最高の
一つの世界の終焉を前に
リスペクトオープニングを……間に合え…
ヴェラドはあくまで、色々被った別存在ですよ?同一存在な訳ないじゃないですか~。そんな事したら消されちゃいます~~。
「もしかして、神に至る前の種族は〈水粘体〉ですか?」
「……だとしたら?」
「なんとなく、髪の毛の色が綺麗にそれだったので」
最高神との会話を、髪の毛から入るという〈魔王〉の名に偽りのない異常を発揮する。
普通は世界の秘密を聞き出そうとして、決闘開始とかだろう。いや『将軍はアホ』を国家機密にするジョークもあるんだ。種族が秘密だったとして。
「まぁ言っても問題ないな。確かに〈水粘体〉から始まったぞ」
これはあれだな、知ったから殺されるやつだな。この世の上の極限に狩られるなら、それはそれで名誉ある死だ。シュアの為に選ぶ事はないが。
「そうですか。それで何をしにここへ?」
「直接行使の前に、ちょっとな」
「ほぅ……?」
通りが異常に良い魔力を練り上げる。直接処刑に来たと宣言したのだから。
「いやいや待て待て待て。戦うつもりはねぇーよ」
「あっ、すいません」
宣言していなかった。危なくない橋を立ち入り禁止にしかけ、ヴェラドの優しさで止まれて良かったぁ。
「直接お前から〈魔王〉を抜き取ったりするついでに、色々しようかと思っている」
OK.OK.魂から沸き出るものでなく、世界法則により与えられたものだから外せる訳ね。それって要は。
「魂から引き剥がすって事だよな?」
「その通り。お前なら余裕で耐えれるし、何なら実力が落ちもしない」
全能というのはこういうモノなのだろう、これは参拝不可避ですわ。いやいやあざす。
「一番、消費少ないから最後な」
後回しなのは癪だが、上位存在が決めた事だ。反抗的な態度=死 くらいの存在を潜ませている可能性はある。むしろ勝手に付いて来た上に秘匿か。
「まずはミカエル…についてだ」
シュ……ラファエルの抱き抱える光球を見て、自我の低下を悟ったのだろう。説明の相手をラファエルに変える。
「〈天使軍〉敗北の責により、天使長を降りてフリーになってもらう」
社長から無職みたいな落差だな。撃ち破った俺のせいだが、破ったのを後悔する訳がない。記憶にないからだ。
「ウリエル、ガブリエルも同様にフリーだ」
ラファエルは一体どうするつもりなのだろうか。連れ帰るなら、俺も天使の職場で働く事になるな。天使だらけか……魔差す確率は100をかなり越えるだろう。
「ラファエルよ」
「はっ!」
[ここ宗教画]
見事な主従を示す構図がみえる。早速《内対》は描き始めた。
「シュア・フィエータ=アウゴとして、ゼノムの監視と専属守護天使の任に就け」
「!? は、はい!!」
太っ腹じゃないか! 裏が怖いよこの神!! 〈魔王〉抜き取りと共に、俺の魂の欠片とか取りそうだよ!
許しを得たシュアは、光球をヴェラドに渡し、俺に体を寄せる。
「それと答えは分かっているが……ルシュフェル」
「何の?」
「天使長の席が空いた。座る気はないかね?」
極楽浄土から地獄に落ち、もう一度、天へ至る。とんでもないストーリーだ。悪魔等とは比較にならない、誘惑だろうそれを。
「ない。神の元へ就く気など、起きる訳が無かろう」
遠回しの信頼で弾いた。どうしよう、胸キュンしてしまっているのだが。
「ではゼノム。お前の〈魔王〉を抜く」
「最初からそうすれば良かったのでは?」
「取り決めで出来なかったんだよ……先々代が決めたな」
何て傍迷惑な最高神なのだろうか。俺の部屋で言うなら、台風でも訪れる彼並みの『いたずらゴコロ』に相当する。
「〈魔王〉ゼノムは己が権威と力を〈世神〉ヴェラドに捧ぐ。微塵の曇りもなく、天へ返上す」
「〈世神〉ヴェラドにより、ゼノムの六根に根付く〈魔王〉を除かん。〈伏魔〉」
魂の根幹ともなっている〈魔王〉の切除。予想していたが、激痛が走る。気絶不可を呪うとは……どこぞの無限コンボだろうか。
〈月〉をのたうつ。プライドだとか面子とか、元からないものを気にする訳もなく。
「ぐぁ! がばだざ!!! ぼぉぉぉ!!!!」
何でもない悲鳴を上げ続けた。
[見てごらん、みんな白い目だよ]
いつものように《内対》から煽られる。というより、目が死んでいても不思議ではないだろ。
「誰か冷してくんない?」
叫びと暴走により、体温が恐ろしく高くなっている。疲労もそうだが、まずは冷えない事には休憩とはならないだろう。
「え~じゃあ……ゼル……離婚しよ」
キンキンに冷え込む。なんて反則的な一言だろうか、冷やの滝汗が全てを凍てつかす。
「俺のどこが」
「主に思考」
要するに全部じゃないか………ははっ………笑うしかない。
「おかしい………ラファエルが小悪魔になってやがる」
最高神すら頭を抱えるくらいの、改変、もしくは魂への影響が濃いようだ。ふぅ………。
「可愛いだろ?」
「わぅ?」
「の?」
「…」
更に黙らせてしまった。戦闘であればヴェラドの負けか、追い上げのシーンになるかな。
「それはそうとゼノムよ。我らの会議に出る気はないか?」
傘下への参入のオススメですか。今は直属軍(?)も壊滅しているし、それに。
「出ます! 他の種族に会えるって事ですよね?!」
「そうだな。〈龍〉に〈巨人〉に〈吸血鬼〉、〈妖精〉〈精霊〉なんでも来るぞ」
最高過ぎる会議だ。例え前世界と差がなかったとしても、種族を眺めるだけで満足する。
「んじゃ、今から行くか。あぁ、天使を連れていいぞ」
何ともラスボス的な転移の為の門を、シュアとルシュフェルを連れてくぐる。
抜けた先は、五体投地から始めたのは言うまでもない。
Q 詠唱って?
A その場のノリでやる。魔力さえ伴えば〈連語者〉か〈開拓者〉が最強になるんじゃないかと、最近、思ってる。




