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全天録  作者: AX-02
第二章 昼
123/261

却火を放て(懇願)

 ガブリエルに伝令を頼み、夜戦の準備へと取り掛かる。

 夜戦と言っても基本的に動くのは俺らで〈森精人(エルフ)〉達は死なないように、森への恐怖を染み着かせるのだ。


「本当にこれでいいのか?」


 〈森精人〉が不安ながらに聞いてくる。正確さ0のうちから作業を始める辛さに、耐え切れなかったのだろう。


「分からないさ……だからやる」


 嫌だろうが実験するしかない、そんな状況なのだから諦めてくれ。


「ゼル、素材が足りない」

「何人分?」

「二人」


 シュアの加護を指輪等に付与しようとしたが、人数分の素材がない事が発覚した。残る同等の素材は彼女ら天使の羽ぐらいで、量産不可能なものである。


[天使を虐めたくないもな]


 天罰を目の当たりにする気はない。ましてや、ここで失敗する訳にも行かない。


「これなら代用出来るだろう」

「……いつの間に集めたの?」

「暇さえあれば」


 前世界で言えば、髪の毛やコップの唾液を収集されていた。そんな事実が発覚したのである。

 倒した何かの部位を使うのが日常的なこの世界では、格のある存在は自然と取れた切れ端でも優良。そうしなければ、いつか自分から沸く分では足りなくなった時に、命を守るのも敵を討ち破るのも出来なくなる。

 

 すべきことと倫理を天秤に乗せるという悪の諸行に。


「私が管理するから全部出して」


 自分のものは自分でみる。という基本的な事を持ち出して来た。感情で言えば絶対に使わせたくないが、自身の格を思い出しての折衷案である。

 言う通りに羽を渡す。


「犬毛も」


 抜け目ない請求。服作りは終了のようである。


 シュアに素材を渡すと直ぐに、付与器を完成させた。身体回復、精神保養、緊急脱出の三効果のアイテムである。

 これを全員が装着していないと無茶な事だ。彼らに恐怖を刷り込ませるには、必要不可欠。


 


 汚い黄昏が終わり闇へと落ちる。襲撃を受け止めながら、使いに出したガブリエルの帰りを待った。


「いやぁぁぁあ!!」

「ちっ! くそぉ」

「何がしたいんだ?! 答えろ!!! なぁ!!」


 その間に何度〈森精人〉に憎悪の目を向けられたか。必要な事とはいえ、やはり心苦しいものである。

 ボロボロにして、微量の回復で止めて。


「そもそも乗っ取られるって、今回の悪と形質が似ている木……いや星だったからじゃないか?」


 とんでもない煽りをかます。場合によらずとも存在否定、善性な言葉なのだから。


「……あぁ…滅びる事は確実なんだな……」


 一人呑まれるが好都合。後は一押しからの連鎖を期待しよう。


「そうだな、真火で咲かせる位にな」

「この星を捨て、新な星へ行けと言いたいの?」


 本質を突かれたので、悪びれもせずに話を続ける。


「その通りだ。魔法の植生では格式が落ちるものを、自然につくらせる。そうやって共存してきた、しかし今回の事件で木々や土地は死に絶え、残るは謎の残る目的で現れる植物」


 そこまで言っているとガブリエルが到着した。


「つまらん用は赦さんぞ、ゼノ」


 ミカエルを連れて来させたのである。ぴったりの役割と属性、それをするためだけに。


「つまらなくはない、神の造りし星を守る為に必要な事だ」

「そもそも貴様が呼んだも同然なのだろう?」

「だから尻拭いをしているじゃないか」


 嫌われているようだ。元相棒に怨敵級の姉を入れた張本人に向ける目として、正しさしかない。


「で、何をするのだ」

「〈森精人〉に火を与えて欲しい。彼らで焼き払い、核を俺が叩き死せる星となったここを出て」

「それで守れただと?」


 火が噴き出す。

 説明の途中なんだが、まだ結果を出していないし、合ってない。


「数百の月日が流れて、また過去のような生い茂る星へと戻る。その時には〈森精人〉だけでなく〈原初球(エデン)〉からの人々も」

「そんな都合の良い話が」

「自分の持つ力が何か分かっているか? 神の火だぞ、どれだけの敵を都合良く葬れると思っている」


 都合の良さは常時相対。死せる星に一旦でもなるなら敗北とでも思っているのだろう。内心で同意するが声に出す事はない。


「俺に問う暇があるなら〈森精人〉達に付与をした方がいい。星が戻る時間が無駄に長くなるからな」

「百年単位の計画に何を言ってる」

「だからこそだ。ある位置を通るはずだった蝶を、捕まえるのは大改変に分類されるだろう」


 逆に、すぐ動いてしまっては駄目な時もある。時間制限となりうる要素が少ない今では、反論になる事はないが。


「彼方のルールに添うのは面倒な事よのう」

「喋るな堕ちたる者。汝が意と同一である事を知らせるな」

「余も同一と知りとうなかったぞ…………」


 これはネットで言えば『結局、同じ事で草。気付かされて、画面の向こう顔真っ赤で確定だお』の流れである。違いがあるとすれば、実際に顔を赤くしてマナーモードな相手を見ることが出来る点か。


「……赦さん……赦さんぞ……」

「お お、落ち着いてミカ姉?」


 絞り出した言葉が呪詛のよう、前のように堕ちかけたりはしないが黒いのは確かだ。シュアが翼を出しての、本気回復行使で宥めにかかった。


[『向こう』の意志は特殊だな。こんな画さえも録らせるなんて]


 元天使長が元天使に翻弄されて顔を赤らめ、微量に泣いてるのを癒天使がよしよしをする画。宗教的には、ボツの烙印しか押されないだろう。いや……漫画(せいてん)となれば話が変わる。


 〈森精人〉らが静かでありすぎた。天使の集合がそれだけ衝撃だったか。

書いてる途中に違反言われたぜ。話一つの消去で問題無しになったぜ。


つまりはそれ以外はセーフだったのか()

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