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全天録  作者: AX-02
第二章 昼
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天使軍4

ゼノムとシュアが〈月愉悦殿(ルナブレス)〉でイチャイチャしている頃〈原初球(エデン)〉では

 ゼノムを見送り、策を練り伝え一時間、その艦は現れた。


『哀れなる者共よ。裁きの時は満ち、我らは来たる』


 そんな布告を無視して、まずは遠距離物理を仕掛ける。遠距離魔法は消費や、相手の吸収を考えれば初手に使うべきではない。

 乗ったり破損させたりで、艦は現在、幻影や霊体でない事を確認する。


『〈奈落之一(アビスアイン)〉に惑うか、正への引導を』


 間違いなく、ゼノムが連れたルシュフェルのことだ。恐らくゼノムの覚醒や界渡りを、彼女の復活の為と断定し、俺も眷属とみなされているのだろう。

 神の絶対性の維持等から、何か異分子に仕立て断罪するのはよくあることだ。前の世界でも宗教や思想で主張され、サブカルチャー関連なら毎日のように騒がれるものだった。


 天使が隊列を組む。

 相手の属性は光、それも純粋過ぎるものだ。速さは遅くとも落雷そのものと推測。こっちは俺を除き、剣先が音速かどうか……俺も雷を読んで避けられる程度だ。


 天使の初期微動を見て、水晶に魔力を送る。直後に衝突音。


「散れ!」


 結界を突き破りにかかっている。そして元凶は、俺と水晶と見抜かれているだろう。

 一斉に森へ隠れる。魔力感知に差がありすぎて、自力ではどうしようがバレるのは、伝えてある。ゼノムが設置した砲台や倉庫の中へと行けば、少しは耐えれるとも言った。


 置かれた兵器は対空砲、対地砲、〈輪戦車(パンジャンドラム)〉全型、手榴弾、ランチャー、銃……ゼノムよ、お前はどれだけ幻想を壊したいんだ? 実生活からすれば、兵器も幻想のようなものだが、魔法世界に何を産まれさせたい。


 走る傍に光の矢が刺さった。より急角度で且つ、止まらないように走る。天使(やつら)なら人の弱点は見切るだろう。


「〈麗氷〉」


 振り返る余裕はないので、透明度の高い氷を飛ばし、反射された像で見る。五体以上なのを確認し、一番近くにあった包囲へと駆け込んだ。


 発射のスイッチを送る。追っていた天使は、誘い込まれ砲撃の雨にさらされ地に落ちた、無慈悲に対地砲がトドメを刺す。これで種を明かしてしまった。しらみ潰しと消耗、どちらが早いかの勝負へと切り替わるだろう。

 上の影響がなければ〈戦車〉があれだけ揃う事はないと思う。天使は兵器について既知だ、戦艦があるから当然かもしれないが。


 装填数を上げたショットガンを手に、次の地へ向かう。発砲、発射、爆破音。シェルターらしきものに向かわせた、マーシャは無事だろうか。

 これが本当の戦場。『死ぬわけがない』と思いながら『振り返れば仲間が消え』続ける。安全地帯なんてものはなく、権利の主張をする息があるなら走り、何かに書き留める指があるなら金を引くべき場……一体、何人死ぬ。


『〈聖域(ライトゾーン)〉』

「チッ!」


 範囲結界に捕らえられた。しばらくの間は超兵器〈輪戦車・四型〉が使えなくなり、形成不利だ。

 外から内、もしくは天使はすり抜けれるように出来ているのか、攻撃が殺到する。


「〈守専(イージス)〉」


 守りの為だけの結界を張り、一瞬の緩みで集中放火から脱する。


「後0.04……」


 そのくらい遅かったら、天使の槍が自身を貫いていたであろう。そうでなくとも長くは持たない。空は光の輝く翼で埋められ、投擲や呪文の準備をしているのだから。


『〈破衝(ブレイク)〉』

『〈至上(ぺテロード)〉』


 結界が割られ刃が天井となり、落ちてくる。隙間は人が通れない位。道を開くしかないようだ。


「ぉおおぉぉぉ!!」


 剣に光が宿る。明らかに俺の光とは質が違う。堕天使の気まぐれか、見返りは考えないようにしよう。

 振れば剣は伸び、慣性を無視したかのような軌跡を描く。天井を崩した後、地面に向かって刃を突き立てる。甲高い音と共に結界が割れた。


 対地砲を起動させ、天使が吹き飛ぶ様を見る。


「何で当たるんだろうか」


 素朴な疑問を胸にする。何か特殊な物質か撃ち方としか思えないが、想像がつかない。


 艦で来ていた事を思い出し、空を見る。見上げただけでは、何処にも見当たらなかった。次の瞬間に閃光と轟音。

 土が降り注ぐ中、水晶に[8.8 lost]との表示がされる。


『ひれ伏せ』


 空間に潜んでいたのか、艦が姿を現す。勝つのも、近くにいたであろう配下も絶望的だ。

 


 

 あんなものにどう対抗しろと言うのだ。自身の出力の限界を遥かに越える必要が。


 【壊せ……全ては…………】


 音でも像でもない何かを感知する。天使、堕天使、ゼノム、ましてやマーシャでもない。誰かの……これは意志なのだろうか、ともかく触らない方がいいのは確かだ。人間を中退する可能性が高すぎる、少なくとも『心が異形』になるのが見えた。


 【積み上げを消す……再開も分からずに……………】


 目的がない。いや移ろいが早すぎるのか、非常に不安定な意志。追い掛けて疲れて憑かれるタイプ……そのような【誰か】は無視して、気を保つ。


 【俺、セーブデータ消した事、殆どないわー。なんか過去の自分の否定みたいでなー】

 【成長しろ~次に進め~】

 【次が未定すぎるわ! まだゴールすらないのにやれるか!!】

 【お手軽な方法があるぞ】

 【苦行を進めるな……】


 保てない。別人なのか、同一なのか分からない会話。蚊帳の外を延々と聞かされる(?)。何故これに耐えなければならないのか、嫌になって聞こえる心を。




「閉じたら終わりだ!?」


 精神攻撃への対処を誤るところだった。方面がどうあれ、相手の狙い通りのシークエンスに移行した時点で、敗北ルートだ。


『〈砕深(クラッシャー・コア)〉』


 目の前にまで天使が迫り、槍で突かれる。突飛な動きでバランスを崩し、水晶を落とす。


 そのまま天使が砕く。強兵器の遠隔が不可能となった。更に勝率が落ちるが……地が震えている。

 タイミング的には、破損によるスイッチだろう。一体、ゼノムは何を用意していたのか。


 地面が盛り上がり機械が姿を現す。スパロボらしさ満載の形状、カラーリングは黄色と黒。飛び乗れば、勝手に起動し。


[XAX-02(ドン)


 と機体名を流す。

 ど真ん中に『押せ』と言わんとしている赤のボタンがある。それ以外に触れれるものはないので、押す。


[天使のみダンスだ!!]


 外部を見る映像から、見えてはいけないものが見える。前世界の技術でも、ここまで飛び交う事はあり得ないだろう。何より爆発が真っ黒なのが恐ろしい。   

流石に水晶一個じゃ無理ゲーだな。渡す時に追加しますかね

追記

問題なかった



死者0、部位欠損17、重傷8、軽傷1。


内対(ククラ)》[適当に傷つけるとは、これいかに]

勇者 「クズですわぁ……でも現実の諸々にクズ要素が多く『見える』から仕方ないね」


闇威者(ダークネス)》「創作にさえ逃避キメてて草」

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