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全天録  作者: AX-02
第二章 昼
133/261

まだなのか……

 これは本当に人工衛星なのだろうか。目の前にある物体は自分の定義から外れた存在のようだ。


「おいゼノム、説明しろ」

『五つの回廊の正面は自動防衛システムが働かない、各々の奥にある制御基を破壊した後、砲身から内部へ侵入し心臓部を』

「ミッションではない。これ自体の説明だ」

『………俺らが来る15年前に製造、発射された人工衛星〈リー〉。各国が協力して造った愛称〈ライク〉……兵器転用を可能にされていた哀れなものだ』

「OK、何でこのサイズなんだ?」

『………因果の逆転か…? いや政治的な何かが……しかし……』


 因果の逆転は流石に無いだろうが……不明のようだ。分かったとしても落とすのだが、裏設定及び秘話好きが騒いでしまった。


「分からないならいいさ。後は俺しか突入しない意味だが」

『この物語の主人公はお前だ。人外では駄目なのだ』


 サイフィと愉快な仲間にしたいようだ。恐らく撃墜スコアを多めに報告されているだろう。自分の手柄を他人に擦り付け、昇進を遅らせたい爆撃王のようにゼノムは嘘を吐いている。

 嘘について天使はどうなのかと思ったが、神の敵な上に創ったモノですらないそうなので、問題がないと考え直した。


『〈ゼノ2.エンゲージ〉!』

『〈ゼノ3.エンゲージ〉』


 飛んでいる機体は三……必然的に俺が1なのか。確か隊長機だったよな………何て進まされ方なんだろうか。

 そもそも俺がやる事が勝利条件となる処から怪しい。


「ゼノ1.エンゲージ!!」


 だが今はそれを信じて落とすしかない。帰る為に叡智と愚劣の塊を一つ、この海の上で。



 敵軍も自軍も戦力一斉投入のような戦況だ。視界には常に白と赤と黒がある。一瞬では判別不可能なくらいの激しさ。


「ッ! 上か!」


 何かが油断や隙となり上を取られる。急旋回は間に合いそうに……。


『死なれちゃ困るぜ』


 爆発の光とともにゼノムからの通信が入る。救援が間に合ったようだ。


『俺にとっては護衛ミッションなんだ。まっ頑張れよ』

「お前本当に自己中心的だな」

『世界があるから我があるか、我があるから世界があるか。どっちとも言えるだろ? なら自分の好きな様にするさ』


 宇宙や星、法がなければ今の自分は有り得ないし、考えなければ知らなければどれもこれも無いも同然。どちらも正しく、俺はそれから選択したに過ぎない。

 

 彼はそう言って戦闘機へ急降下爆撃をしに行った。操縦していたのは白ワンコだった事を思い出し、気分が悪くなる。


 考える脳を振り切り〈リー〉内部に突入した。針の穴に糸を通す作業の難度を上げたものを要求される。とある学本で言えば『北極星のミジンコを射て』だろうか、そんなスレスレを通る。

 筒状のコンテナを破壊し、開いたハッチから上へと出る。敵の待ち伏せはなく安心して次の場へ向かう。


 正面以外から接近してしまったのでシステムが作動。飛び立つのはドローン。

 こういった戦場における、当たり判定理論の極限を目の当たりにした。


「当たらねぇ!」

『下の下よのぅ』


 蜂に追われる時のような気持ちになって、カウンターを続けていたら堕天使に煽られた。未確認でもヒットしていないと分かった上に、明らかに乗っている物の性能が違う事に怒りを覚え。


「貴様なら出来ると言うのだな駄天使!」


 そう怒鳴りつけた。一瞬だけ世界が白と黒だけになった気がしたら、乗っている物が変わっていた。


『不甲斐な主に見せ付けようぞ〈02(ドン)〉よ』


 魔導による搭乗員交換が行われ、堕天使が〈XAX-02〉を駆る。枝下桜のように対地爆弾を散らし、その隙間をレーザーが貫く。置かれた光にドローンが当たり落ちてゆく。


『あの様に墜とすのだぞ』


 ほぼ瞬間的なもので情報収集の余裕がなかったとは言えず。


「分かったよ……差が…」


 と答え、二度と発進させないようにと誓った。

 同じ回廊に再挑戦し、同じように潰して回り後一つのところだったが。


 目の前を絶望が通った。敵機とのドッグファイト中にとんぼ返りをしたゼノムである。

 ドローンが射出され俺が狙われる。ミッションでWarningを流しまくるような、最高効率の限界が脳裏に顕れた。


 ミサイルや爆撃をほぼ使い切り突入、破壊したが次はそうはいきそうにない。


「おいゼノム! 心臓部だから硬いよなぁ! 機銃しかないんだけど?!」

『Fox4が残っているはずだよね?』


 応答は天使のワンコだったが言っていることが、悪魔である。ぶつかるしかないに対して『関係ない。行け』と言っているのだ。いや追加で、イジェクトすれば開いたハッチから出れるとか言われても嫌だよ。


 しかし実行せねばなるまい、落とさねばお家に帰れないのだから。


 決心して太い光線を撃ったばかりの砲に突入。再発射までの十数秒で片を付けたい。

 

 精神が何かを越えた気にがする。イジェクトボタンのラグさえ読んでいる自分を感じる。震える指にさえ動じない。


「いだ!」


 ボタンを押し飛び上がりつつ、機体を確認。間違いなく当たる角度だ。爆風に煽られ俺は更に高度が上がる。


 死を覚悟したが魂の変化を察知した。恐らく魔法解禁だろう。早速、風を起こし緩和する。


 海に沈む兵器を眺めていると、ゼノムが〈XAX-03(シエル)〉を取り出し追従した。


「心配するな。勝利は確定しておる」

「大丈夫、ゼルは強いんだから」


 むしろまだ続きがある事の方が驚きである。


 


 おおよそ100秒後、水の柱がかなり遠い位置で立った。柱からはただの船の出力しかなくなった〈XAX-03〉とその首に胡座をかいたゼノムが現れた。

あぁ、もう!

竜狩りリスタートに悪魔狩りに乱闘に執筆……

したい事が多いんだよ!

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