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悪役令嬢?…いや、ご遠慮したいです。 作者:桜 さつき
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永遠の警戒。〜ウルネロ視点〜

最近の我には三つの観察対象がある。

一つが学園全体の魔力数値の計測。
この学園には興味深い魔力が大量に存在している為、我にとって格好の研究場所なのだ。

二つ目が我の友人達。
彼らはとても面白い化学反応を起こしている。
こんなにも「楽しい」という感情を我が人に対して思ったのは初めてだった。

三つ目が休学していた噂の特別魔法生徒。
稀有な闇属性の魔力保持者であり、見目も麗しく注目を浴びるのは頷ける。
だが、その人物を初めて見た瞬間にすぐに「異常」を感じた。

それはこの男も然り。


「おい。その胡散臭い笑顔をやめろ。…鳥肌が立つ」
「あはは、酷いな。シバきますよ」
「お前の本性をトワ君に見せてやりたいぞ」
「その瞬間に君の口を縫うから問題無い」


愛しのトワ君以外には容赦の無いこの男。
ハルト・トレアスニカは実に無礼な奴である。

この男の父親、つまり王に私の父親は宰相として仕えているのだが、私とこの男の会う機会は皆無だった。

トワ君の婚約者でなければ、こんなに無礼な奴と話なんてしないからな。
この男には我が友好的なのを感謝して欲しいくらいだ。


「今、何かイラッとしたんだけど…気のせいかな?」
「気のせいだろう」


勘が良すぎるのも困ったものだな。

今は魔法実技の授業中で、内容が簡単過ぎて暇過ぎて我と王子は壁に寄り掛かって話していた。


(…さて、そろそろ本題に入るかな。)


毒を吐き合うのも、なかなか面白いが片付けなくてはならない問題があるのだ。

かなり面倒そうだが相手がこちらを気にしているのは明らかだからな。


「それで?トワの様子はどうだったのだ?」
「……既に関わってたよ。全く…僕とトワが違うクラスだなんて最悪だ」
「もう?随分、早い接触だな。後、それを言うなら我もだ。リオネ君と魔術師が羨ましいぞ」


朝、廊下ですれ違った時に思わず二度見をしてしまったくらい特魔生の魔力は禍々しかった。

魔力のオーラが見えない我が寒気のする程の魔力を持つなんて異常としか言えない。

高い魔力量を持つ数人しかまだ彼女の異常さに気付いていないのが救いだろう。
この魔力は学園を変えかねないからな。


「要注意人物として把握してるけど、かなり危険かもね。確実に何かを狙っている…」
「闇属性だからな。迂闊に手を出して学園を荒れさせかねない存在だな」


闇属性は精神的にも肉体的にも影響力がとても強く出る魔力だ。
持ち主によって善にも出来るが、悪にも出来る。
このまま行けば彼女の魔力は…。

王子も彼女の魔力を感じ取り、心配してトワに会いに行ったのだ。
その選択は正解だった様だな。


「はぁ…思い過ごしだと良いのだがな」
「それは無いだろうね。何かしら行動を起こすと思うよ彼女」
「取り敢えず、様子見だな」


嬉しいことにトワ君には心強い友人の番犬と神鳥がいる。しかも、幻と言われる妖精王まで知り合いと言っていた。

もし、急な攻撃があっても大抵のことなら彼らが処理出来るだろう。


(だがまぁ…トワ君なら大丈夫という気持ちの方が大きいのだがな。)


トワ君の魔力の応用は本当に素晴らしいもので、雷属性の魔力をあれ程までに幅広く出来る人物はいないだろう。

彼女だけでなく、リオネ君も土属性の魔力を最大限に活かせる能力を持っている。

魔術師の風属性だって素晴らしいものだ。


「余程の阿保でない限り手出しはしないぞ」
「噂によると、特魔生は最近まで他国にいたらしいよ」
「………それは困った」


安全の為に王子との正式な婚姻式までトワ君の情報は他国にあまり流れない様にしている我が国。

「王子の婚約者」という肩書きは誘拐や脅しの餌食になってしまうからだ。

他国にはトワ君の魔力属性と薬剤師としての能力の情報しか知られていないだろう。


「昼食に作戦会議をやろう。あの様子だとトワは彼女を怪しんでいなかったからね」
「了解なのだ。我もそれには賛成するぞ」


我と王子は同時に溜め息をついた。
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