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全天録  作者: AX-02
第二章 昼
100/261

天使軍1

おぉ!100話きたか!

 大陸でやった次の儀式は、孤島で行う事になった。完全に対にする気かと思ったが、究極は有と無になるので、それはないと推測できる。


「寒い……」

「暖まりすぎただけだ、ソロプレイは基本だろ?」

「無理……抱き枕……目の前に女……閃いた」

「通報した」


 シュアを抱けない夜が寂しく、ククラといたそうとしたら、強く反発された。


「ルシュフェルのを調整する仕事中なんだよ、お分かり?」

「……つまり俺が注げば、効率上がるよなぁ?」

「余計なもの入れないでくれる?」

「はい…すいません」


 ククラの活動の支援をしようとしたが、純粋なエネルギーを変換するのにかける時間は余計だ、と断られる。


 諦めて一人で寝よう。あんなに受け入れが出来る天使は、彼女だけだったのだ。諦め……るのか? いやここで諦めてはいけない。前世界でも何かしらを限定、限界を勝手に与えてたが故に、何も中途半端だったのだから。


 そう、ククラに断られたのは変換前なせいだ。なら変換後に合わせれば、受け取るはず。

 方向が決まってしまえばとことん向かう。前世界で獲た知識()を総動員し、睡眠不要の身一つで、しかも内側的な事を。


「変態」

「……出来れば『誰が変態のバ」

「ほーん、BBAインストールして欲しいんか。はよぉ言ってくれや」


 くっ……自分の作業を中断して、俺の実験を妨害しにくるだと……迷惑過ぎるだろこいつ、俺よりマシだけど。


 幾度も挑戦し失敗する。情報系の魔力への変換はかなり難しいと理解した。

 情報というものも、完全に操作してしまえば神…それも全能の存在と同等となり得る、凶悪属性だ。文字、絵、記憶、記録……それら全てを自由に出来るとしたら? 幻覚等の比ではない。あり得た過去から訪れる事のない未来の事象までも、その場に現すことが出来るのだから、電気、雷系統と同じく、練度や必要魔力量が桁違いになりうる属性だ。

 前世界の創作が創世足り得る理由もここにある。


「成る程、お前の得意なのは創造か」

「色々作ってたんですがねぇ……」

「すまん。街に入れなかったし、俺なるべく身一つでやりたいから」

「縛りプレイだったもんなぁ……正気をよく保てたな」


 代わりに瘴気を撒き散らしていた気がするが、前世界での影響は無視。同一世界からの転生・転移者はまだ見つかってないし、見つける気もない。


 ククラが欠伸をして、俺にすり寄る。やはり仕事効率的に。


「やっとその気になったか」

「終わったしなー」

「………」


 同時進行だったか。虚しさを追いやりつつ、相手をするための起動を促す。




「〈魔王(ゼノ)〉! 目覚めよ!!」

「はっ!」


 ルシュフェルの声で俺は目覚める。ふぅ、モノトーンセーラーでないのが残念だ。


 儀式は寝起き直ぐに始まった。やはり日の出が後光効果を出し、彼女が上位存在である事を深く思わせる。


 俺は侵入というより吸引をするように言われていたので、その通りにルシュフェルを吸う。


(まだ行けるのか?)

(まだ行きます!)


 予想より多く吸われ問うのを、即答。そして吸い続ける。

 二分はたった頃に限界と感じて離れる。しかしルシュフェルが倒れかけたので、支えに行く。


「ふふっ、無様を見せてしまったな」

「えぇ、三人の秘密にしておきましょう」


 シュアとは別の健気さを出す。高潔が故の悩殺をされかけるが。


「想定通りだな」


 窓ガラスへと距離を詰め、外の一点をルシュフェルが見ている。太陽……手前の光か。


「あれが天使ですか」

「うむ。強さとしては雑兵の認識でいいが、属性優位は変わらんぞ」


 白い翼をはためかせる11の天使。初見で不利相性とは、中々にキツイことを。


「余は疲れておる。これから先は其方に任せるぞ」


 今ならルシュフェルを好き放題だと? いや、あからさま過ぎるのは罠や戯れだ、ガチで受け取ってはいけない。


 ルシュフェルの左手を取り、薬指にキスをする。


「お休み、ルシュフェル」

「早いわ」


 からからと笑いながら、召喚待機空間へとルシュフェルは帰る。切り札で今は弱体化した彼女を、隠蔽保護するのは当然の務め。


[堕天使はバッチリだぜ]

「んじゃ、景気付けに一発といきますか」

[どの属性でいこうが耐久高いぞ?]

「良いんだよ。〈魔王〉らしさ全開でやるべきなんだ」

[セオリーを重んじるか]


 そうなれば《闇威者(ダークネス)》による発射準備だ。家を解除し、魔法陣へと変化させる。


「我は淵に在りし者、漆黒の底へ這いずりし者。死者は彼の者の為に集う。集いし魂は一点を見据え待つ。その引き金が引かれるまで……〈暗線(ナイトライン)〉」


 太い砲で天使を散らす。隊列が崩れ一人か二人が消滅した。罪悪感が沸くことはない。

 天使の完全消滅はなく、リスタートする心を折るだけだ。再生する場は遥か遠く。1ヵ月に渡らない限り、倒した存在と再戦するなんてことはないらしい。


「……」


 空中で目が合う、無機質で意識を感じない、正に神の人形そのものの天使の集団だ。だから雑兵か、ルシュフェル。

 正確無比な雷速以上の人外軌道、躊躇いのない味方ごと攻撃、洗練された陣形。故に読みやすい、効率厨やTA勢の『言いそう』が予想出来るように、この手が来るなと分かる。


 捌き続けていると、天使が光を纏っての突進をしてきた。ブラフになろうが、本命になろうが、どうでもいいから俺を動かす気であろう。

 あえて乗れば〈空間転移(スペースワープ)〉してきた天使に羽交い締めにされる。そこに槍が殺到、オーラの解放で全て弾く。絞めが緩まった瞬間、両手を上げて後ろへ回し、天使の頭を掴み大上段からの剣撃のように振り、止める。


ブヂッ


 止めた時に、首が切れたかのような音がする。手に持った頭部を、復帰しきれていない天使へと投げつけ、穴を穿つ。


 撤退行動を始めたので、仕込みを発動する。


「〈粘性空域(ビスコーエリア)〉」

[体積は……変わりだす]


 環境魔力を遮断し、保有魔力を奪取する俺の切れ端を、空気内に隠していた。速すぎたら足を止めるべきだからな。


「残さず食す」


 個人を包んでいたものを一個にまとめ、奪取速度を上げる。ルシュフェルへと流しているのか、拒否反応がない。

 これから先はより大勢を相手にする。彼女へ流しながら、本陣へと行けるだろうか。  

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