疑惑
嫁はまだ先なんだ……
ペースか展開を早くしろよ
伝説の打ち切り並みの早さでないと
ここじゃあ遅いと言われるとおもうがな
街へと続く列が見えた。原因は俺だろう。
魔物とも言えるような人が、彷徨いているのだ。何もしない方が心配になる。知能か実力が凄いことになっているだろうから。
列に並び順番を待つ。綺麗な3列だ……嘘のように整っている。ここは一体どこなんだろう。
[異世界]
(はい。当然ですね)
俺の左隣は爺さんだ。まさに魔法使いと思われる格好。帽子付き茶色ローブと、神木から取りましたって感じの杖を装備している。
右隣は青年だ。まさに財宝を探してますって格好。装備は軽そうだが、鍵爪ロープや厚く巻かれた鞭等で総重量を察する。
「そちらは初めてかの?」
爺さんが話かけてくる。特殊捜査員とか考えられないので普通に話す。
「そうですね。何があるのかも知らずに来たもので」
そう言った瞬間、爺さんの空気が変わった。
「ここは〈ロオ〉という街でな、かなり古く……数で言えば3700年前から存在しておる。故に様々な古文書、壁画、壺と言った発掘物に出るのがとても多く、歴史の厚さを感じれる。幾年が経とうと有るから、〈不滅の街〉とも言われてだな。そして皆、遺物等の話があればすぐに飛び付く。そして過去の記録がここに集まるのだ。分かるかね? ここに来れば出来事が全て分かるものなのだ」
爺さんの話が一区切りしたところで。
「とはいえ前の年に、ハスト帝家から直に修正入れられたからな? 3500年前の大戦時に滅ぼしましたって」
青年が割って入る。やばい、これそのうち。
「嘘に決まっておるだろう。全くあそこは歴史を武で踏みにじりおる」
「いや事実だろ。この前出た文書を忘れたのか?」
「昔から武勇のためなら、なんでもするんじゃな……」
「普通に認められただろ? 国王に」
「自国の歴史を頭下げて!! 書き換えおって! 赦さん!」
「不敬罪を確認! 断罪します!」
「やってみるがいい。頭の足りない若造!」
「やれるさ。ガッチガチの老人なんてな!」
そう言って彼らは列から外れ、戦闘が始まる。周囲は、呆気に取られる者、賭け事のネタにする者、同調して戦闘を始める者、無表情で空いた分を詰める者……なかなかの状況だった。
俺は空いた分詰めた。しかし無表情なのが気になったので、同じく詰め隣になったおっさんに聞いてみる。
「あれはいつもの事なのか?」
おっさんは哀れみを持ってこう言った。
「あんたのような初出の人が居たらな……」
この原因も俺だったのか。
戦闘を始めた者達の大半が相討ちとなるか、勝敗を決した時に衛兵が現れ。血の気の多い修羅を制圧、連行していった。スムーズな流れに感動したが、余計な仕事に分類されてると思うと複雑だ。
やっと順番だ。俺についての情報、どこから来たのかを質問された。知らない、方角のみ言って質問は終わった。金……貨幣がないので、さっき取った素材を渡す。通れるのか待った。遅くないか?ちょっと位が高そうな人に聞いてみた。
「〈ファングメイジ〉の素材が6体分。綺麗な解体だから入街料を大幅に越えてしまってね。登録していないから代わりに換金しに行っているよ」
はー、めっちゃ優良やないですか。
換金した金を受け取り、金を眺めながら、街の中へ入る。
金は突っ込みたかったくらいだ。[3000]という数字、絵、独特の言語の書かれた紙と銅色のコインが四枚だったからだ。
数字が異世界でも形を変えずに通るということについて、創世神がいるとするなら、極限のどうしようもない要素だったのかを問い詰めたいところだ。
そう思いながら街中をブラブラと歩き回る。よくも悪くもファンタジー、という印象しかなかった。
「俺と遊ぼうぜ」
等と言う奴らも居たが。
「〈ファング〉と戯れた方がいいです」
と言えば折れるかキレて襲われるので、使いまくった。玉は潰してないから今後も安心だろう。
適当な宿を取った。部屋は二階のものだそうだ。
入って見るとRPGで見たことあるようなタンス、ベッドが置かれた部屋だった。
そう言えば数日間、寝てない気がするんだが。
[寝る必要が、精神保養のみの種族なので]
成る程そういう事か、なら精神的回復が済んだら直ぐに目が覚めるって事か。
[おおよそ3時間で覚醒します]
なんという社畜感。しかし外敵から身を守る術へと変化するのだ! 異世界での初寝。ワクワクして眠れない………訳がない。
数日寝てないせいか10分も立たずに意識は、沈んだ。




