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全天録  作者: AX-02
第二章 昼
107/261

最高の

一つの世界の終焉を前に

リスペクトオープニングを……間に合え…


ヴェラドはあくまで、色々被った別存在ですよ?同一存在な訳ないじゃないですか~。そんな事したら消されちゃいます~~。


「もしかして、神に至る前の種族は〈水粘体(スライム)〉ですか?」

「……だとしたら?」

「なんとなく、髪の毛の色が綺麗にそれだったので」


 最高神との会話を、髪の毛から入るという〈魔王(ゼノ)〉の名に偽りのない異常を発揮する。

 普通は世界の秘密を聞き出そうとして、決闘(デュエル)開始とかだろう。いや『将軍はアホ』を国家機密にするジョークもあるんだ。種族が秘密だったとして。


「まぁ言っても問題ないな。確かに〈水粘体〉から始まったぞ」


 これはあれだな、知ったから殺されるやつだな。この世の上の極限に狩られるなら、それはそれで名誉ある死だ。シュアの為に選ぶ事はないが。


「そうですか。それで何をしにここへ?」

「直接行使の前に、ちょっとな」

「ほぅ……?」


 通りが異常に良い魔力を練り上げる。直接処刑に来たと宣言したのだから。


「いやいや待て待て待て。戦うつもりはねぇーよ」

「あっ、すいません」


 宣言していなかった。危なくない橋を立ち入り禁止にしかけ、ヴェラドの優しさで止まれて良かったぁ。


「直接お前から〈魔王〉を抜き取ったりするついでに、色々しようかと思っている」


 OK.OK.魂から沸き出るものでなく、世界法則により与えられたものだから外せる訳ね。それって要は。


「魂から引き剥がすって事だよな?」

「その通り。お前なら余裕で耐えれるし、何なら実力が落ちもしない」


 全能というのはこういうモノなのだろう、これは参拝不可避ですわ。いやいやあざす。


「一番、消費少ないから最後な」


 後回しなのは癪だが、上位存在が決めた事だ。反抗的な態度=死 くらいの存在を潜ませている可能性はある。むしろ勝手に付いて来た上に秘匿か。


「まずはミカエル…についてだ」


 シュ……ラファエルの抱き抱える光球を見て、自我の低下を悟ったのだろう。説明の相手をラファエルに変える。


「〈天使軍(キリエ)〉敗北の責により、天使長を降りてフリーになってもらう」


 社長から無職みたいな落差だな。撃ち破った俺のせいだが、破ったのを後悔する訳がない。記憶にないからだ。


「ウリエル、ガブリエルも同様にフリーだ」


 ラファエルは一体どうするつもりなのだろうか。連れ帰るなら、俺も天使の職場で働く事になるな。天使だらけか……魔差す確率は100をかなり越えるだろう。


「ラファエルよ」

「はっ!」

[ここ宗教画]


 見事な主従を示す構図がみえる。早速《内対(ククラ)》は描き始めた。


「シュア・フィエータ=アウゴとして、ゼノムの監視と専属守護天使の任に就け」

「!? は、はい!!」


 太っ腹じゃないか! 裏が怖いよこの神!! 〈魔王〉抜き取りと共に、俺の魂の欠片とか取りそうだよ!

 許しを得たシュアは、光球をヴェラドに渡し、俺に体を寄せる。


「それと答えは分かっているが……ルシュフェル」

「何の?」

「天使長の席が空いた。座る気はないかね?」


 極楽浄土から地獄に落ち、もう一度、天へ至る。とんでもないストーリーだ。悪魔等とは比較にならない、誘惑だろうそれを。


「ない。神の元へ就く気など、起きる訳が無かろう」


 遠回しの信頼で弾いた。どうしよう、胸キュンしてしまっているのだが。


「ではゼノム。お前の〈魔王〉を抜く」

「最初からそうすれば良かったのでは?」

「取り決めで出来なかったんだよ……先々代が決めたな」


 何て傍迷惑な最高神なのだろうか。俺の部屋で言うなら、台風でも訪れる彼並みの『いたずらゴコロ』に相当する。


「〈魔王〉ゼノムは己が権威と力を〈世神〉ヴェラドに捧ぐ。微塵の曇りもなく、天へ返上す」

「〈世神〉ヴェラドにより、ゼノムの六根に根付く〈魔王〉を除かん。〈伏魔(ライター)〉」


 魂の根幹ともなっている〈魔王〉の切除。予想していたが、激痛が走る。気絶不可を呪うとは……どこぞの無限コンボだろうか。


 〈(ルナ)〉をのたうつ。プライドだとか面子とか、元からないものを気にする訳もなく。


「ぐぁ! がばだざ!!! ぼぉぉぉ!!!!」


 何でもない悲鳴を上げ続けた。


[見てごらん、みんな白い目だよ]


 いつものように《内対(ククラ)》から煽られる。というより、目が死んでいても不思議ではないだろ。


「誰か冷してくんない?」


 叫びと暴走により、体温が恐ろしく高くなっている。疲労もそうだが、まずは冷えない事には休憩とはならないだろう。


「え~じゃあ……ゼル……離婚しよ」


 キンキンに冷え込む。なんて反則的な一言だろうか、冷やの滝汗が全てを凍てつかす。


「俺のどこが」

「主に思考」


 要するに全部じゃないか………ははっ………笑うしかない。


「おかしい………ラファエルが小悪魔になってやがる」


 最高神すら頭を抱えるくらいの、改変、もしくは魂への影響が濃いようだ。ふぅ………。


「可愛いだろ?」

「わぅ?」

「の?」

「…」


 更に黙らせてしまった。戦闘であればヴェラドの負けか、追い上げのシーンになるかな。


「それはそうとゼノムよ。我らの会議に出る気はないか?」


 傘下への参入のオススメですか。今は直属軍(?)も壊滅しているし、それに。


「出ます! 他の種族に会えるって事ですよね?!」

「そうだな。〈龍〉に〈巨人〉に〈吸血鬼〉、〈妖精〉〈精霊〉なんでも来るぞ」


 最高過ぎる会議だ。例え前世界と差がなかったとしても、種族を眺めるだけで満足する。


「んじゃ、今から行くか。あぁ、天使を連れていいぞ」


 何ともラスボス的な転移の為の門を、シュアとルシュフェルを連れてくぐる。

 抜けた先は、五体投地から始めたのは言うまでもない。   

Q 詠唱って?


A その場のノリでやる。魔力さえ伴えば〈連語者(ラッパー)〉か〈開拓者(フロンティアワイズ)〉が最強になるんじゃないかと、最近、思ってる。


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