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全天録  作者: AX-02
第二章 昼
119/261

事を済ませ

初消去から修正しての回。

 既に始まっていたガーデニングの集いへと参加し、大いに汗をかいた。


 これでシャワーは無粋と感じ部屋のものを全て収納空間に送って、中規模浴場へと変化させた。

 夜空の幻影が流れる擬似露天風呂。惜しむらくは星座の差異により、何座かの判別が《内対(ククラ)》にしか付きそうにない事だ。


「あぁ~……」

「ウォォォン」

「ピェェェェエ」


 湯船! 星! 亜人、しかもタイプの違うふたり! 前世界の欲望を詰め込まれた状況に、全身が伸びる。


「お腹いっぱ~い、撫でて~」


 浮きながらシュアが腹部を強調してきたので、指で突いてみる。堪らない感触、危うく暴走するところであったが。


「全く……足が穢れたではないか」


 ルシュフェルが現れ、一瞬の注視により踏み切らずに済んだ。しかしそれも、刹那的に崩れ去る。


「もっと…他もして構わなかったぞ?」

「ッ……!?」


 高過ぎる理性破壊能力。流石は〈色欲(ラスト)〉を継ぎし堕天主、艶だとかの出がシュアと違う。シュアのドストレートと対比になるように、告白的なものは囁く。『悪魔の囁き』が何故、効果があるのか理解出来た気がする。


(思い出すな……封印しろ……)

[まさかあそこまで近付けるなんてな……思いもしなかったな]


 端だったはずがメイン入口まで来ていた。サービスにも程があり、そこでうち切ったが……気付いてなければ崩壊させられていただろう。


「んー? 匂いが違う」

「正反対に別種が置かれていたぞ」


 偉大な天使こそ変化に敏感な存在なもの、故にツールに変化がないのはいけないのである。つまりシュアは俺の理性ゲージを感じて、ルシュフェルの相手をし始めたのだ。


 始まってしまっては男はしんしに眺める義務がある。自制を促す大天使、その元来の仕事を垣間見た気がする。


 真っ昼間から一体何をしているのだろうかと、賢者の時に至った。最近、発散が不足していたから仕方がない。大体こんな娘に手を出さない方がおかしいのだ。


 全員さっぱりした所で宿を出る。数時間の貸し出しであったが一泊分と同じ値を取られた。とはいえ懐にダメージがないので快く払う。


 ギルドが目に入りまず違いが顕著である。何で、赤布が敷かれてトランペットや剣を持った人が整列してるんですかね……。


[パンパカパーン]

(404)


 BGMが流れるのに乗り先が思いやられる。いや待てよ……。


「ルーシー、貴女が先頭で行きましょう」

「ん? ………あぁ、余が主役であろうな」


 歓迎される覚えがあるのはルシュフェルだけだ。俺やシュアは特筆すべき事なんて、討伐後の骨だからな。


 ルシュフェル、シュア、俺の順に赤布に乗る。華やかなギルドへの凱旋。


[あるぇ? こいつらこんなに軽かったかな……]


 自分の時にはされなかったのか《内対(ククラ)》が呟く。裏では嫌われていたのだろうと推測していると、ギルドの扉が開かれる。


「リニューアルしたのかよ…………」


 前世界的設備がそこそこ整いそれでいて木による落ち着きという、魔法無しには出来そうにない空気があった。


「ようこそ、お帰りになられたようで心よりお待ちしておりました」


 声色、礼の洗練…これは来賓の扱いだ。怒らせないようにと、国王並みの扱いを心がけていそうである。


「他所から事を任されてな、暇があったから来てやった」

「お気遣い感謝いたします」


 さも当然のように受け取る堕天使。凛としていてすこぶる気が良いように見える。

 俺はその足はおろかその上た………非常に暴走しやすいようだ。流石は魔性の深淵、狂わせられる。


「顔出しと素材を渡しに来ました」

「はい。では彼方へどうぞ」

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