表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
全天録  作者: AX-02
第二章 昼
102/261

天使軍3

『こちらソドム隊、全滅の報告です』

『応援要請!』

「バベル隊、行け」

『了解』


 〈天使軍(キリエ)〉は新たなる脅威に、弄ばれていた。神の軍として幾度の研鑽を重ねただろうか、果てしない時をかけた力は、たった一つの闇を葬れずにいた。これまでの〈魔王(ゼノ)〉は〈主天使(ドミニオン)〉未満…魂を全て燃やし尽くして、やっと大陸規模の何かを放つ程度。

 それが今回は〈原初之護(エデンガーディアン)〉と正面から殴り合い、本気を出されても殺されなかった存在なのだから。


「どうだガブル」

「どうもこうもないよ、完全に想定外だ」


 〈(ルナ)〉の隠されし基地、その一角であり頭である部屋で、二人の三対翼が会話をしていた。一人は正に燃え盛る翼で、金髪の女性。もう一人は深緑の男性だ。

 

 基地はゼノムの前世界から遥かに進み、彼が居れば二人に『なんてサイバー……ここに居を置きたい。不動産は何処だ?!』と言い出すに違いない。


「だらしねえなぁ。締めてくるぜ」

「止めろ、ウリ助」


 更に茶髪の三対翼が現れ、早々に止められる発言をかます。


「わーってるよ、俺らが出たらすぐに終わるって」

「本当は終わらせたいんだけどね」

「ラファ、本当に情報は全部か?」

「そうだよミカ」


 青髪へと変化したシュア………ラファエルが部屋にたどり着く。

 復活するとは言え、傷付くのを見るのは嫌なようである。その為に追加情報がないのか、金髪……ミカエルが問う。隠し事がないのかを。


「今回の〈魔王〉は、内にもう一つの魂を持つ〈滑者(スリッパー)〉。真に異なる者、魔法の制御と根元が別々の存在」


 この世に迷い込む存在は、一定数存在していた。別の時空、あるいは可能性からくる存在。原因は実に様々だが、第一号者が『滑って来た』のでそのまま〈滑者〉という名称になった。


「面倒にも程があるな。罪深く且つ先の読めぬ、力だけ持ってしまった阿呆は」


 ラファエルは否定の言葉が出かけた。力以外も一応は持っていたと。しかし冷静になり、自分が考えたのは、追随を許さない生活『力』だったと気付き飲み込んだ。


(シュアに引っ張られてる……)


 人格に深く影響が出ている事にも気付く。〈深縁儀(エンゲージトップ)〉の影響だろうと結論し、それを伝えなかった。


『〈光却(ヘヴンダスト)〉の許可を!』

「それ以外の制限も解除だ」


 ガブリエルは通信をしながら今〈魔王〉の成長率を、思い直していた。明らかに可笑しい存在だ、強化へのリスクをまるで負っていないのだから。そして上がり幅。数ヶ月で星から出てしまう存在なんて、聞いた覚えもない。それでいて〈滑者〉であり……。


「〈滑者〉は〈魔王〉になりやすいか……」

「一理あるな。常人ではないのだから」


 ミカエルが納得している。その目には熱い炎が見えた。


「人ならば知り合いが居た時、その者を気にするはずだ。が、奴はなかった。そのせいで、私が人の時の相方が死んだのだから」


 正確に現場を見た訳ではないが、〈魔王〉になるの状態の処刑を、見に行った相方は数日待っても、帰って来なかった。

 ミカエルにも、引っ張られる記憶があるようで、ラファエルは安心している。


『『『〈光邪滅(オールクリーン)〉』』』

「この数でなら逝ったな。闇よ邪よ滅びるべきは貴様らだ」


 ミカエルは決まり手であると確信した。闇そのものに集められた光を当てれば、闇の崩壊は決まっている。幾つもの存在を葬り〈熾天使〉が出る幕を幾度無くした事か。


『うっ?! 原型を留めています!』

「何だと?」

『人型に! 黒い光が! こ、これはアビスぁあ"ぁ"ぁ"………は~いどうも~』

「切るか?」

「そのままだ。初めまして〈魔王〉私は〈天使軍〉総司令、ミカエルだ」

『あっ、やっぱり?』


 ミカエルは理解が一瞬、追い付かなかった。ミカエルの名に『やっぱり?』の返しが解らなかったからだ。しかし直前の『アビス』で氷解した。


「〈奈落之一(アビスアイン)〉の手先か……成る程、だから魂を帝都で集めたのだな。だが、その程度で」

『いや、俺わ。自発的なんですが』

「そういう事にしておいてやろう。それで、何が目的だ?」


 〈魔王〉の根幹でもあろう部分を質問する。復讐、征服、禁忌……それらにより成ったのだから、真面目な回答が来るとも思っていない問い。

 だがゼノムは。


『嫁が天使だったからお仕事に行ったんだよね。目的が俺っぽいから、本社に直談判ついでに、お迎えって感じ』


 馬鹿正直のように答えた。しかも〈魔王〉が副産物であるかのような口振りで。

 またもや理解に時間をかける。そして。


「天使の名は?」

『名前からして同室にいないの? お~い、ラファエ~ル』

「「「…………おい…」」」

「やぁん」


 三人の精神が飛びかけた。元凶が身内なのだから仕方がない。


「場合によっちゃぁ、断罪ものだぜ?」


 罪への刑罰を司るウリエルが、決起しラファエルへ近付く。超重要事項を黙っていたのだから。


「白状せよ。軍団長からの命令だ」

「情報修正はしておかないとね」


 優しくミカエルとガブリエルが、追及する。アプローチミスの先は、敗北である。神の軍としてそれは認められないのだ。


「今〈魔王〉ゼノム・ルマ=アウゴは私の夫です。離婚もせずに〈月〉への到着を優先しました」

『だからって何かしたら、世界ごと殺すぞ』


 ラファエルの情報修正と共に〈魔王〉による宣戦布告。ミカエルの合図で『〈斬艦・黒桜路〉』の声を最後に、通信は切断された。


「随分と愛されているではないか」

「一日一回は抱き締め合うもん」

「今でもか?」

「……………ゼルなら……きっと……」


 作戦全体の見直しが必須になり、緊急会議が開かれたのは言うまでもない。

Q 捻らないのは?


A 理由は後程


追記

Q 桜?リスペクト


A ただし、竜に思考回路が汚染された、邪神でもない友人のな

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ