位置が分かればいい
上木 悟にオタ属性が追加されました
前話の文字数が以上な増え方してたわ……でもあと5倍はいるかな?
《錬成》により辺りの木を木材へ変えて行く。同時に脱水もしている。クレイスはティナを看ているので、反応がない。
作るのは四輪馬車。賊の乗っていた馬で、逃げてなかったのが4頭いたから使おうと思う。
作業のほとんどを《内演算》に投げ、俺は葉を集める。叩く音、切る音、削れる音が鳴り続ける。
「うわぁ………」
いつの間にか凝視していたクレイスは、賞賛のような声を出す。本職には遠いが、一人でやれるわけがない作業だしな。やっぱり他人の魂入ってんじゃないか!
大体出来たからか外套に引っ張られる。ハイハイそこに葉を入れたらいいんですね。
そうして大型で屋根なしの馬車が完成した。
前後に柵で分けてあり、前が俺らで後ろが賊。
気絶だった奴らは持ってた道具で捕縛、死んだ奴らは首だけにして乗せている。猟奇的なので気絶から還っては逝くような事になるだろう。人を襲うような輩に配慮は無用。
クレイスに馬を任せ、俺がティナと賊を見ることにし出発。1時間は無言だったが、森を抜け平地となった時に。
「綺麗だな」
感想が口から漏れる。前世界でこんな風景は見られなかった。どこかしら街灯や舗装がちらつくからだ。
「そうですか? ありふれた景色だと思いますよ」
当たり前の返しが来る。彼女達には想像出来ないだろう。基本が建物の世界を。
「ゼノムさんは何ランクですか?」
多分ギルドの話だ。俺は登録してないしするつもりはない。正体がバレると思うと、内乱確定の事はしたくないのだ。
「登録をしていない。色々あって……」
「そうですか……Cより上は行けそうなのに、勿体無い…」
含みを持たせて封殺。デメリットは会話が終わる可能性が高まること。
「そうなると街に入る時に金か品がいりますね」
え? マジ? 洞窟素材を出す訳にはいかないから……。
「どっちもない……何かとらなきゃ」
「この辺りでは〈ファング〉系の魔物が出ますから、狙ってみては?」
〈ファング〉ねぇ……狼か? 聞き返せない雰囲気を感じてしまい。
「街の位置が見えたあたりで狩りに行く。そこでお別れだ」
「……本当にありがとうございました」
そこからまた無言だ。話すことなどない。
あるとすれば、ティナさん。目が怖いよ。事件の犯人を見つけた兎みたいな目しないで。
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『じゃあね』
そう言って彼女は行った。格好はともかく、強さは求めるべき高みにあった。
街に入るための列に並ぶ。賊を引き渡し、ティナとお喋りをして時間を潰す。門の近くまで来たので、門番の声が聞こえる
外套を使って戦う女と会わなかったか。
そんな質問をしている。間違いなく彼女のことなのだろうが……何故?ティナに小声で聞いてみる。
「ねぇ、あれゼノムさんの事だよね?なんでかな?」
「やっぱり気付いてなかった……」
「何? 追われる人じゃないと思うけど」
「ククラの聖骸に魔物が入ったの知ってる?」
「うん…………えぇ……」
「あれがそうなの……あの性格のままは無害だと思うけど」
完全に同意。むしろ有益になるだろうとも思う。……色々あってはそういう意味だったか……。
街に数日は居たが、近辺での目撃情報は一切なかった。




