー式の戦法の理解が深いのだよ! 転生者は!
[名前変えて前世のままではない体……転生だな]
《内演算》が納得してる中、戦闘が再開された。
外套をビッグシールドにして防戦。殺す気がないなら当然のことだ。
予想通りに温度が下がり、相手の切れ味が上昇された。
血(?)が斬撃等で飛ばされ、凍り付く。再生に使わせないのは、半固形と戦う時の基本だが。粘性体形態から、粘人に戻っている。
見た目の変化なしで、ステータスが変動する……なんて不親切なDMMORPGなんだ。
「核を探せ!」
そう言えば、そういうものだったよな半固形魔物。俺も探してみるか…………………………あえ?ない?
それズルくないですか? な状態になっている。鎧がないので、シールドを越えられたら体に入るが……痛! ……くない?
いつの間にやら痛覚遮断の技能を覚えたようだ。粘性体形態の応用で神経だけ溶かしたのか?
[魔力回路だけになっております]
それが一番効率的だろう…あ…人要素、消えてる…。
状況は動かない。
回復役職な人達は離れて、巣に連れ込まれてた彼女達を看ている。戦闘員も怪我は軽いもので、全て転けて付いたものだ。動かないなら、多少無理して動かしたくなるものだが、スキル補完がえげつない俺は鉄壁。
結果として互いに攻め手がないのだ。となれば、やる事は私的に一つしかない。
ビッグシールドを地面に刺し。
「そう言えば発見が、ずいぶん早いじゃないか。何か使ったか?」
お話しだ。出来れば異世界の技能や技術を、現場の最前にいる方からも、聞きたいからだ。
彼らは黙り込むが動作もなくなる。迷っているのだろう、倒す見込みや善性を考えて。
………悪質な部分が今さっきあったから、善性の自信ないけど。
「位置を知らせる石があってね?それを君に付けてたんだ」
「ほぅ。それは自作の?」
「買い物だよ」
「いいなぁ……ギルドにも登録出来ないし、長居も出来ないからさぁ……買い物なんて……」
「魔物に生まれた不運だね。しかも重要なものに入ったんだ。野生だったら捕獲して使ってあげれたけど」
「つまり〈魔物使い〉があるってことか?! したい!」
互いに情報を出す。チームの頭脳感。しかし館で見たものしか出なかったけど、仕方ないね。それよりも。
(《内演算》? お前気付いてただろ?なんか付着したって)
[シラン]
(花じゃねぇか! 答える気ないならそう言え!?)
こいつ……何を狙ってやがる。スキルが敵か味方か考えている間に問いかけられる。
「名前聞いてなかったね」
自己紹介の場の提供ありがとうございます。
名前がキーの魔法もあるだろうけど、エルフじゃないし、名付けパワーアップがあるんだから大丈夫。口約束の拘束なんて端ものよ。
「ゼノム・ルマ=アウゴだ」
「そう……あるんだ……」
彼は一度下を見て考える素振りをする。
考えがまとまったように顔を上げ。
「見逃せないね!」
瞬間、俺に斬撃が入る。予想通りに隠蔽接近されたので、こちらも予定通り……
地下に逃げます。
《内演算》[いやー使われる回数多くてwww過労死くるかなーこれww]
《物体変化》「分かる~使いっぱしりだおwwww」
《自動攻渉》「実質オートであることに後で気付いたらしい」
《座標詐称》「俺……輝ける原石って思ってるんだ…」
《錬成》「また作ってくれないかな……装備」
《空間覇握》(調整されて使われてる前提の俺は、クールに黙るぜ)




