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全天録  作者: AX-02
第二章 昼
130/261

凶剛

僅かな時間を見つけて書き込むんだぉ


追記:またまた出ました謎回。飛ばしてどうぞ

 正座でオールナイトという修行を終えた俺は、早朝に格納庫に機体整備をしに行く。

 《内対(ククラ)》の管理する収納空間から取り出し、彼女が整備するので俺が起きる必要はない。もっと言えば〈XAX-01(セイメイ)〉はルシュフェルによる調整がされているので、下手に触れないもの。


 しかし目が常に覚めており、他人に働かせておいて自分はサボるというのは嫌。それでは訓練かと思えば戦時中なので無理。と言うわけで。


[ゼノ、ただ突っ立っているだけ!!]


 と言われようが眺める事に徹する。

 〈XAX-03(シエル)〉の終盤で他が起床してくる。


「ごはん?」

「何故、用意していない?」

「起きてたんだよなぁ?」


 戦場の癒しの一つを忘れていたのは悪い。特に朝の一発がガタガタであれば、その後の一日が駄目になる場合もある。だがペナルティを受けている者に、一般を求めるのはおかしいのではないだろうか。


「クゥーン」


 露骨に首輪を見せながらシュアが鳴く。妻として扱って欲しい時と、犬として扱って欲しい時を使い分けやがって、最高かよ。


 飼い主としての責務を果たす為に、自分の機体を放置し食事を作る。無論、煙や湯気さえ見せないように囲った上でだ。

 長時間の戦闘が続く可能性があるので、腹持ちの良いものを食べさせる必要がある。サイフィの視界がイエローアウトするかもしれないが、そこは烏のように我慢してもらいたい。


カタカタカタカタ


 催促が凄く微笑ましいです。窓と犬と鳥でこんな風に。


(……サイフィを消して)

[はいよー]


 何を曲解したのかサイフィが強制的に潜行される。しかも覗けないように180°の回転を加えられた。

 本格的に俺は悪くないと思う。


 出来たのは芋煮とライスとサラダ。シンプルに貯まり、微妙に栄養バランスを考えた結果の料理である。


「肉タレ中辛お願い」

「酒を出せ」

「ライス大盛お代わり」


 追加注文にも対応し、おおよそ10分は遅れて俺が食べ始めた。旨味がある、それ以外は感想のない味わいだ。星は押されるが感想を書かれない平均3.4の料理だな。


「遅い!」


 待ってルシュフェル。対応していたら当然の遅れなのですよ? そう申されましてもね、シュアの機体の内部でしか食べれないじゃないですか。


 急かされたので戦闘機に乗りエンジンをかける。敵陣に近くなったのでサイフィを先頭にV字に並ぶ。


 戦争は始めるのも終わらせるのも人、そうでなければこの戦いは終われないような気がする。直感的に相手の望む展開が分かってしまう、いや逆に見透かされて仕向けられている? 考えてもここは仕方ない、サイフィが戦争的においしい所を持って行き、俺らは補佐。そういうものの流れ以外は腑に落ちないのだから。


『…どうして戦争になったのか、もう一度聞きたい』


 サイフィが質問を飛ばす。《内対》の追加情報がないので俺が覚えている分で話すと。


『成長による増長からの同調よ。よくあっただろ? それに邪悪な意思が乗れば』

『ワンマン方式に転換をよくするあれか……』


 もっと色々な物が交錯した結果だろうが、本当に元凶と言える部分が何処かと問われればその三点。

 戦争は全てミスにより起こるもので、立場がある者が増長し、それに同調する者がいた。つまりは謙虚であれば大きく出ず、ストッパーがあれば止まったものである。星間戦争も税滞納と誤転送さえなければ起きる事はなかった。注意や捜査が入ればどれも防げたはずのものだが、やはり人間と言ったところか、危険を冒すという快楽や惰性が顕れてしまう。


『何処も大事の要因は変わらないか…』

『そういうことだ。他には情報の解釈なり』

[大編隊………入れ食いボーナス発生だ]


 会話は敵機の確認により中断される。大して重要ではないことだから問題ない。敵に新兵器はあるのかな?


[マンタみたいな見た目のがあんな。下手すると流星斬りで]


 あいつがその映画を見た事があるのだろうか……超低確率であり得るとしてやるのは誰になる? メインはサイフィとして…ルシュフェルか………羨ましい気がしてくる。彼女が『合わせる』のだ。


 肉眼で見えて来た。プロペラが付いていないので斬る確率が高まったがそうであって欲しくない。



 〈XAX-02(ドン)〉が乱射を始める。見極めの為には仕方ないが、コスモガンではないことを忘れていないか心配である。それに敵はどう対応するのか。


 瞬間的な機器不良が発生した。全機落ちかけるが持ち直し爆発を避ける。


『魔法が使えないからってそんなズルを!?』


 完全に同意である。これで更にカチカチだったら切れる。帰還して空対空爆撃想定の機体に変えて来てやる。


[その改造やるの私なんだが]

(俺の生=お前の生。生=活動。お前の活動=俺の活動。OK?)

[誰かこの剛の理論止めてくれ]


 そうとでも思っていなければ万能主人公デウス・エクス・マキナ物語の主人公以外と同意義だと、俺が断定してしまう。俺の人生というものなのに、他人の思惑と思い込む入り口に戻るのは勘弁していただきたい。


『おい機体解析はまだか?!』

『早くしろ。退屈で元皇帝を落としそうだ』

『マジで急げ! 俺がヤバい!!』


 クソッ。サイフィとルシュフェルが仲良しになってやがる。これは阻止に向かわねばなるまい。


「シュア、悪いがしばらく機体処理が落ちる。相手を調べないと勝てそうにないからな。頑張ってくれ」

「甘く見てない? この〈時〉と〈水〉を司る〈熾天使(セラフ)〉を」

「俺にとって不測の事態だからな。言ってみただけだ」


 しかしシュアに負担をかけるのは嫌なので、やはり《内対》を急かすべきだな。

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