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全天録  作者: AX-02
第二章 昼
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夜襲(二重)

 突如としての奇襲に俺は目を覚ました。何も考えてない転がりで凶刃を避け、剣を手に取る。


 相手は五人……いや一人抜けて四人だ。それでも危機なのは変わりない。刀身に現れるはずの輝きが出てこない事から、魔法的な技能はほぼ全滅と思って良いだろう。


 銃を相手に普通の剣で立ち向かう無謀さを感じ、剣を強く握る。刹那、静かに踏み込んだ。


ボボン


 何も感じず剣を振るい全員を一閃に伏せた。手足胴頭全てに痛みも脱力もない。生きていて欲しいと思いつつ、銃を奪い部屋を出た。

 ゼノムの部屋までおおよそ200m。その間は凍るような漆黒を進む必要がある。不意な光源やちらつきがうざったい、それで音を立てては行けないという辛い状況……機体四つで制圧より難度の高いものがあろうとは。


 ガラスが割れる音が前方より聞こえた。突入部隊の本格化だろう、急な明かりによる目潰しを警戒せねばなるまい。

 剣を正面に構え歩く。いざとなれば投げる覚悟を決めて。


 外からの明かりを天井を使い避ける。外から一瞬でも見えたらスナイプが飛んで来るのは、容易な思考。攻撃性ドローンの挟撃さえあり得るのだから、恐ろしいものである。

 猫のように降り立ち更に進む。


 遠く思える銃撃。当たってもない心臓に衝撃が走る。恐らくここで〈夢魔(サキュバス)〉の襲撃に遭えば、為す術なく尽きると思える程の感覚の鋭敏化がされている。


 暗視ゴーグルが欲しい……前の世界より重く願うがないものはない。作れそうな彼は精神上、遥か先の位置。

 戦争なのだから兵器だけでない、と簡単な事を思い浮かばなかった自分を責めながら、足は止めない。雪山遭難と同じ気持ちだ。


 窓の下を張り付くように進み、一時間並みの心理負担を抱え。


「…ぅわ…」


 血の臭いが立ち込める空間に入った。死体の山が出来ている……つまりはゼノムも交戦したと。


「これまでのようだな」

「ぐぅ……」


 ゼノムが何者かに追い詰められているらしい。雑な扱いを受けた事もあるが、彼を失うのは非常に不利益になる。元から凶暴性を秘めた混翼と狂暴化した白翼、下手をすれば〈世界機構侵入者(ワールドクラッカー)〉となった精神体の三体が放出されるのだ。いくつ星が死ぬか考えたくもない。


「こっちだよ!」


 声を張り意識を向かせようとする。こちらを視界に入れようと歩いた音を頼りに、剣を投げた。

 回避行動による転がる音。添うかのように銃を撃ち。


「ぅご……」


 仕留めた瞬間に魔力が溢れる。どうにか抑え込み〈大解放(パンデライズ)〉に至らせなかった。


「大丈………夫じゃないな……うん」


 ゼノム達に声をかけようとしたが、尻込みしてしまう。というよりこれは俺の入る余地がないものだ。


「流石にこれは……」

「信じてたのに…」

「ハイ……………すいませんでした………」


 天使二人に、ゼノムは服を隣にし土下座をしていた。辺りには羽の散らばりも見えた。


「守る為の頑張りは認めよう。実際、その手を使わなければ余やシュアの目覚めは無いのだから」

「だけど……非道だよ!」


 見れば彼女らの服も『手で破いた』かのような跡がある。大体を把握した俺は静かに頷く。


「もう二度としません。魔法封印および無効空間……いや……無効宇宙であろうと、全てを圧殺出来る位にこの身を鍛えます!」

「相応しい罰として貴様の色彩を奪う。良いな?」

「はっ!」


 中々の辛い罰を受けるようだ。しばらく彼から色の具体例や概念が抜け落ちる……今後の戦略的に影響が強く出るだろう。とはいえ彼の中の存在による補助でどうとでもなるか。若しくは戦闘時には無くすか。


「夜は独り身で寝てね?」

「寒いなぁ……抱き枕は?」

「痛覚ありで鉄製棘付きなら許そう。棘の間隔は拳一つ分は空けてな」


 更に夜遊びにも制限のようである。ほぼ性欲の塊な彼には地獄のようなものであろう。いや待てよ。


「エネルギーを溜め込んだら不味いのでは?」

「そうであったなぁ……」

「良い案………ん~……」


 ゼノムの溢れんばかりの魔力生産量。それの安定放出を禁じるということは何処かに溜まるのだ。そして溜まると放出時には濁流……天の水門と差し支えないものになる。

 星で済めばいいが、実力からすると銀河がヤバいのでは? と思えるのもあるのだ。


(虚しくソロは溜まるし…内側の人に投げても負担が…戦闘にしても)


 全てにおいて誰何に鬱憤、負担、負荷がかかる。しかも戦闘は現在、銃器や兵器を扱うもので魔法戦闘ではないので、解消たりえない。


「…………仕方ない、余が〈吸極(エクスタ)〉をし続けよう」

「どうやって吸うの?」

「見るか?」


 粘り気の強い音と共に、ルシュフェルの背後より触手が現れた。

 液体を搾り取る形をしている。ゼノムは歓喜に土下座のまま震えていた。罰と彼の快感を比べると非常に不釣り合いなものになってしまう。


「さて、相手が次の戦力を整えるのを待つか…」

「すぐに発つべきだ」


 四人しか居ない行動、だからこそ読もうにも読めない部分もある。しかし現在は捕捉されているから、逆手が浮かばない限りはゼノムが言ったように動くべき。


「当ては?」

「少し待て」


 ゼノムが結界を張り青い焔で覆った。盗聴対策と言ったところか。


「補給基地がある」

「拠点を移すの?」

「いや? 一旦の補給ついでの制圧だ。満タンにしたら燃料と兵器は処分する」


 滑走路はそのままであるから、完全に基地として使えなくする気はないらしい。敵の事しか頭になく自陣が使いたい時に使えない、何て事を防ぐためだ。勿論、敵も使えるのを忘れてはならないが。


「大倉庫だけは爆破しろ」

「了解…………そろそろ解いて」

「駄目だ。明日の朝まで反省しておくがいい」  

追記:なんか筆乗らねぇし、しばらく忙しい。

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